3/12放送の第23話「仮面をぬぐパロ」 前回のあらすじ 全てのクリスタルがブルアイ山に揃った。しかし、全てが揃ったところで 裏切る使命を与えられた者が居た。シェラザードだ。クリスタルと引き換 えに人間の体に戻る約束をアビスとしていたシェラザード。しかし、その 約束は一方的に破られた。アビスに騙されていたのだ。クリスタルを取り 戻したリック達の前にコンバット・メタルが現われた。アビスが操縦する フェンリル。リックはパトロクロスを出動させた……。 互いに間合いを詰めて行くパトロクロスとフェンリル。緊張した面持ちの リックと対照的に、余裕の笑みを浮かべているアビス。心配げに戦いの様 子を見守るファラァ達。パトロクロスとフェンリルが肩同士で激突する! と、パトロクロスが吹っ飛ばされた! 今までのコンバット・メタルとは レベルが違う事を悟ったリックはクリスタル・ソードを装備した。一気に 駆け寄ると切り付けるパトロクロス。しかし、フェンリルは軽やかな身の こなしで攻撃を避け、剣を受け止めた。必死になって向かって来るリック を小馬鹿にしたアビスはオーロラ・ウェーブを発射した。直撃を受けた剣 が折れ、パトロクロスも吹っ飛ばされてしまう。 諦めろと言うアビスに、パトロクロスを見くびるなと言うリック。続いて ビーム・ボウガンを装備しようとするが、格納場所の右大腿部にスパーク が走っていてハッチが開かない。驚愕するリック。スパークは右手にも走 っていた。パトロクロスのダメージは予想以上に大きかった。勝利を確信 し、不敵に笑うアビス。フェンリルはパトロクロスに近付いて行くと足蹴 にした。それを見たシェラザードはフェンリルの性能に恐怖する。 リックを心配するファラァ。プリズム・ウェーブを使うように指示を出す ソロン。持ち出した設計図の事を思い出したファラァは、それをソロンに 差し出した。さっそく読み取りを始めたソロンは、パトロクロスと似てい る事に気が付いた。イリスのコンピュータにデータを送って分析すると、 フェンリルの構造はパトロクロスと98%同一だが、各パーツに特殊合金 アメリシウムが使われていて破壊する方法はデータに無い、との結果が。 それを聞いて愕然とするソロン達。 何とか立ち上ったパトロクロスがプリズム・ウェーブを発射した。負けじ とオーロラ・ウェーブを発射するフェンリル。互いのウェーブが中間地点 で反発して相殺される。それを見て驚くリック。武器も全てパトロクロス を越えるように作られていると余裕のアビス。と、その時、フェンリルに 衝撃が走った。見れば、ワルキュリエがミサイルを発射しながら駆け寄っ て来ていた。人間になり損ねた恨みを晴らそうなどと思い上がるなと言い アビスはワルキュリエに向けてオーロラ・ウェーブを発射した。ミサイル を撃破し、ワルキュリエを吹っ飛ばしたのを見て、楽しげに笑うアビス。 続いてパトロクロスにオーロラ・ウェーブを撃ち込むアビス。再び吹っ飛 ばされて気を失ってしまったリック。更に悪い事に倒れたショックで通話 回線がおかしくなって連絡が取れなくなってしまった。心の声でリックに 呼び掛けるファラァ。何とか回線も回復した。ここまでやられるとは思わ なかったと言うリックに、時間を稼ごうと提案するソロン。その方法とは 戦わずに逃げる。それを聞いて反対するリック。しかし、それは負けを認 めるのでは無く、弱点を分析出来るまでの作戦的逃避。了解したリックは パトロクロスを立ち上らせた。それを見て喜ぶアビス。しかし、出方を窺 がって身構えたフェンリルの上をパトロクロスは飛び去って行く。それを 見て驚くアビス。が、逃がす訳には行かないとオーロラ・ウェーブを発射 し、続いてパトロクロスを追って飛び立った。 着地したパトロクロスに追い付いたフェンリル。余裕で笑いが出るアビス に対し、焦りで冷や汗が出るリック。睨み合いが続く2者をモニタで見な がら、フェンリルの弱点が見付かるかソロンに尋ねるファラァ。構造の違 う所が手掛りだが、その前にパトロクロスのエネルギーが減少している事 が心配だと言うソロン。それを聞いたロッドが泣き出した。パトロクロス は未だ負けた訳では無いと元気付けるファラァ。でも、パトロクロスが負 けたら、その時はリックも……。そう言って俯いてしまうロッド。