現代日曜百姓用語の基礎知識 Vol.1

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あ行
うす/ うね/ /

か行
かき/ かま/ きね/ くわ/ くんたん/ こうさく/ 米糠/ コンポスト/

さ行
さくなわ/ さわす/

た行
堆肥/ タロウ/ つるし柿/

な行
ナメクジ/

は行
ビ−ル/ ヒヨドリ/ ふろ/ ぼかし肥/

ま行
ミミズ/ めじろ/ 木酢(もくさく)/ もんしろちょう/

や行
やまばと/ /

ら行
離農/ 輪作/ 連作障害/

わ行
わら






読み意味.用法他
連作障害
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物の本によれば連作障害の原因は
  • 病原菌の増殖。
  • センチュウの増殖。
  • 自家分泌物による自家中毒。
などがあるらしい。
キャベツなどのアブラナ科はネコブセンチュウを、ジャガイモ、里芋などもセンチュウの増殖を招き、後作に影響すると言うことらしい。 しかし、有機自然農法を試みている人たちのHPを見れば、「緑肥 + 米糠 + 分解微生物」での地中ボカシで、畑のバランスを戻せば連作も可能という報告もある。 こちらの方が夢があって良いが、自分で試してみなければ分からない。(2003/04/15)
輪 作
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毎年作物の種類を替えて連作障害の起こらないようにして作り続けること。 畑を4分割以上にして、1区画に同じ科の作物を集めて順番に位置を変えていくことで、同じ区画に同じ科の作物を連作することを防ぐ。(2003/04/15)
米 糠
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今注目の米糠。農文協などの本では盛んに特集を組んでいる。身近で安価な有機材料である。一袋\100.-で米屋から買える。堆肥に混ぜて良し、ぼかしの材料に良し、そのまま畑や水田に撒いて良し。2003/03/02
ぼかし肥
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初めて本で目にしたときは堆肥とどこが違うのかと思った。堆肥は70〜80度にも熱が出るがそのまま完熟まで持って行く。いわゆる完熟堆肥である。ぼかし肥は有機質の中に発酵菌が繁殖した状態まで持って行ったらそこで熱を冷まし乾燥させる。半熟の有機質に酵母菌を閉じこめるのである。これを根の近くに施すと水分を吸収して再び菌が活動し始める。根圏菌の相を豊かにすることが植物の健康な生育に良いらしい。結局は土作りである。と言っても単に肥料の効いている土という意味ではない。森林の土のように土壌の中の小動物、微生物との共生で植物は育つという発想である。
木酢(もくさく)
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これも最近のはやり物の一つ。三種の神器ではないが、木酢、燻炭、ぼかし肥が、よく本に出てくる。これに米糠が加わればオ−ルキャストである。炭焼きの過程で出てくる煙の中の成分を生成した液体。葉面散布よし。株もと散布をよし。堆肥に掛ければ微生物の繁殖を促し悪臭を押さえるという。唐辛子、魚腸などつけ込むと害虫の予防にも成るという。魔法の液体。(2003/03/02)
燻炭
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自然農法などの本によく出てくる。土の中で木の枝などを蒸し焼きにするらしい。炭よりも効果があるという。土の通気性を改善し、微生物のすみかを提供するという。定植後の苗の根は、この燻炭めがけて真っ白い細根を網のように発生するという。しかし一昼夜以上イブリ焼きにすると言うから人家の近いところや狭い畑での自家製は危険であろう。 (2003/03/02)
堆 肥
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結局土づくりが百姓の基本であるらしい。完熟した堆肥を入れてふかふかした土を目指す。作物によってアルカリ性を好む者もあり、あまり気にしない者もある。菠薐草はもっともアルカリを好み、その正否が顕著に出る。里芋などはあまり気を遣わない。健康な体を作る事が病気を掛かりにくくし、消毒の回数も減る。
木工やさんから貰う木屑に、家庭から出る野菜くずを混ぜて発酵させる。野積みにしたら、毎晩米のとぎ汁をバケツ1杯かける。水分が十分でないと菌やミミズ、昆虫などが分解してくれない。コンポストに家庭の野菜くずが貯まるのに3ヶ月、それを発酵させるのに1ヶ月。更にそれを木屑に混ぜて3ヶ月。最低でも7ヶ月間かかる。

