月の色はなぜ赤かった?〜皆既月食から〜


2000年7月16日には,皆既時間が1時間47分にも及ぶかなりの長時間の皆既月食が見られました。
いつもの満月では,月は白や銀色に見え,とても明るく自分の影が長くのびたり,懐中電灯なしで物が分かったりしますが,皆既中の月は,赤く暗く,周りも真っ暗になります。
もちろん,地球の影に入ったのだから,暗くなるのは分かりますが,では,なぜ,月は黒く見えなくならないのでしょうか?


いつもの満月 皆既月食(2000/07/16)

光と色について

 光は,波の性質を持っています。虹の色で分かるように,太陽の光をプリズムにかけると,7色に分けることができます。
波といっても,非常に細かいもので,山から山(あるいは谷から谷)まで,nm(ナノメートル)という単位を使います。
1nmは,100万分の1mmです。

波長(nm) 10〜380 380〜430 430〜460 460〜500 500〜570 570〜590 590〜610 610〜780 780〜1mm
色相 紫外線 赤外線

 光の三原色というのがあって,RGBの三色,赤(R)・緑(G)・青紫(B)の基本三色からなっています。
テレビの画面も,よ〜く見ると,つぶつぶが見えて,この三色からすべての色を作っているのが分かります。

 そして,これらの色を混ぜると,光は白くなります。これが,いつも月が光っている白色です。

 しかし,電波の性質として,波長の短いものは直進性があり,波長の長いものほど,物体を回り込むことができるというのがあります。
ちょうど,山の谷やトンネルでラジオをつけていると,AMとFMで聞こえる具合が違うのと同じです。

 だから,可視光の中で一番波長の長い赤は,地球を回り込むことができ,月まで届くので,月が赤く見えるということなのです。