みるのはコレ!


世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
 村上春樹の長編小説。
 映画「マトリックス」で表現されていたというよりは映画そのものであった、現実とは別の脳を介したもうひとつの世界。もちろん映画である「マトリックス」ほど派手さは感じないが、この小説でも脳を介したふたつの世界があって、しかも同時進行しどこか結びついていて、興味深く読み進めることができる。
 作者が当時そこまで考えていたかは判らないが、バーチャルな世界のことでも必ず現実の世界に結びついていると、現在のコンピューターネットワークの世界に対して警告を送っているのではないかと思う。
 村上春樹の長編小説の主人公たちの行為は、必ず読み手の考えを裏切り続けるのである。それが読み続けていくうえで、主人公のやる瀬なさや切なさを一層深いものにしていくように感じる。


EYES WIDE SHUT
 スタンリー・キューブリック監督の遺作映画。
 トム・クルーズとニコール・キッドマンの実生活でも夫婦の二人が主演。
 うまく心が繋がらない夫婦間の嫉妬心から展開される、スリリングでエロチックな心理サスペンス。
 18禁であるだけでなく、映像がとても美しい。
えへへっ!


THE THOMAS CROWN AFFAIR
 「ダイ・ハード」のジョン・マクティアナン監督&「007」のピアース・ブロスナンのスタイリッシュ・アクション映画(大人の映画)。
 大富豪である天才大泥棒の華麗な完全犯罪が見事。
しかも最後の最後まで、すべて計算され尽くされているところが憎い!
思わずハッとさせられる。


         ふ わ ふ わ
 村上春樹・著/安西水丸・絵の大人でも読める異色の絵本。
猫について書かれた絵本であり、二十数ページしかなく、1ページに4行程度しか文字がない。
さらに、愛読者カードの宛先は講談社の児童図書第一出版部であり完全な絵本である。
それなのに1200円もする高価な本なのである。
 大人が頭を休めるための本なのであろう。




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