百姓の仕事は毎日の小さな作業をコツコツ飽きずに積み重ねて長い時間を掛けるしかない。環境の中に入って、その流れに身を任せるしかない。
つるし柿
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[説明]
つるし柿専用の実の大きな柿がある。熟して柔らかくなってもまずくて食えない。ところが、まだ熟す前に皮を剥いてつるし柿にすると、しっとりと鼈甲より黒っぽい良い色になる。食すと旨い、不思議である。この時期になると女房と、秋の夜長に柿を剥く。 ところが、このつるし柿はスズメ、メジロ、ヒヨドリの餌食になる。旨そうになるちょっと手前から、こいつらにつつかれる。今年は防鳥網を前面に掛けて防いだ。トマトもそうである。防鳥網がなければいくら作っても口に入らない。
さわす
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[説明]
渋柿の渋を抜くことを「サワス」と言う。方言だと思っていたら漢和辞典に載っていた。「醂(さわ)す。」古来より、渋柿の渋を抜いて食していたんだなぁ。ちなみに我が家のシブ抜きは「湯抜き」である。40度ほどの湯の中にどんぶり一杯の塩と、柿を入れて一晩おく。翌朝、温度の下がった湯を少し入れ替えて再び40度ほどの湯にしてその日の夕までおく。夕飯には食せる。旨い。好物である。
ナメクジ
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我が家の畑は、ナメクジ、だんご虫、トカゲ、コウロギ、ミミズの宝庫である。キャベツ一つを取ると、葉の隙間に20匹のナメクジが入っている。水で洗い流すとマメくじの集団が配水管を通って、側溝に流れる。奴らは水中でも平気で這って歩く。これらがワラワラと水面から側溝の壁を這って登ってくるのは、壮観を通り越して不気味。暫くすると何処とも無く散っていく。またキャベツに潜り込むんだろな。
有機農法/無農薬とウルサイが、結果はこう言うことである。内の女房だから平気で水で洗って食べるけど、この様を見たら、ス−パ−で買い物をする連中はなんて言うだろう。

[用法]肉を喰らうには屠殺を思え。作物を喰らうにはナメクジを見よ。
[意味]余りにも人工的に加工された物ばかりに囲まれていると、命を繋ぐ食い物の本来の姿、意味を忘れる。食べるとは命を繋ぐことであり、命を繋ぐとは他の命を頂くことである。自分の口に入れる物の現実、本当の意味を忘れるなという戒め。
りのう(離農)
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内の部落も当の昔に農村ではなくなった。私の世代で専業は5本の指でも余るほどだ。 当然その次の世代では。。。 日本中どこの田舎も似たような現象だろう。それなのに食卓の野菜はかえって豊富になった。レタス、モロヘ−ヤ、ブロッコリ−、ピ−マン。。。。カタカナ文字の野菜も増えた。離農しても、50才後半くらいから又「日曜百姓」に、戻ってくる。夏は朝早くから自転車に鍬をくくりつけて畑に行く。 誰にも拘束されず、自分の時間を自分がコントロ−ルして使える。これが良いという。 気を使うのは、「天候と季節の流れ」だけ。

[反 語]  きのう(帰農)

死が近くなると、頑張らなくても良いことは、自然に脱落していく。最期に鍬を担いで畑に行くのは、百姓の帰巣本能か。
コンポスト
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Compostは「堆肥」と言う意味らしい。生ゴミを入れて発酵させる容器の名前として普及したのだろう。我が家では50L入り3個を使用している。一つがいっぱいになって閉鎖して、次の容器を使い始めていっぱいになる頃には、前の容器の生ゴミは全て発酵して真っ黒くなる。この状態なら悪臭も気にならない程度になる。これを直接作物の根本に施して軽く土をかけておくと驚くほどの効果がある。発酵菌が土壌中で活躍するらしい。

タロウ
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我が家の飼い犬の名。娘が友達から貰い受ける。散歩の約束を叱られないと果たさず。為に、彼は性格的にいじけている。
我が家の動物性の生ゴミを一手に引き受けている。彼の糞はコンポストに入る。

