起動ディスク1枚でネットワークを構築し

OSをインストールする方法

Image For Windowsで現状のシステムをバックアップし
そのシステムが壊れたときは
Network BootDisk を経由し
Image For DOS でシステムを復元する方法

 話はシンプルなほうがいい。

 質問――中古のノートPCを入手したがOSが入っていない。外付けのFDDは付属しているがCD−ROMはない。さあ、どうするか?

 FDISKでパーティションを切り、FORMATし、OSインストールに必要なファイルをすべてしこしことフロッピーにコピーし、それをノートPCのドライブへとコピーし、大きすぎるものは分割ツールで分割して1・44MBに収め、50〜100回くらいこれをくり返して、最後にめでたくインストーラーを起動する、というのが原始的ではあるが、間違いのないところだろう。

 ThinkPadあたりだと、コイン一枚でハードディスを取り出せるから、それをデスクトップ機に変換コネクタでつないでOSインストールができる。が、ノートによっては、不器用な人だとHDDを取り出そうとして、筐体やケーブルを破損してしまうこともありうる。

 そこで考えたのがMS−DOSの起動ディスクでネットワークを構築し、デスクトップ機のCD−ROMを使ってOSをインストールするという方法だったが、これが実際にやってみるとずいぶんと難しい。ノートやカードの機種に依存するし、さすがに大昔のOSであるMS−DOSは融通が利かず、ユーザーがファイルを手書きしなければならないケースも多々ある。

 それでは、起動ディスクでUSBを認識させて、コンパクトフラッシュに収めたOSファイルをコピーするというのはどうだろう? それなら一度で済む。しかし、 DOS上でUSBを使うという技術はさらに難易度が高そうだし、あまりポピュラーではないので情報も少ない。

 結局、フロッピーで分割してインストールしたが、その後も気になって調べているうちに、

とうとう、フロッピー一枚でのネットワーク構築に成功した!

 というわけで、ノートやカードの種類に依存するが、その成功例をここに公開しよう。

 

 

 

 

その前に、なぜフロッピーでしこしこやる羽目になったのかという顛末記を、ここに転載する。

 

 6月28日の日記に書いたように、IBMの ThinkPad 390E をヤフオクで約7千円で落札したが、電池が死んでいたり、重さが3・5キロもあったりで、いまいちだった。自作デスクトップ機はデスクの上から動かせないが、これなら家のなかなら移動できる、といった程度のものだった。  それで、某中古PC店より1999年夏モデルの富士通のミニノートPC(FMV-3600MC/W)を約6千円にて購入した。基本スペックは以下のとおり。

CPU Celeron 300MHz

メモリ 32MB + 32MB = 64MB

TFT 8・4型(800x600ドット)

HD  4.3GB

重量  約1・1kg

寸法  230x170x29mm

付属品 フロッピードライブ・AC電源

といったところである。外観は細かな擦り傷が多少はあるが、7年前のものにしてはきれいなほうだろう。ノートPCにありがちなパームレストの汚れもあまり目立たない。液晶にドット抜けや常時点灯は見当たらない。明るさも悪くない。キーボードはさすがに小さいが、文字のかすれはまったくなく、リターンキーにかすかに照かりがある程度。何十台も出ていたので、会社等で使われていたものだろう。ただし、OSはなく、BIOS止まりである。だから、問題はいかにOSをインストールするかだ。

 最初に試みたのは筐体を開け、ハードディスクを取り出し、他のCDドライブのあるPCにつないでインストールするというものだったが、ネット上に資料は多々あるものの、これはきわめてデリケートかつ危険な作業で、筐体の上下をつなぐプラスチックのつめ、キーボードやポインティングデバイスの電子回路ををマザーボードにつなぐ紙のように薄いフィルム状のケーブルとそのコネクタ等、壊さなかったのが不思議なくらいだった。そんな苦労をして取り出した2・5インチのハードディスク、いざ390Eにつなごうとすると、厚みが違っていて、無理にやろうとしたらピンを折りそうだったので中止した。(ちなみに企業戦士の武器である ThinkPad はきわめて合理的にできていて、文字通りコイン一枚でHDDを取り出すことができた。米軍放出品の機能性と同じだ。)

