3/5放送の第22話「裏切りのシェラザード」 前回のあらすじ 最後のクリスタルとファラァを取り戻す為、リック達はアビスに導かれる ままブルアイ山を目指した。無事に到着したものの、防御システムによる 歓迎を受けて行く手を阻まれるイリス。何とかシールドを突破してアビス の城に入り込んだが、そこには更なる罠が待ち構えていた……。 攻撃を仕掛けて来たコンバット・メタルにパルス・キャノンで反撃するが びくともしない。続いてコンバット・メタルはビームの合体技を仕掛けて 来た。避ける間も無く2発の直撃を受け、慌ててアーマーを装着して身を 守るイリス。コンバット・メタルの攻撃が続く。イリスは機能の30%が ダウンしてしまった。やられっぱなしだから何とかしろとリックに怒鳴る ロッド。(^^; と、何故か形勢が有利なコンバット・メタルが退却した。 不思議がっているところにライムとカレンから通信が入った。 丁度良い所に通信が来たと喜び、力を貸してと頼むリック。時間が無いか らと要点だけを伝えるライム達。クリスタルが増えればパトロクロスの力 が増すが、それはイリスも同じ。ただ、クリスタルの力をイリスに引き込 む為の回路を開く必要がある。改造する場所はエネルギーの流れをモニタ に表示すれば分かる。そうすれば、イリスはミダス・キラーという新しい 武器が使えるようになると。全力を尽すのなら、たとえ破れたとしも満足 だと言うライムに礼を言うリック。「頑張れよ」「信じてるわ」 リック を励ますと通信は切れた。 さっそく作業を開始するソロン。と、何を思ったのかロッドが梯子を上り 始めた。ハッチから頭を出すと辺りの様子を窺がう……。と、今度は戦車 が現われて攻撃を始めた。慌てて中に逃げ込むロッド。(^^; 一旦逃げた 後に体勢を立て直したイリスを見て、これまた何故か退却する戦車部隊。 意味不明な攻撃の合間を縫って、ソロンはイリスの改造を終えた。取りあ えず戦車を追う事にしたリック。暫く追い掛けて行くと前方の扉が閉まっ た。突き破ると言うリックに、これって罠ではと心配するロッド。後戻り は出来ない、罠を食い破りながら進んで行くしか無いと言うリック。扉に パルス・キャノンを撃ち込むソロン。穴を開けるとイリスは再び進み出し た。その後をシェラザードが追い掛けて行く……。 そこは倉庫のような建物だった。薄暗いのでサーチライトで辺りの様子を 探るイリス。『遂に此処まで来てしまった……』 シェラザードが心の中 で呟いた。何も無いので不思議がるロッドに、確かに変だと言うリック。 と、その時、ソロンが何かを見付けた。サーチライトで照らすと、それは 紫の光を放った! 7番目のクリスタル!? 大喜びしたロッドがリック の制止も聞かずに外に飛び出し、駆け寄るとクリスタルを手に取る。本物 のクリスタルだと言って喜ぶロッド。と、不意にクリスタルの輝きが消え ると、透明な壁が降りて来た。慌てて走り出したが間に合わず、ロッドは 壁の中に閉じ込められてしまった。助けだそうと銃を撃つリック。しかし 効果無し。ロッドもコマを取り出すと壁に向かって投げ付ける。が、これ また効果が無かった。 困って立ち尽くすリック達を見て、楽しげに大笑いするアビス。リック達 を傷付けるのだけは止めてとお願いするファラァに、大人しくクリスタル を渡せばなと言う。リック達の前に再びコンバット・メタルと戦車が現わ れた。このまま終わって堪るかとイリスに掛け戻るリックに向けて、歩兵 部隊が発砲する。リックを守ろうと影から歩兵を撃つシェラザード。攻撃 が手薄になり、何とか無事にイリスに戻ったリックが反撃に出る。新しい 武器を使ってみようと言うソロン。しかし、敵は建物の外にも居た。数が 多すぎる。ライムが教えてくれた武器だから役に立つ筈だと言うソロン。 戦車部隊の攻撃が始まった。リックはミダス・キラーの発射を指示した。 敵の目前に着弾したエネルギー弾が爆発した。爆発の威力はミサイル程度 だったが、その後に驚く事が起こった。光に包まれた歩兵のヘルメットが 解け始めたのだ。戦車もコンバット・メタルも。金属の分子構造だけに作 用する特殊砲らしい。手にしていた銃が解けたのを見て驚くパロ。歩兵達 の動揺はそれ以上だった。1人が逃げ出すと他の歩兵も後に続く。パロも 仕方無しに一時退却した。それを見て飛び上がって喜ぶロッド。リックは イリスから顔を出し、連中の後ろ姿にニヤリとした。(^^; リック達が無事なのを見てホッとするファラァ。アビスはシェラザードに 行動を開始するように指示を出した。閉じ込められているロッドに、必ず 出してやるからクリスタルを持って待っていろと言うリック。