以下は、囲碁デ−タベ−ス /日刊囲碁の記事からの引用です。
(*)文中の太文字は、引用者。

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0541 2001/03/26(月) インターネット碁会所IGSの歴史 囲碁データベース 568

【2000年6月23日 rec.games.go】

以下はrec.games.goにTweedieが6月23日に投稿した記事の直訳です。Tweedieはzhugeなる人物の投稿があったと紹介していますが、zhugeはIGSのサーバー管理者の誰かだと思われます。


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インターネット碁会所Internet Go Server(略称IGS)は1992年2月のアメリカニューメキシコ大学(Univ. of New Mexico)で誕生した。IGSの設計者はTim Casey、tweetはIGSの管理人である。IGSサーバーは当初アメリカのSierraNetworkにあり、毎月の基本料金は13ドル、30時間を超過すると別料金を取られていた。IGSの利用料は無料だったため、あっという間に利用者が増えた。当時の利用者は欧米、日本、台湾の人が大半だった。

IGSの出現はアマ棋士には福音だった。同時にプロ棋士も興味をもった。1992年4月24日、当時アメリカに在住していた中国プロ棋士・江鋳久九段(内廼偉九段のご主人)はtobeという名の棋士(当時アメリカ在住の韓国プロ棋士・車敏洙四段と言われる)とIGSで対局した。1992年7月、アメリカ在住の韓国プロ棋士・ジャニス・キム初段はshearという名の棋士(アメリカ留学中の前台湾名人と言われる)とIGSで対局した。1992年9‐10月、アムステルダムで日本の第17期名人戦決勝七番勝負第1局が行われ、オランダ人のJansteenがIGSに棋譜を同時掲載し、100人以上の人が観戦した。同時に石田芳夫九段がIGSを使って指導碁を打った。1993年下期、日本の羽根泰正九段と宮本直毅九段が欧州訪問した際、羽根泰正九段がアムステルダムでIGSを使って指導碁を打った。1993年には江鋳久九段がIGSを使って台湾の周俊勲に指導碁を打った。アメリカ在住の中国プロ棋士・楊以倫七段は1994年からylyというハンドル名でIGSを使った指導碁を打っている。

開設当初、IGSの段位は6dまで自己申告で申請でき、6局打つと「*」(認定サイン)が付く仕組みだった。しかし、IGSの利用者数が増えると、名目と実質が一致しない「段位膨張」という現象が起き、6d*や7d*が増えた。そこで1993年6月、自己申告段位を4dまでとし、20局打つと「*」(認定サイン)が付くようにした。しかしどのようにしても、すぐに5d*〜7d*が出てしまう。そこでIGSは1993年6月某日、5d以上を平均1d〜2d降格し、一夜にして6d*、7d*を無くしてしまった。いわゆる「六段大虐殺(6-dan massacre)」事件である。現在、アマチュアは最高5d*で落ち着いている。

開設当初、参加者の持ち点は小数点以下第二位まで表示され、一局毎に持ち点が昇降するのを確認できた。しかし、棋力が大幅に違う人が対局し、一勝一敗だと小数点以下の持ち点がほとんど動かない。これが参加者の不満となった。そこで、小数点以下は一位までしか見えないようにし、最後には持ち点は整数部分しか見えないようにしてしまった。

1992年から1994年まで、IGSサーバーは五回移転されている。ニューメキシコ大学、UC-berkeiey、ペンシルベニア大学(Uni. Penn)、UCSFとフランス。IGSサーバーがドイツに移転されたこともあったと思う。五回の転居先の中ではUC-berkeieyとペンシルベニア大学にあった時間が比較的長かった。IGSサーバーがフランスにあったのは1992年4月の開設直後で、アメリカのサーバを一次閉鎖するためだった。 1994年年始および年末に「IGSを日本か韓国に売ろう、しかも一局2ドルの利用料金を取るようにしよう」という話が起きあがった。連日のようにrec.games.goとIGS上で激論が交わされた。大多数の意見は当然ながら有料化反対だった。しかしIGSの首脳陣は譲らず、消極的反対の利用者が優勢となっていった。「有料になってもIGSで碁を打ちますか」との質問には「有料になったら新しいサーバーを起こします」という意見もあった。確かに欧米には碁の棋力は強くないが、碁のプログラミングはプロ九段クラスと言う人が結構いた。

1995年初、IGSサーバーは韓国のI-Netに売られた。この結果、韓国の利用者はI-Net(韓国)を経由しないとIGSにアクセス出来なくなり有料となった。その後1996年にIGSサーバーは日本のPandaNetに売られた。1997年初、日本の利用者はPandaNet(日本)を経由しないとIGSにアクセス出来なくなり有料となった。しかし韓国、日本以外の利用者は有料化を免れた。(この点ではIGSの「新しい家主」は賢明である。欧米の囲碁ファンは相変わらずIGSに来ますから) 日本、韓国の囲碁ファンはI-Net(韓国)やPandaNet(日本)を経由しないでIGSにアクセスすれば、今でも無料でIGSを利用できる。しかし、日本、韓国ではIGSが有料になった影響が出ており、韓国では1995年以降、IGSの利用者は非常に少なくなり、日本の囲碁ファンは不平を言うことが多くなっている。

IGSサーバーが韓国に売られて以降、IGSのアクセス速度はアメリカ時代に比べ格段に良くなり、同時に1000人がアクセスしても大丈夫になった。日中韓の囲碁ファンも次第に増え、IGSでは24時間何時行っても一、二百ヶ国の囲碁ファンが碁を打ち、雑談を楽しんでいる。IGSが名実ともに世界最大の碁会所と言えるでしょう。
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●記録者 囲碁データベース
●記録日 2001/03/26(月) 06:48