 次に試みたのが、というか、これは必須のプロセスなのだが、起動ディスクでDOSを立ち上げて、パーティションを切り、フォーマットをすることだったが、この手のことは過去の自作機や Linux で慣れていたのですんなりできた。が、問題はそれからだった。Windows2000 インストールに向けて最短距離をとろうとしたが、まさに急がば回れだったのである。

 いちばん簡単そうに見えたのは、DOSでLANを立ち上げて、デスクトップ機のCDからインストールするというものだったが、DOSという最もシンプルなOSは最も複雑な作業を人間に求めるのである。というわけで、ずいぶんとむだな時間を費やしたあげくに、この試みは撃沈とあいなった。

 やはりローテクと根気に限ると、Windows95 の必要な部分をフロッピーに収めて、しこしことDOS経由でハードディスクにコピーした。延べ50枚、フロッピーに収まらないファイルはDIVという分割結合ソフトを利用した。いよいよ setup を開始したが、途中で止まってしまう。Windows95 にはパーティションは 2GB までという壁があることを忘れていた。

 そこで、かつて知ったるなんとやら、Linux の Fips という、データにダメージを与えずにパーティションのサイズ変更や新設ができるソフトでHDを分割したのだが、これがまた後で問題を起こすことになった。デフラグをかけていなかったので、データが散乱し、その一部が破壊されてしまったのだ。インストールは少しは先に進んだものの、何度もファイルの破損を宣告され、ほとんど最初からコピーし直すことになった。

 こうしていちおう Windows95 が入ったのだが、やはり95はレガシーOSだった。どうにもこうにもUSBが機能しない。95用のカードリーダーのドライバが用意されていないのだ。よって大容量のコンパクトディスクが使えない。LANもいくら設定しても認識されない。95はすでに時代から取り残されているのである。

 しかたなく、Windows98 を入れるのにまたまたフロッピーでしこしこと、今度は延べ120枚分のコピーをするはめになった。そして98のインストーラを起動。今度は特に問題なく進む。だが、期待したLANはうまくつながらない。が、どうにかカードリーダーのドライバのインストールには成功した。こうなると話は早い。1GBのコンパクトディスクで Windows2000 のインストールに必要なファイルをコピー。ごく短時間でW2Kのインストールに成功した。いざW2Kになってみると、あれほど苦労したLANもあっさりとつながってしまった。

 というわけで、ずいぶん遠回りをすることになった。隣の家に行くのに反対方向に地球を一周してくるようなものだったが、おかげでいろいろと学習することができた。

 そろそろ電池が切れかけているのだが、延べ2時間になろうとしている。中古としては上出来である。このスペックで Windows2000 はちときついのだが、ワープロ用途としては十分である。

 

 さて、スキルのない自分は、あれこれと数十種類もの1枚の起動ディスクによるネットワーク構築を試みたが、そのどれもうまくいかなかった。デスクトップ機と違って、ノートのパーツは特殊な構成になっているし、そもそもカード、特にPCMCIAは扱いが難しいようだ。

 ここで機器の構成を紹介しておこう。自作デスクトップ機はLAN内蔵で、W2Kがインストールされている。中古ノートは富士通の6300MC4/W(兄弟機に MC/30 がある)、カードはNetGear FA511(curd bus)である。(ちなみに、これはアマゾンでは人気ナンバーワンのLANカードで、これとクロスケーブルのセットで1500円をわずかに上回るため、送料が無料になる!)これをクロスケーブルでつないで、デスクトップ機のCDドライブを使ってOSをインストールしようというのである。