[用法]おまえはタロウにも劣る。
[意味]タロウでさえリサイクルの一端を担っている。おまえはそれすらも出来ずに、最低だの意。
ビ−ル
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夏の必需品。これがないと耕作が出来ない。
夏の耕作に欠かせぬもの、それは、ビ−ル、シャワ−、昼寝、風呂。
うす(臼〕
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餅つきの道具の一つ。杵と一組で使う。
我が家に伝わる臼は縦にひびが入り、かすがい3本で止めてある。この隙間に餅が入り、毎年ゴキブリの巣になるらしい。
うね(畝)
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移植や、蒔種のため畑を適当な広さに区切ったもの。
耕作したての畑は土が山になったりしていて種など蒔ける状態ではない。全体を平らに均して、別項の[作縄]を使って、区切る。これが、畝である。
畝、畦、敷居、木口..いずれ死語に成るであらう。

[用法]こじっかり、畝をきっとかにゃ。
[意味]物事には準備、手順がある。いきなり結論を急いでもダメ。物事は段階を踏んで結論に至るという古老の教え。
え(柄)
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手の延長である百姓の道具には木の柄が付いている。樫が多いが、この柄をすげ替えてくれる職人が私の町では、もう一人しか居ない。後継者もない。彼は工事用のツルハシ、シャベル、などの柄もすげ替える。今ではこちらが主かもしれない。昔から町の真ん中にすむ彼の家は未だに仕事で出た木っ端を燃料に風呂を沸かす。一人娘は結婚して独立。彼女は「未だに蒔きをもしてお風呂を沸かすんですよ。」。現代娘である。燃しきれない木っ端を貰っていた彼の友人も病気になって、もう貰いにこなくなったそうだ。70に手の届く世代だ。
お豆腐やさんのオカラも、彼のような職人の家から出る木っ端も、産業廃棄物としてお金を出して引き取ってもらう時代だ。たいした手間賃のはいる仕事じゃない、金を出して木っ端を処分してたら商売にならね、と彼は嘆く。我が家も彼から2〜3回木っ端を貰った事がある。

[用法]あの家も、とうとう柄がスゲ変わった。
[意味]近所でコワモテで鳴らした当主も、とうとう亡くなって息子の代になった、の意。
かき(柿)
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中高木の果物の木。枝は折れやすく脆い。
我が家の柿は「4つ溝柿」と言って、典型的渋柿の一つ。これをサワスとなまじの甘柿より旨くなる。有って当たり前と思っていたが、これは静岡県東部以外ではあまり見かけないらしい。私の好物の一つだ。
かま(鎌)
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農機具の一つ。近年活躍の場がほとんどない。稲はコンバイン、雑草は電動草刈り機。 女房が、裏の雑草を刈るときに使うぐらい。
鎌の刃は微妙に反りが入っているから研ぐときは又の下に鎌を固定して、砥石を当てて動かす。見た目にはとても危なっかしい。この技術も知る者は減少の一途をたどっている。知る者も伝えることをせず。
きね(杵)
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餅つきの道具の一つ。詳しくは[うす]の項参照。
正月の餅つきは子供の頃からの習慣で、疑いもしなかった。しかし、近年この習慣の方が天然記念物らしい。
女房曰く、「この町内で臼と杵で餅つくのは、この両隣三軒だけだ よ。」

[用法]昔取った、杵柄。
[意味]以前は当たり前と思われた習慣も、時代とともに天然物的遺風となる、の意。
くわ(鍬)
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農機具の一つ。日曜百姓は、鍬、一輪車、作縄が有ればほとんど足りる。 従って、鍬一本持ってウロウロしているのは、日曜百姓のみだ。専業は機械を使う。

[用法]鍬、一本を担ぐ。
[意味]鍬一本の百姓(遊び半分の日曜百姓)になった、の意。
こうさく(耕作)
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農作業の手順の一つ。畝を斬る前の仕事。
日曜百姓の一番大変で、重要な手順。これをしっかりやっていれば後は楽が出来る。 この時、有機質をたっぷり入れておけば土壌改良にも成り、化学肥料などは無用となる。 熟成した有機質を入れない場合は、直植えの最低でも三ヶ月前に終わりにしておきたい作業だ。
冬の間にやって置いて、暑い夏は避けたい。

