11/20放送の第7話「ファラァの秘密」 <これまでの粗筋> 甦ったソロンの記憶によって、クリスタルは地球を救う為に必要な物だと 知ったリック達。クリスタルの謎を解く為に旅に出た一同は、出くわした 盗賊団から手掛りを掴む。盗賊団のアジトはヘリング博士とアビスが研究 所として使っていた洞窟だった。更なる手掛りを求めて洞窟を調べると、 クリスタルの隠し場所の地図を表示する車のオモチャを発見。と、そこへ パロが現れた。リックはパロが祖父を殺したと知り、怒りに燃える……。 祖父の仇のパロが目の前に居る……。にじり寄って行くリックをソロンが 引き留める。リックの心情など気にもせず、パロはオモチャを渡せと手を 差し出す。拒否するリックに、必要とする者が持つべきだと言い、何故か ファラァに同意を求めるパロ。その言葉に困惑するファラァ。ファラァは クリスタルをブルアイ山に届ける役目を持ち、ドクター・アビスの孫娘で 後継者でもあると言うパロ。それを聞いて驚く一同。一緒にブルアイ山に 戻ろうと言うパロに、行かないと答えるファラァ。しかし、パロは実力で 連れ帰る気なのか、ファラァに歩み寄って行く。それを見ている事しか出 来ないリック達。嫌だと言うファラァだったが、パロが手を差し出すと気 を失って倒れてしまう。 ファラァを支えるパロ。それを見たリックが手を放せと叫ぶ。その声で気 が付いたファラァが昔の事を思い出した。幼い自分を庇う両親に銃を向け たパロの姿を……。突き飛ばすようにしてパロから離れたファラァ。悲鳴 を上げるファラァに驚くパロ。泣いていたファラァが立ち上ると、険しい 顔でパロを睨みながら言った。この人は父と母も殺した、と……。(--) ファラァが思い出してしまったので困った顔をするパロ。アビスに協力し てさえいれば殺されずに済んだと言うパロに、それもアビスの命令だった のかと問うリック。アビスには逆らえないと言うパロ。父は地球の平和の 為に祖父のアビスに協力していたと言うファラァに、地球が平和になる方 法は1つ、偉大な支配者を持つ事だと言うパロ。そんなパロにランタンを 投げ付けたロッドは、お前らみたいな連中が居るから自分みたいな子供が 増えるのだと言って泣き出した。勝手な理屈を振り回した奴の所為で自分 の両親も死んでしまったと。(;_;) そんなロッドを慰めるソロン。 地図を持ち帰ってアビスに渡せばいいと言うパロに、息子である父を殺す ような人が祖父である訳が無いと言うファラァ。思ったように事が運ばな いので歯噛みするパロ。しかし、さすがのアビスも孫に裏切られるとは予 想していなかったと言って笑い出すと話し始めた。アビスはクリスタルで 地球支配を考えたがヘリング博士にクリスタルを隠された。そこで賞金を 懸けて探させた。念には念を入れ、ブルアイに帰る記憶だけを植え付けた ファラァをリック達の元に届けた。どう転んでもクリスタルは自分達の所 にやって来る筈だったのだが……。 自分も殺すのかと問うファラァに、また記憶を消そうと言うパロ。記憶を 取り戻せば不幸になるだけだと言われ怪訝な顔になるファラァ。ファラァ は渡さないと言うリックに、話し合いは終わりだと答えたパロが右手を上 げる。それを合図に5人の部下が現れた。ファラァと地図を奪えと指示さ れてリック達に襲い掛かる。部下を返り討ちにしたリック達はイリスへと 走る。去り際にパロと視線を交わすリック。パロは悔しがるどころか余裕 の笑い声を上げた……。 イリスに乗り込んだ一同。ここから逃げると言うソロンに、その前に祖父 の仇を取ると言い出したリック。それを聞いたソロンは、博士が望んだの は復讐では無いと諭す。博士が望んだのは地球を救う事。だから命と引き 換えにしたのだと。渋々納得したリック。洞窟から走り去るイリスを見送 る人影が1つ。それは賞金稼ぎのシェラザードだった。 ファラァを気遣って声を掛けるリック。肉親をパロに殺された。ファラァ もリックと同じ境遇だったのだ。この思いは何時か必ず晴らすと心に決め たリック。と、その時、モニタにレーダー反応が映し出される。外の様子 を窺がうと、そこには巨大なコンバット・メタルが立っていた。更に前方 からは戦車とバイクの一団が。おまけに上空には軍用ヘリまでが現れた。 取り囲まれてしまい歯噛みするリック。命が欲しければファラァと地図の 入ったオモチャを渡せと言うパロ。捕まえられるものなら捕まえてみろと 言い返すと全速力でイリスを走らせるリック。追い掛けて行く戦車とヘリ の一団。パロのコンバット・メタル「ミッドガルド」も宙に浮くとイリス の追跡を始めた。 逃げているだけでは埒があかない。ヘリに向けて砲撃するリック。しかし ヘリは難なく弾をかわすと反撃を始めた。その頃、シェラザードの乗った ワルキュリエがイリスの元へと向かっていた。相手の攻撃が当たらない事 を馬鹿にするロッド。しかし、それは意図的だった。イリスにはファラァ と地図が乗っているから。ヘリの攻撃に追い立てられて崖から落ちてしま ったイリスに落石が迫る。砲撃して打ち砕き、事無きを得たが……。 ヘリの音が無くなったので、気になってイリスから顔を覗かせたロッド。 まだ危ないから中に入っていろとリックが言ったその時、ミッドガルドが 直上から現われた! そして、4本の足でイリスを掴みあげると上空へと 舞い上がって行く。