 本題に入る前に、以下のサイトが参考になる。各種の起動ディスクを扱っている。

http://bootdisk.com/

 さて、このなかにネットワーク・ブートディスク(Universal Network Bootdisks)という項目がある。真ん中のリンクは切れていて、左のBartsのサイトのブートディスクはすでに開発を終了している。右の Brad のサイトで公開されているのが、ここで紹介する Universal TCP/IP Network Bootdisk である。

http://www.netbootdisk.com/

(ここでひとつ注意しておきたい。ここのUSB関連のページを見ていたら、ブラウザの挙動がおかしくなった。スクロールしようとすると文字のサイズが変化する。右上の四角い最大化ボタンを押すと、全画面表示になってしまうし、またIMEも使えなくなる。ISPへのアクセスも拒否されたので、あわててウィルスチェックをしたが、変なものはなかった。たぶんイタズラをするスクリプトでも入っているのかもしれない。)
追補――その後、症状が変化し、検索エンジンを使うとブラウザが落ちまくるようになった。明らかにレジストリに改変が加えられたのだろう。というのも、ウィルスチェックをかけてもなにも発見されなかったからだ。それで、結局は、これまでのシステムをすべて削除し、新規にOSをインストールすることになったが、またとんでもない紆余曲折と苦労があって、ようやく原状に復帰することができた。OSの再インストールだけならまだしも、もうすっかり設定を忘れている諸々のソフトを改めてインストールし、元通りに復帰することの難しさを改めて痛感した。それで、ノートPC等でいうところの「リストア」が簡単にできる方法を模索することとなった。これに関しては、このページの末尾に新たに項目を設けるので、そちらのほうを参照していただきたい。)
追補2──これも原因がはたしてハッカーにあったかなんとも言えない。クリーンインストールして、ウィルスやスパイウェアへの防備も固めたが、またしても同じような障害が起きた。IE6のバグとも考えられる。)

 とにかく、このソフトは今も開発が続いているし、またユーザーが手書きする部分はほとんどない。じつによくできたMS−DOSの起動ディスクによるネットワーク構築ソフトである。ところで、このディスクの作り方だが、詳細はダウンロードしたソフトを解凍すると出てくる文書に書いてあるので、そちらを見ていただきたい。DOSプロンプトで makedisk を実行すればいいだけの話である。

 ただ、問題だったのは、ベースになるMS−DOS起動ディスクを windowsXP でつくらねばならないということだ。さもなければ PC-DOS 7.0 の起動ディスクでもよいjとある。(Building the Disk 参照)でも、どこでPC−DOSの起動ディスクを入手できるのか?

http://oldfiles.org.uk/powerload/bootdisk/pcd700bd.zip

 上にPCDOS7のイメージファイルがある。解凍後に添付された説明を見るとわかるが、WinImageというソフトを入手し、イメージをフロッピーに書きめば、PC−DOSの起動ディスクの完成である。次に Universal TCP/IP Network Bootdisk を同じフロッピーへと makedisk でインストールし、めでたくネットワーク起動ディスクの完成だ。

 このネットワーク起動ディスクは、たいがいの内蔵NICは自動認識するようだ。PCMCIA だと手動認識になると思われる。幸いにも、FA511はサポートされていた。最初にサポートされているカードのリストを見ていただきたい。

 親機へのアクセスは、ほんとうは簡単だったのかもしれない。が、なかなかうまくいかなかった。でも、カードのアクセスランプが点灯するので、大いに期待が持てた。これまで試したどの方法やソフトでも点灯すらおぼつかなかったのである。追補――やはりDOSレベルの操作はかなり不安定な要素が多くて、クロスケーブルを差し直したり、両端を逆に差し替えたりしたらうまくつながった場合もある。極性があるのかもしれない。また、ノートの熱にも弱いようである。)

 注意点だけ述べておく。うまくいかないときは、BIOSでプラグアンドプレイは外すとよいかもしれない。デスクトップ機のネットワークの設定については自分で調べてほしい。自分の場合は固定IPアドレスでうまくいった(IPアドレスとサブネットマスク)。たぶんDHCPでも可能だろうが、試してはいない。 親機の個々のドライブについて共有を設定しておかないといけない。(追補──ネットにつなぐときは共有設定は外したほうがいいらしい。トロイの木馬型のウィルスが侵入しやすくなるとか。)