[類語]田オコシ。ウナう。
さくなわ(作縄
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農作業の補助用具の一。
シュロの毛で編んだひもの両端に竹の棒を一本づつ結びつけた物。畑の両端にこの竹をたて、間にシュロの綱を張る。これに沿って、鍬で畝を斬る。

[用法]あいつには、さく(さくなわの略)士だ。
[意味]作縄は、畝を斬るときの基準、物事の道理に例えられる。従って、道理をわきまえた人の意。
ひよどり(ヒヨドリ)
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中型の里鳥の一.気性荒く、他の小型の鳥がいても追い払って餌場を占領する。
ミカン畑の鳥害のほとんどはヒヨドリ。目白などはそのおこぼれに預かる程度。 先においしいミカン、イチジクなどを食べ尽くし、無くなるとやまの実を仕方なし喰らう。

[用法]ヒヨドリこえ〜(恐い)。
[意味]ヒヨドリの目先の快楽に飛びつく刹那的な生き方と、気性の荒さから、無計画で刹那的な生き方をする人をなじった言い方。
ふろ(風呂)
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我が家にも、いよいよガス風呂にしようと言う話が持ち上がっている。今は風呂に入る一時間前から薪に火をつけて湧かす。これが当たり前だと思ってきた。蛇口をひねると湯が出る風呂とは、どんなもんだろ。
みみず(ミミズ)
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有機農法と喧しい。ミミズは土壌改良の主役と誰もが話す。曰く、ミミズのいる畑は良い畑。
しかし、鍬で耕作すれば、ミミズを切断することは当たり前。どうせ、あいつらは体二つになっても、生きている。。。

[用法]ミミズのような扱いを受ける。
[意味]口では大事にするが、実際の扱いはミミズ以下という意。
もんしろちょう(紋白蝶)
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紋白蝶がヒラヒラ舞えば、愛らしく感じる。しかしその生んだ卵からはアオムシが出て葉を食い荒らす。アオムシは憎いと感じ、その親は愛らしいと感じる。 しかし、よくよく考えてみれば、彼らはただ機械的に次の世代を残さんが為に営々として幾代にも渡って続けてきた営みである。それのどうかんじるかは、受け取る人間の勝手である。

[用法]枯れ野も、もんしろちょう。
[意味]身勝手に感情移入して物事を見ては、本質を誤るの意。
めじろ(目白)
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小型の里鳥の一.冬になると群れて里に下りてくる。目的は、里のミカン、柿など。 ヒヨドリはおろか、雀にもおびえて飛び去る。

[用法]目白のまんま。
[意味]目白のように、臆病な様。
やまばと(山鳩)
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度胸があるのか鈍感なのか、人が近づいてもヨチヨチ歩いて逃げる。決して飛ばない。 人なつこいを通り越してづ−づ−しいのである。タロウのドッグフ−ドのお余りを常食としているので肥えている。あの体をひきづってヨチヨチ、タロウの小屋にはいる。今ではタロウも見て見ぬ振り、横を向いてしまう。当の山鳩は、眼前に犬など居ないといった風に堂々たる態度で、お余りをついばむ。
ゆうきひりょう(有機肥料)
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台所から出る生ゴミは、野菜くずと、動物性くずに分ける。野菜くず(植物性くず)は、コンポストへ。 動物性のくずはタロウ[タロウの項参照]の腹を経てコンポストへ。
女房は子供会で公園の掃除をすると、掃き集めた落ち葉をもらってくる。大きな袋に5〜6杯になる。 これらも、畑にはいる。収穫の終わった野菜を片づけた後の物も畑にはいる。庭木の剪定で出た物もはいる。
わら(藁)
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もう、身近に稲作農家がない。作ればお上がやれ、過剰米だ、古米だと百姓を叱る。農協がお上のお先棒を担いで、今年の減反に協力してくれなきゃ、と脅かす。青年団は、青刈りで補助金貰うベと相談する。
「おぼれる者、藁をも掴む。」と言う。頼りない物の代表だった藁は、いまは金を出して買わなきゃ成らぬ。そんな物を畏れ多くて、畑に敷いたり出来ぬ。

[用法]おぼれる者、藁をも掴む。
[意味]現代は、寄らば大樹の陰と、同義に使う。







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