と、その時 ロッドがシェラザードを見付けた。イリスに入って行ったシェラザードを 不審に思ってイリスに戻るリック。シェラザードはソロンに仕込み銃を突 き付け、クリスタルを渡すように要求していた。渡せないというソロンに 威嚇射撃するシェラザード。それに驚き、何をしているのかと問うリック に、クリスタルを渡して欲しいと言う。クリスタルは地球を救う為に必要 がと言うリック。しかし、シェラザードは自分にも必要だというと今度は リックに威嚇射撃をした。大慌てのリック。それを見て、渡すと言い出し たソロン。どうやら本気で、渡さないと本当に撃ちかねない。クリスタル を渡された鞄に入れて差し出すソロン。それを引っ手繰るように受取ると シェラザードはイリスから出て行った。待ってくれと声を掛け、追い掛け て行くリック。理由を尋ねるリックに、シェラザードは貴方には関係無い と黙秘した。しつこく聞くリック。シェラザードは銃を向けた……。 と、その時、アビスのホログラムが現われ、シェラザードに労いの言葉を 掛けた。更に扉が開くと、パロの率いる戦車と歩兵部隊が現れた。ずっと 騙されていたと気が付いて悔しがるリック。どうしてかと問うリックに、 シェラザードは目を逸らせながら答えた。「人間に、戻りたかった」と。 シェラザードが改造人間と知って驚くリック。それとクリスタルとどうい う関係があるのか聞くリックにアビスが答えた。自分と取り引きしたと。 早くクリスタルを渡せと言うアビスに、手術が先と答えたシェラザード。 それを聞いて取り引きの内容を知ったリックに、シェラザードが詫びた。 手術を先にすると言うアビス。お望みなら百回でも千回でも手術をする、 そしてお前は人間に戻れると言って笑った。クリスタルが無ければ地球は アビスの星になると言うリックに、それは分かっている、でも改造人間が どれだけ人間の体を欲しがっているか、温かな血の流れる体が欲しいかは 分からないと言うシェラザード。アビスに来いと言われてシェラザードが 歩き出した。リックは立ち尽くし、黙って見送る事しか出来なかった。 人間に戻れたら、人間の自分が罪を償うと心の中で誓ったシェラザード。 手術室に着くと、そこにはアビスが居た。騙す積もりじゃないでしょうね と念を押すシェラザードに、神経細胞から組織を培養して機械の部分と入 れ替えるだけだと言うアビス。信じるしかないという事でシェラザードは 手術台に横になった。ライトが点され、これで人間に戻れると気を緩めた その時、手足を拘束されて慌てるシェラザード。アビスの合図で銃を持っ た兵が現れた。最初から騙す積もりだったのかと文句を言うシェラザード に、我が侭な人間を作って何の得になると笑うアビス。その様子をモニタ で見ていたファラァがリックに心の声で呼び掛けた。リックに動いてもら うにはロッドを解放し、通路の扉を開けなくてはならない。コンソールを 操作し始めるファラァ。と、警報が鳴り出した。慌てて調べに走る兵達。 ロッドを閉じ込めていた壁が上がり、ロッドは解放された。 スクラップにするのは惜しいから、脳を改造して今より忠実な部下にする と言うアビス。それを聞き、操り人形になる位なら殺された方がマシだと 叫ぶシェラザード。このピンチを脱する為にワルキュリエを呼び出した。 コンソールを操作し続けるファラァ。通路を行くイリスとワルキュリエの 姿がモニタに映し出される。と、イリスの前方の扉が閉まってしまった。 操作が良く分からないので閉じてしまったらしい。(^^; シェラザードの 頭に改造装置が迫る! 恐怖で引き攣るシェラザード。と、手術室のコン ソールにスパークが走り、装置が横に動いて兵の頭に被さった。電撃を受 けて倒れ込んだ兵を見て驚いたアビスは、残りの兵に司令室の様子を見て 来るように指示を出した。もしかしてファラァが!? だとしたら……。 クリスタルが何処にあるのかシェラザードに聞くアビス。建物の中だから 探せば直ぐに見付かるというアビスに、その時間も惜しいようだと指摘す るシェラザード。痛い所を突かれて声を荒げるアビス。と、そこへ壁を突 き破ってワルキュリエが現れた。突然の乱入に慌てる兵達。アビスに怒鳴 り付けられて攻撃を始めるが、迫って来たワルキュリエを見て逃げ出して しまう。(^^; 役に立たん連中だと文句を言うアビス。再びクリスタルの 場所を聞き出そうとシェラザードに迫るが、ワルキュリエに逆に迫られて 慌てて逃げ出す。(^^;; と、その行く手にはイリスが。その上に立って いたロッドが、よくも可愛がってくれたねと指を差しながら文句を言うと ウインク1つ。