 重要なのは、親機のコンピュータ名、ワークグループ名を設定することである。ノート機も同じワークグループに含めること。親機のローカルユーザーに子機のコンピュータ名も含めること。またファイアウォールソフトは外すこと。自分は入っていることを忘れていたため、親機からはpingが通るのに、子機からは通らなかった。追補――Windows2000 でチェックすべきなのは、コントロールパネル内の「ユーザーとパスワード」にて接続するノート等のコンピュータ名を入れること、マイネットワークのプロパティを開いて、LAN用のローカルエリア接続の TCP/IP でIPアドレスとサブネットマスクを指定すること、マイコンピューターのプロパティでコンピュータ名とワークグループ名を設定し、接続する両方のコンピュータが同じワークグループに所属しているか確かめること、マイコンピュータの「管理」の「ローカルユーザーとグループ」でユーザーに接続するコンピュータ名が入っているか確認すること、といったところだ。ただし、私もいまだにコンピュータ名とユーザー名がどのように区別されているかわからないので、Network BootDisk 起動後の設定では両方を同じにしている。また、上記の説明にはなんらかの誤解もありうるので、自助努力でお願いしたい。)

 最後に、ようやくうまくいった理由だが、コントロールパネルの「ユーザとパスワード」でノート機の名前にパスワードを設定したことだ。パスワードなしだとアクセスできなかった。

 ところで、デスクトップ機は Windows2000 なのでファイルシステムがNTFSで、この起動ディスクのネットワークからでは読めない。追補――これは完全な間違いで、net use コマンドで共有ディレクトリをマウントすれば、NTFSであっても dir コマンドで内容を見ることはできる。ただし読み出しやコピーができるかどうかは不明。書き込みはたぶんだめだろう。なにしろ、DOSのネットワークは不安定らしく、いつも同じ動作をするとは限らない。最終的に確認したのは、CD-ROM のファイルをフロッピーにコピーするのは成功したが、それ以外のコピーはうまくいかなかった。)解説ではNTFSDOSというソフトを追加しろとあるが、これを加えるとメモリが不足してしまう。DOSの弱点だろう。しかし、目的はOSインストールでCD−ROMを使いたいだけなので、CDドライブが見えれば、それでいいのだ。ちなみに、「Net View」コマンドを使うと、6118エラー(サーバーのリストが見つからない)が出てしまい、接続できない。しかし、こういった警告は「ダメでした」と言っているだけで、ほんとうの原因を伝えているかどうかは疑問である。親機が Windows98 なら見えるのかもしれない。追補――これも間違いで、net use コマンドでネットワークドライブをマウントした後は、net view コマンドで現状が表示される。)

 目的はCD-ROMを使うことなので、NET USE コマンドを使った。このコマンドについて詳しいことは知らない。「net use /?」でコマンドの説明が見られる。

 うまくいったコマンドは

  net use E: \\親機名\E

だった。ここでパスワードを求められたら、認識されている証拠である。「E:」は親機のCD−ROMのドライブ名だ。最後の「E」は共有で設定した名前だが、それを反映しているかどうかは不明。(追補――反映している)また、「¥」は英語の起動ディスク上ではバックスラッシュ、つまり「 / 」を左右逆にしたものになる。 あとはくだんの「E:」ドライブに移動すれば、「dir」でCDの内容が読める。さっそく95と98のCDを入れてSetUpを立ち上げようとしたが、DOSの悲しさなのか、メモリ不足と言われてしまい、2000のCDでは「DOSではダメ」とはっきりと断られた。ということは、やっぱり、子機のハードディスクのパーティションを切って、フォーマットし、そこに必要な全ファイルを *.* 等ででコピーし、後は普通の起動ディスクでスタンドアローンの状態にして、セットアップを実行するしかないのだろう。(追補──その後、確認したところでは、やはり95と98はネットワークCD−ROMからのインストールは難しいようだ。しかし、W2Kに関しては、ブータブルであるためか、ネットワーク経由でインストールできるかもしれない。ただ、自分の場合にはバージョンアップグレード版なので、再起動後に全バージョンのCDと差し替えねばならないのだが、再起動すれば当然ネットワークは切れてしまうわけである。)