これにはイリスも為す術が無かった。 地面に降ろされたので反撃を始めたイリス。ミッドガルドの足に砲撃して 抜け出すと体当りを仕掛ける。しかし、効果は無かった。逆に蹴り飛ばさ れてしまう。更にミッドガルドのミサイル攻撃に翻弄されるイリス。山の 頂上に降ろされた為に逃げ場が無い。限られた空間でミッドガルドとヘリ を相手にしなくてはならなかった。言いなりになる位なら飢え死にした方 がマシだと言い返したものの、このままでは不利だ。抜け出す方法は無い のかとリックに聞かれ、考え込み、歯噛みするソロン。 方法はあると言うファラァ。それを聞いて喜ぶリック。しかし、ファラァ の手が自分の持つオモチャに伸びたのを見て、その表情は一転した。戻る と言うファラァに、負けちゃ駄目だと諭すリック。地球がどうなるのかと 問い詰めるロッド。ファラァは言う。死んだらそれで終わり、生きていれ ば何時かきっと次の道も開ける、と。それを聞いて言葉を無くすリック。 ファラァの決心は固かった。必ず戻って来る、生きて再び会おうと……。 負けた訳じゃ無い。泣き出したソロンを励ますファラァ。その言葉は多分 自分にも向けたものだろう。 イリスから降りて来たファラァを見て、満足げに笑うパロ。自分を心配す るリックに、振り向くと笑顔を向けるファラァ。リック達は無事に帰すと 約束するように言うファラァに、そうすると何時邪魔されるか分からない と答えるパロ。それなら帰らないと言うファラァに向かってミッドガルド が進み出した。ヘリもそれに続く。と、その時、突然ヘリが爆発を起こし た。何事かと驚くパロの前にワルキュリエが姿を現した。 邪魔をするなと怒るパロ。それを合図に残ったヘリがワルキュリエに攻撃 を始めた。機関銃の弾が飛び交う中、リックは逃げ出したファラァに駆け 寄る。ミッドガルドもワルキュリエに攻撃を始めた。素早い身のこなしで それを避けるワルキュリエ。と、逸れたミサイルがリックとファラァの近 くに着弾し爆発。リック達は爆風で吹き飛ばされ、山から落ちて行った。 それを見たパロが手間を掛けさせるなと文句を言いながらもミッドガルド で助けに向かう。それを追うワルキュリエ。空を飛べないイリスに乗って いるソロンは2人を助けに行けない無力さを嘆く……。 リック達に追い付いたミッドガルド。と、追い掛けて来たワルキュリエが ミッドガルドに殴り掛かった。どういう積もりだと怒り出したパロ。受け て立つとワルキュリエに攻撃を仕掛けた。今度は命中し、ワルキュリエは 地面に向かって真っ逆さまに落ちて行く。そうしている間も、忘れられて いる感のあるリック達も落下を続けていた……。 自分が助けに行けないので、何とかしてくれと歯噛むソロン。と、その時 クリスタルが輝き出し、イリスに不思議なパワーが集まり始めた。ソロン は意を決し、イリスを走らせると山から飛び降りさせた。続いて波動砲を 発射する。通常より威力の上がった波動砲が螺旋を描きながら飛んで行き ミッドガルドに襲い掛かった。突然の攻撃を避ける事が出来ず、直撃を受 けたミッドガルドは煙を上げながら墜落して行く。 気が付いたシェラザードの前をミッドガルドが落ちて行く。体勢を立直し たワルキュリエの下でミッドガルドが地面に激突し爆発した。リック達も あと少しで同じ運命を辿るという時に、ワルキュリエが下に回り込んで2 人を受け止めた。ホッと安堵の溜め息を吐くリック。しかし、これで安心 するのは早かった。ロッドとソロン、そしてイリスが未だ山の上に、いや 山から落ちて来ている最中だ。着地したワルキュリエが降って来たイリス を見事にキャッチ。お目目グルグルのロッドとソロンではあったが、どう にか無事だった。(^^;;; みんな無事で良かったと笑うシェラザード。悪運の強い戦車だと感心する シェラザードに、運ではなくイリスには凄い力があると力説するロッド。 「イリス」 その名に興味が湧いたシェラザードが名前の意味を聞いた。 ソロンが答える。イリスとは神話に出て来る虹の女神。どんな激しい雨の 後も、虹は希望の橋を架けてくれる。同じ願いを込めて、ヘリング博士が 名付けたのだと。激しい戦争の後に地球は荒れ果てしまったけれど、再び 美しい星になるようにとの夢をイリスに託したのだという。それを聞いて 名前負けしないようにと嫌味な事を言うと、シェラザードはワルキュリエ に乗り込んで何処へとも無く飛び去って行った。 シェラザードを見送る一同。ファラァがリックに聞いた。このまま一緒に クリスタル探しに付いて行っても良いかと。どんな目に遭うか分からない と言い掛けたリックに無言で頷き返すファラァ。決心は固いようだ。それ を守るのがリック王子様の役目だと言って冷やかすロッド。照れて赤くな るリック。それが良いと賛成するソロンに、リックはウインクをし親指を 立てて応えた。笑いあう一同。今回の件で結束が強くなった4人。次なる クリスタルを求め、夕陽の中をイリスが行く……。 -- 鈴木 順一 LOOKIN' FOR THE RAINBOW woodybell@mail.wbs.ne.jp (kanea-marigold@geocities.co.jp) http://www2.wbs.ne.jp/~woodybel/