イリス で助ける事は出来ないのかと尋ねるファラァに、今は時間を稼いでもらう しかないと答えるソロン。弱点が分からない限り、イリスの武器で攻撃し ても同じだと……。 対峙するパトロクロスとフェンリル。余裕の無いリックにはアビスと違い 精神的な疲労もあった。と、そこにワルキュリエが現れた。まだ動けるの かと驚いたが、慌てず騒がずオーロラ・ウェーブを発射するアビス。爆風 で倒れ込んだワルキュリエ。しかし、直ぐに起き上がると走り出し、反撃 でミサイルを発射した。ジャンプしてミサイルを避けるフェンリル。一度 助かった命は大事にする物だと言いながら、アビスはオーロラ・ウェーブ を再び発射した。今度は直撃を受けて吹っ飛ばされ、ワルキュリエは地面 に叩き付けられた。シェラザードを心配するリック。しかし、他人を心配 する余裕はリックには無かった。オーロラ・ウェーブの直撃を受けて再び 吹っ飛ばされ、パトロクロスも地面に叩き付けられた……。 アビスは今は亡きヘリングに向かってパトロクロスを倒したと宣言した。 そして、トドメを刺すべく手に槍を出現させた。リックの危機にイリスを 飛び出して行くファラァ。慌ててソロンに追い掛けるように言うロッド。 イリスはファラァを乗せると再び走り出した。掛け声と共に槍を振り降ろ すアビス。と、そこへワルキュリエが飛び込んで来た。槍を払い退けると 地面に倒れ込む。が、必死の行動も僅かな時間稼ぎにしかならなかった。 槍は宙を舞うと再びフェンリルの手に戻った。邪魔ばかりして鬱陶しいと シェラザードに文句を言うアビス。シェラザードの命はパトロクロスの息 の根を止めてから頂くと言い放つと、アビスは槍を振り下ろした! と、そこにファラァが走り込んで来た。パトロクロスの上に乗ると両手を 広げて制止するファラァ。槍はファラァから数十センチ手前で止まった。 ファラァの行動に驚くアビス。その頃、パロはブルアイ山のフェンリル制 作工場に居た。コンソールを操作し、出番だと言うパロ。そして、アビス と同じカプセルに乗り込んだ。ファラァに退くように言うアビス。しかし ファラァは止めるまで退かないと言う。自分の為に無茶しているファラァ を心配するリック。何故そこまで定めに逆らおうとするのかと、ファラァ の考えを理解出来ずに考え込むアビス。その様子を見て、肉親同士の対立 かと楽しげに笑うパロ。痺れを切らしたアビスは槍の先からビームを発射 した。狙いはファラァから逸らしてある。爆風で吹っ飛ぶファラァ。地面 に叩き付けられたファラァに慌てて駆け寄って行くロッド。うめきながら も、怪我の無い身体を見て、自分は生身でない事を再認識するファラァ。 今にもトドメを刺そうとするフェンリルを見て、ロッドは立ちすくんだ。 アビスの出番は此処までだと言って笑うと、パロはコンソールを操作し始 めた。突然の警報音に驚くアビス。合成音声がコントロール・システムの 異常を告げ、避難を勧告する。こんな事が起こる筈が無いと言いながらも 指示に従って緊急脱出装置を作動させるアビス。カプセルが射出された。 その後ろでフェンリルが閃光を放った。爆発したのかと驚くアビスにパロ からの通信が入った。フェンリルに細工をしたと言うパロ。逆らう積もり なのかと聞くアビスに、パロは目的の為なら手段を選ばないという教えを 守っただけだと答えた。それを聞いて驚くアビス。何を企んでいるのかと 問いただすアビス。パロの返事は答えになっていなかった。お別れの時間 だと言うと、パロはビームを発射してアビスのカプセルを撃ち落とした! それを見て慌てるファラァ。ロッドに手を借りて立ち上ると、カプセルの 方へと歩き出した。ファラァ達が駆け付けると、アビスは墜落して燃えて いるカプセルの残骸の中でうめき声を上げていた。死んでは駄目だと声を 掛けるファラァ。アビスは首をファラァの方に向けると左手を差し出して 来た。それを見て驚くファラァ。顔の左側の皮膚が焼け、その下には青銅 色の物体が。そして、手は機械そのもの。アビスも改造人間だったのだ。 自分に逆らわなければ、お前は地球の全てを手に入れる事が出来たのにと 言うアビス。それを聞き、まだそんな事を言っているのか、自分は思い通 りに操られる人形じゃないと言って泣くファラァ。続けてファラァは疑問 をアビスにぶつけた。本当に祖父なのか、どうして機械の身体になったの か、自分も改造されたのか、父母は何故殺されたのかと。