3/19放送の第24話「別れのカウントダウン」 前回のあらすじ アビス最後のコンバット・メタル「フェンリル」。アメリシウムという合 金の前に武器が通じず、手も足も出ないパトロクロス。トドメを刺そうと するフェンリルの前に立ちはだかるファラァ。と、その時、操縦システム に異常が。脱出したアビスの操縦ポッドが撃墜された。パロが裏切ったの だ。パロはレインボー・システムを手に入れ、人類の為では無く自分の為 に地球を改造するという。パロは一体何を企んでいるのか? 虹色の光を放つ宇宙船。システムが動き出している事を知ったソロンは、 コンソールを操作してシステムを停止しようとする。が、スパークが走り その作業は中断させられてしまった。止まるどころか、起動プログラムは 次の段階へと進んで行く。イリスを迎え入れる為に扉を開けるシステムが 動き出した。クリスタルが揃った後の事は、すべてプログラムされている らしく、ソロンには手の打ちようが無かった。その様子を見て喜ぶパロ。 パロはこの様子をガレオンの民に見てもらいたいらしいのだが、ガレオン とは一体……? 主を失ったブルアイ山の司令室。そこのモニタに表示されていた地球崩壊 までの残り時間が7時間を切った。そして、地球各地の様子が映し出され る。噴火し、流れ出す溶岩。噴火は街の真ん中でも起こっていた。崩れる 建物から逃げ惑う人々。大津波が街を飲み込む。残り時間は6時間30分 になった……。 孤児院では食事の準備の真っ最中。味見をしようとするカンデル。(^Q^) と、その時、地震の揺れが! 怖がって抱き付いて来る子供達を安心させ ようとするお頭。(^^) 砂漠のひまわり3人組は知っていた。地球に危機 が迫っている事を。そして、地球を守るべく戦っているリック達の事を。 自分達に出来る事は、リック達の使命達成を信じ、帰って来るまで子供達 を守る事だった……。 パロが何をする積もりなのか尋ねるシェラザード。リックもそれは知らな かった。となれば、とにかく止めるしかない。システムの動き出した船を 見て、これでガレオンの民の星が手に入ると笑うパロ。一方、イリスの中 には絶望感が満ち始めていた。このままではパロにレインボー・システム が奪われてしまう。リック、早く来てくれと泣き叫ぶロッド。と、その時 システムが停止した。驚きながらも喜ぶロッド達、何が起きたのか分から ず混乱するパロ。と、宇宙船の入り口に描かれている六芒星が輝くと、光 が発せられた。何かを探すかのように動き回る光。そして、コンピュータ の合成音声がパスワードの入力を促した。イリスに組込まれたプログラム だけで扉が開くと思っていたパロは、予想外の事に歯噛みする。合成音声 が10秒後にオープン・システムを中断すると宣言した。ヘリング博士は レインボー・システムの悪用を防ぐ為に安全装置のような物を用意してい たのだと言うソロン。システムが中断された。茫然とするパロ。イリスが あればアビスを始末しても扉は開けられる筈だったのに……。そう言うと パロはイリスに八つ当たりをし、フェンリルに蹴飛ばせさせた。 ここまで来て諦められないパロは、フェンリルで扉を破ろうとした。蹴り 付け、ビームを撃ち込むフェンリル。しかし、宇宙船はアメリシウム製、 びくともしない。(^^;;; 扉を開けるのにパスワードが必要だというなら 手に入れるまで。イリスの方に向かって歩き始めるフェンリル。近付いて くるフェンリルを見て慌てるロッド。イリスでは勝ち目は無い。その頃、 リックはイリスの元へと急いでいた。しかし、気持ちは急いでいるのだが ダメージの大きいパトロクロスが思うように動いてくれないでいた……。 イリスに迫るフェンリル。何とか足元を走り抜けると全速力で逃げ出すが 戦車ゆえに足は遅かった。(^^; 直ぐにフェンリルに追い付かれると踏み 付けられて足止めされてしまった。まるでボールのようにイリスを跳ね上 げると受け止めるフェンリル。逃げられなくなったソロン達にパスワード を聞くパロ。しかし、ソロン達はパスワードを知らなかった。隠している と思ったパロは、じっくり思い出させてやると言うとイリスを地面に叩き 付けようと高く掲げ持った。と、その時、青白いエネルギー弾が飛んで来 てイリスに命中した。(^^; 弾き飛ばされて悲鳴を上げるロッド達。(^^; 「誰だ!?」と振り返ったフェンリルの足元に転げ落ちると、後ろ向きに 滑っていくイリス。(^^;;; 攻撃したのはパトロクロスだった。(^^;;;;; まだ生きていたのかと驚きながらも、都合の良い所に現れたと言うパロ。 扉を開けるパスワードを言えとリックに迫る。エネルギー弾で攻撃をする パトロクロス。ワルキュリエもミサイルを発射する。が、どちらも効果が 無い。