 以上、なにか参考になったのなら幸いである。が、ここまでお読みいただいた方はおわかりと思うが、たいした知識はないので、質問されても答えられないと思う。ただ「フロッピー1枚だけのネットワーク構築は可能である」とは自信をもって言える。

 

1年半後の補足(2008年12月)

本当は最初から書き直せばいいのだが、時間的な余裕がないので、補足の形で書いておく。上記の6300MCのすぐあとにIBMのシンクパッド240を入手した。サブとして、寝床のなかでネットサーフィンするのに重宝していたが、先日、システムボードが壊れてしまったらしく、BIOSの画面すら出なくなった。ひとつの原因として、付属してきたACアダプターが240が必要とする電力よりはるかに少ない定格出力のものだったことが考えられる。これは壊れてから気づいたことで、アダプターの本体がつねに異様に熱を持っていた時点で対策を講じておくべきだったかもしれない。このことに触れている記述はネット上でも少ないが、定格出力が多すぎる(アンペアが大きい)分には問題ないらしい。つまりそれだけの余裕があるにすぎないのだ。逆に、定格出力が少なすぎると、アダプターの調整回路が無理をしすぎて、出力電圧が不安定になるらしい。そして、不安定な電圧はシステムボードにとって致命的になる可能性がある。(ノートPCの消費電力はマニュアルを見ればわかる。アダプターの定格出力は、例えば16ボルト/2・2アンペアなら、16x2.2=35.2W。しかし、マニュアルに出ているのは最大電力なので、実際に付属するアダプターは、これよりいくらか少ないようだ。)今回、システムボードを交換しようと思ってオークションを漁るなかで気づいたことだ。

では、補足の内容に入るが、新たに入手した240XにOSインストールを試みるなかで気がついたのは、このDOSネットワークでコピーコマンドが使えないのはまったく単純な理由からだった。子機のハードディスクを適正にフォーマットしていなかったからだ。それで、最初はウィンドウズ98の起動ディスクでパーティションを切り、フォーマットしたのだが、このネットブートディスクでは認識されない。じつに単純なことだが、このネットブートディスクはFAT16しか認識しないのだ。98はFAT32だ。しかも、このディスクのなかにはFDISKとFORMATが最初から入っているではないか。なので、これでパーティションを切り、フォーマットすると、DOSネットワークでも簡単に親機から子機へのコピーができたのだった。つまり、OSの中身をまるごとコピーすれば、FDDから単独で子機にOSインストールができる。ただ、普通のCOPYコマンドでは膨大なファイルをコピーするのはほとんど不可能である。なので、XCOPYコマンドというのがあるのを思い出し、98のディスクに入っているものを、わずか16キロぐらいなので、ネットブートディスクの開いているスペースに入れて、これを使ってディレクトリ構造ごとコピーすることができた。もうひとつ、FAT16には有名な2メガバイトの壁があり、それより大きなパーティションはつくれない。なので、これをあとから拡張するにはPARTITION LOGICという、パーティションマジックと同じ作者のフリーソフトを使った。NTFSだと簡単に拡張ができる。以上、補足まで。

 

Image For Windowsで現状のシステムをバックアップし
そのシステムが壊れたときに
Network BootDisk を経由して
Image For DOS でシステムを復元する方法

 

 この Network BootDisk で立ち上げたDOSネットワーク上で、Norton Ghost のようなバックアップソフトを利用する人は多いようだ。そこでフリーのバックアップソフトを探してみると、Image For Windows というものがあった。またこれのDOS版の Image For DOS というのも公開されている。たんにフリー(正確には制限なしで使用できるシェアウェア)というだけでなく、とても優れたソフトのようだった。(Image For Windows はシステムの動きを一時的に止める PHYLock というソフトも同時にインストールしないといけない。また Image for DOS は先に作成した起動ディスクに組み込む方式が紹介されているが、CD−ROMサポート付きの起動ディスクでDOSを立ち上げて、次に Image For DOS をコピーしただけのフロッピーに差し替えて、image を起動してもいいし、または Network BootDisk でDOSネットワークを立ち上げて、 Image を起動してもかまわない。)