そして気合と共にコマを投げ付けた!(--)/~~~ (( ( ▽ マントをかざしてコマを防ぐアビス。ぶつかったコマが爆発を起す。が、 爆煙が消えるとアビスの姿も消えていた。驚くリック達。と、頭の上から 笑い声が響いて来た。見れば、アビスはジェット・バイクに乗ってリック 達を見下ろしていて、そんなオモチャで自分を倒せると思うのかと言うと 悠然と引き上げて行った。コンソールを操作していたファラァがふと顔を 上げると、モニタにアビスが映っていた。横手に置いてあった設計図を取 ると、ファラァは慌てて逃げ出した。司令室に戻って来たアビスが部屋の 中を見廻すが、ファラァの姿は無かった。何故そこまで背く、運命を変え る事は出来ないのだ、お前はもう普通の人間では無いのだと、通路を走る ファラァを見ながら自分に言い聞かせるかのように言うアビス。行く手を 遮ろうと扉を閉めるアビス。しかし、ファラァは閉まる直前に飛び込んで 行った。シェラザードに裏切られ、ファラァに逃げられたアビスが怒る。 こうなったら打つ手は1つ。フェンリルの目覚めの時……。遂に完成した フェンリルを見上げたパロが感嘆の声を漏らした。 クリスタルを返してくれたシェラザード。そして、今度は打算無しで協力 すると申し出た。(^^) と、そこへファラァが戻って来た。(^^) おかげ でシェラザードを助けられてクリスタルも無事だったと礼を言うリックに 見直したかと聞き、今までも役に立ってきた積もりと言うファラァ。(^^) それを聞き、最後のを取り戻したのは自分だと言って拗ねるロッド。(^^; でも、良く頑張ったとファラァに頭を撫でられたら途端にご機嫌に。(^^) 「ファラァ」「ん?」 不意に名前を呼ばれて顔を上げたファラァ。そこ にはイリスから顔を出してたソロンが。喜んで駆け寄って行くファラァ。 これで全員と再会を果たした。(^^) 遂に7つのクリスタルが揃った。(^^) この輝きがレインボー・システム を動かすのねと言って微笑むファラァ。クリスタルをセットするとイリス の中に虹色の光が溢れた。思わず感嘆の声を漏らした一同。と、リックが イリスのエネルギー・メーターを見て驚いた。7つ揃うとパワー・アップ の仕方も格段に違うようだ。改めてクリスタルのパワーに驚く一同。と、 その時、ヘリング博士のホログラムが現われた。それを見て驚くリック。 ヘリングが話し始めた。――リック、どうやらクリスタルを揃えたようだ ね。地球は今、刻一刻と絶望的な危機に向かって進んでいる。クリスタル が7つ揃えば、レインボー・システムへとお前達を導くよう、イリスはプ ログラムされている。私のこのホログラムもそうだ。イリスの導くまま、 レインボー・システムを作動させ、地球の環境を元の姿に。力を合わせて くれ。地球の運命はお前達の手にある。お前にとっては重荷かも知れん。 こんな科学者を祖父に持たなければ……許しておくれ……――。ヘリング のメッセージに思わず涙ぐむリック。(;_;) フェンリルの起動準備が整った。アビスはカプセルに乗るとフェンリルへ と向かう。カプセルを胸の部分に格納するとレバーを押し上げる。カメラ アイが光り、起動したフェンリルが歩き出した……。 ナビゲーション・システムが宇宙船の位置を確認するという。「宇宙船」 と聞き、首を傾げるリック達。古代に飛来したレインボー・システムを積 んだ宇宙船の事だと思い当たったファラァ。それはヘリング博士が見付け た物だった。位置の確認が終了した。現在地点の五百メートル下にあると いう。やはりレインボー・システムはブルアイ山にあったのだ。さっそく 出発する事にしたリック。と、通路を行くイリスの前にフェンリルが現れ た。まだ戦う気なのかと呆れるファラァ。(^^; 有無を言わさずに攻撃を 始めるアビス。逃げていても仕方がないのでウェーブ・キャノンで反撃を するリック。しかし、効果が無い。逆にミサイル攻撃の直撃を受け、爆風 で吹っ飛ばされるイリス。こうなったらコンバット・メタル同士で決着を 付けるしかない。リックはパトロクロスを出動させた。 ブルアイ山の麓の荒野で対峙するパトロクロスとフェンリル。記念すべき 最初の生け贄だと言って余裕を見せるアビス、やられるものかと少々緊張 気味のリック。地球の運命を懸けた戦いが、今まさに始まる……。 -- 鈴木 順一 LOOKIN' FOR THE RAINBOW woodybell@mail.wbs.ne.jp (kanea-marigold@geocities.co.jp) http://www2.wbs.ne.jp/~woodybel/