アビスは謝ると 話し始めた。ファラァは改造人間だが、父母の死は自分の意志で無いと。 それを聞いて泣き出したファラァ。 と、そこへパロがやって来た。そして真実を語り始めた。自分はアビスに ファラァの改造を命令された。しかしアビスの指示に逆らい、記憶は消し たが身体は改造しなかった。不死身の支配者など作ったら、自分の計画の 邪魔になるから、と。愛する孫娘に死ぬ事の無い支配者になって欲しかっ たが、その願いは叶わなかった、仕方の無い事だと言うアビス。カメラの 捉えるファラァの姿がブレ始めた。死が近い事を悟ったアビスはファラァ に話し始めた。大切な事だから良く聞け、自分のこの身体は……。それを 邪魔するかのように近付いて来るパロ。それ以上近付くなと言うファラァ に、息子夫婦の元に送ってやると言って笑うパロ。その言葉を聞き、父母 を殺したのはパロの意思だった事を知ったファラァ。初めから裏切る積も りだった事を知ったアビスに、パロは長い付き合いだったのに今頃気付い ても遅いと言い捨てた。パロが言う。たとえ改造人間であっても破壊され れば死はやって来る。しかし、良い事もある。人間と違って痛みが伴わな い事だと。そう言うと大笑いするパロ。うめき、苦しんだ末に、アビスは 死んだ。こんな形で死ぬなんて嫌だと泣くファラァ。その横でロッドも泣 いていた……。それを見て、これで終わりだと言って笑うパロ。地球壊滅 のタイムリミットまで残り約9時間20分……。 地震の揺れに驚いて駆け出す鹿。街では人々が崩れる建物から逃げ惑って いた……。孤児院で子供達と暮らしている砂漠のひまわり3人組。(^^)/ と、そこに地震が。揺れに怖がる子供達を落ち着かせるお頭。(^^) もう すっかりパパになっているようで。(^^; パロのカプセルがフェンリルに格納された。パトロクロスのエネルギーは この一時休戦の間に回復していて、立ち上るとフェンリルと向き合った。 ロッドに支えられながらイリスに戻ったファラァ。ソロンに大丈夫かと聞 かれ、ファラァは気丈にも自分の事よりリックの心配をした。戦闘が再開 された。プリズム・ウェーブを発射するパトロクロス。フェンリルも槍か らオーロラ・ウェーブを撃ち出した。手加減無しのオーロラ・ウェーブは プリズム・ウェーブを弾き返すとパトロクロスに直撃、今まで以上に派手 に吹っ飛ばされたパトロクロスは岩山に激突した。ソロン達がリックに呼 び掛けるが応答が無い。このままではリックとパトロクロスは……。 と、フェンリルが槍を収納した。リックに付き合っている時間はもう無い と言うパロ。パトロクロスにトドメを刺さずに背を向けるとフェンリルは 歩き始めた。行く先にあるのはイリス。そして7つのクリスタル。リック に気を取られていたソロンは、フェンリルが目の前に迫っているのに気が 付かなかった。現れたフェンリルに驚く一同。後退して逃げようとするが フェンリルはイリスを掴み上げてしまう。レインボー・システムを動かし てもらうと言うパロ。ただし、人類の為では無く、自分の為に地球を作り 替えるのだと言って楽しげに笑った。 フェンリルが立ち止り、そしてイリスを降ろした。一同の目の前に、古代 に飛来したという宇宙船の姿があった。回線が繋がったので慌ててリック に呼び掛けるソロン。しかし、直ぐに切れてしまった。心の声でリックに 呼び掛けるファラァ。リックは無事だった。パロがレインボー・システム を手に入れようとしていると聞いて驚くリック。何とか岩を押し退けると 立ち上ったパトロクロス。そこにワルキュリエもやって来た。ダメージが 大きくて飛ぶ事が出来ないらしく、パトロクロスとワルキュリエは歩いて イリスの元へと向かう。 クリスタルが近付いて来た事を察知した宇宙船が活動を開始した。ライト が点滅しだしたのを見て驚くソロン達。祖父ヘリングにパロに打ち勝つ力 を乞うリック、もっと早く気付いていればと後悔するシェラザード。光り 出した宇宙船を見て、パロは自分の地球かと言って大笑いした……。 -- 鈴木 順一 LOOKIN' FOR THE RAINBOW woodybell@mail.wbs.ne.jp (kanea-marigold@geocities.co.jp) http://www2.wbs.ne.jp/~woodybel/