ケント・ナーバーン編

『太陽が輝く天にかけて…
―今に名を残す先住民首長たちの箴言と演説 』

中央アート出版社

1800円

 

  この本は元々は3冊のものが一冊に合冊になったものです。第一部は多くのアメリカ先住民(ネイティヴ・アメリカン)の言葉を数行から数十行引用したもので、テーマ別に分類されています。第二部は19世紀から20世紀を生きた、インディアン初めての医師でもあったチャールズ・アレグザンダー・イーストマン(オヒエサ)が執筆した「あるインディアンの魂」というエッセイが収められています。第三部には、19世紀初めのセネカ族の首長レッド・ジャケットの演説、白人の迫害から逃れるために部族を引き連れてカナダに逃亡しようとしたジョーゼフ首長の演説、そして有名なシアトル首長の演説が収められています。

  第一部の内容はいわば箴言であり、それぞれに異なる文脈で語られた言葉の、ひときわ意味深い部分が取り上げられています。第二部の著者のオヒエサはインディアンと白人、両方の文化に深く通じた人で、従って客観的な立場から両方の文化の長所や欠点を振り返っています。第三部はいずれも演説であり、元々は文字を持たなかった口承文化に属する首長たちらしく、聞き手の魂に訴えかけずにはおかない力強さと深さを備えています。


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