以下に日本語の解説ページがある。

http://www.caspers.ii2.cc/image_for_windows/index.html

(ホームページはこちら http://www.caspers.ii2.cc/index.html

 

このソフトの製造元――

http://www.terabyteunlimited.com/imagew.html

 これはWindows2000/XP 用のソフトなので、NTFSが無条件で読み書きできるというのが第一の利点だ。また、Windows 版とDOS版と両方あるので、健全なシステムを Windows 版でバックアップしておき、いったんシステムがダウンしたら、DOS版でリストアするということが可能になる。また最初からブータブルCDとして焼いておけば、ローカルCD-ROMからのリストアも可能だろう。
 単刀直入に本題に入る。 Network BootDisk でDOSのネットワークを立ち上げ、フロッピーを差し替えて Image を立ち上げ、デスクトップ機のCDやHDにあるイメージを読み込んで、ノートをリストアするということは可能であり、実際にうまくいった。
 具体的には、 Network BootDisk で接続後に、net use コマンドでCD−ROMやハードディスクをマウントし、次に Image を起動し、Restore を選択し、リストアするローカルのドライブやパーティションを指定し、ソースにネットワーク上のファイルを指定する。
これだけである。ちなみにディレクトリの記述方式は、項目によっては、C:\windows といった形式ではなくて、\\computer\share といったネットワークの記述方式になる場合がある。またローカル以外のディレクトリは「Files」からアクセスすることになるようだ。このときは C:\backup.img のようにフルパスで指定する。
 健全なシステムのバックアップは、W2Kが走っているノートとデスクトップがLAN接続している状態で行った。 ローカルのCD−ROMだとブータブルCDの書き込みができる。ネットワーク上のCD−ROMへの書き込みはできなかったので、いったんローカルかネットワークのハードディスクに書き出し(このとき最大サイズを 648MB にすると複数のファイルに分けてくれる)、それからCDに焼くという作業となった。

 現状のバックアップは健全なOSが立ち上がっている状態なので特に問題はないのだが、そのOSが壊れて起動できなくなったときにどうするかが問題だ。外付けのCD−ROMが利用できる環境ならまだいいが、それがないときには、Network BootdDisk がきわめて役に立つ。これでネットワークに接続し、Image For DOS を起動し、リストアを選択し、リストアしたいパーティションを指定し、ネットワーク上のCDかHDのソース(image)を指定するだけだ。PCのスペックにもよるが、自分の場合ではファイルの検査も含めて15〜20分でリストアが完了した。 見事に原状に復帰した。

〈Windows2000 でUSB親指シフトキーボードを使う〉
 これは余談になるが、富士通の FKB8579-661 を Windows2000 で使うときに問題が生じることがある。数年前のOSセットアップでも経験したことなのだが、すっかり忘れてしまっていて、余計な遠回りをしてしまった。同じ問題に遭遇する人もいるかもしれないので、参考までにここに対処法をまとめておく。
 要するに、この親指シフトキーボードのキーの上側の文字が打てなくなるのだが、これはUSBキーボード特有の問題である。詳しくは知らないが、PS2キーボードとは出力される信号が違うらしい。親指シフトをエミュレートしているだけなのだ。で、パソコン上に106キーボードのドライバがないと、このUSB親指シフトキーボードは正しく機能しない。(キーマップとかの関係か?)だから、OSインストール時に106キーボードを使っていて、後から親指シフトキーボードを導入した場合にはこの問題は起きない。しかし、OSインストール時にこれを接続していた場合には、PC上に106のドライバが存在していない。106があれば、それをPS2ポートにつないで認識させればドライバが入る。あるいは英語の101しかないなら、101のドライバを入れておいて、後からそれを106用に強制的に置き換えればよい。

追補──これもいくらか思い違いがあった。FKB8579-661 のみを接続し、OSをインストールする際、キーボード選択画面で101でも106でもない、「それ以外(S)」を選択し、次の画面で「日本語106(USB含む)」を選択していれば上のような問題は起きない。ここで間違った場合には、上のような手続きが必要になる。

 

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