それどころか、反撃を食らって吹っ飛ばされてしまう。スクリーン に危機的ダメージの警告表示が点滅する。まともに戦ってもフェンリルに は勝てないと言うソロン。じゃあどうするのか、諦めろというのかと言い 返すリック。と、そこにパロの通信が割り込んで来た。ソロンの言う通り だ、助かる道は1つ、パスワードを教える事だと言うパロ。そんな物は知 らないと答えるリック。隠していると思ったパロは、力尽くで聞きだそう とオーロラ・スピアを装備した。パスワードを問うパロに、再び知らない と答えるリック。パロはオーロラ・ウェーブを威嚇発射した。吹っ飛ばさ れて岩山に叩き付けられるパトロクロス。命が欲しければパスワードを教 えろと迫るパロ。フェンリルがオーロラ・ウェーブを撃ち出した。今度は 直撃を受け、岩山にめり込んでいくパトロクロス。苦しむリックを心配す るシェラザード達。パトロクロスはオーロラ・ウェーブを抱え込んだまま 岩山を突き抜けると、背後にあった岩山に激突した。心配して駆け付ける ワルキュリエとイリス。と、ワルキュリエが吹っ飛んだ。フェンリルが追 い掛けて来たのだ。 リックがパスワードを知らない筈が無いと迫るパロに、知らないと言って いると答えるシェラザード。そうやって時間稼ぎしてもフェンリルには勝 てないと言うパロ。パトロクロスを徹底的に分析し、アメリシウムで作ら れたコンバット・メタルだから。打つ手があるのかと聞くシェラザードに フェンリルにも弱点はある筈と答えるリック。ソロンがフェンリルの構造 を再び分析し始めた。 どうしてそこまで意地を張るのかと聞くパロに、知らないものは知らない と答えるリック。レインボー・システムが動かなければ人類は滅びる、意 味の無い抵抗だと言うパロに、リックはレインボー・システムを何に使う のか聞いた。しかし、パロは、放っておいても地球は滅びる、そんな事を 聞いて何になるのだと言って答えようとしなかった。パロの言葉にリック が言った。地球は決して滅びない、と。それを聞いたパロは怒り出した。 オーロラ・スピアを装備するとパトロクロスを串刺しにしようと突き始め た。その攻撃を何とか避け続けるパトロクロス。レインボー・システムの 姿も拝まないまま終わりにする積もりかと言うパロ。それを聞いたリック は、パロと協力してパスワードを見付けるべきなのか、パロにシステムを 渡してもチャンスは巡って来るかも知れないと考え始めた。と、その考え を否定する声が頭に響いた。心の声で繋がっているファラァが待ったを掛 けたのだ。思い直したリック。しかし、どうすれば良いのか……? いい加減にしろと怒鳴り付けるパロ。このまま地球を滅ぼす気かと言われ 地球が救えるなら自分だってパスワードが知りたいと言うリック。ここま でリックを導いたヘリング博士が何も残さなかった筈が無いと言うパロに 祖父に間違いはない、だけどパスワードは知らないから知りたければ自分 で探すしかないと答えるリック。それが本当だとしたら、それがリックの 最後の台詞だと言うと、オーロラ・スピアにオーロラ・ウェーブを乗せた 状態でパトロクロスを突き刺そうとするパロ。と、その時、大きな揺れが 襲い、フェンリルはバランスを崩すと倒れ込んでしまった。直ぐ近くで溶 岩が吹き出し、地割れが出来る。地球崩壊まで残り5時間を切った。もう 助かる道は無いのか!? これで地球も終わり……。どうすれば良いかと祖父に助けを乞うリック。 これが死のシンフォニーの序曲かと、地球人の愚かさを馬鹿にするパロ。 ブルアイ山の城が傾き始める横で、パロが泣きながら笑い出した。こんな 奴等の星を征服しようと考えた事自体が間違いだったのかも知れないと。 望みは後一歩の所で断たれた……。昔の事を思い出すパロ。――ガレオン の民が故郷の星を脱出し、宇宙の放浪者となってから800年が経った。 だが、目的地は目の前まで迫っていた。それは地球。地球には惑星の環境 を改造するシステムが眠っている。それを使って我々が順応出来るように 地球を改造する。その環境に地球人は適応出来ずに滅び、地球は我々の物 となる。パロは環境改造の使命を受けた――。パロは協力者を装いアビス に近付いた。――レインボー・システムがあれば地球を永遠に支配する事 が出来る、その為にファラァを改造して永遠の命を与えると言うアビス。 息子のように失いたくはないからと。自分の血を引くのはファラァだけ。 アビスはファラァを後継者にして地球のすべてを与えると宣言した――。 表面ではアビスに従っていたパロ。しかし、アビスが改造人間である事に 気付き、おまけに孫まで不死の身体を得ようとするのを知ってしまっては 黙って見過ごす訳にはいかなかった。地球をガレオンの民の永住の地とす る為には。だが、その計画も潰え去った。ならば……。 オーロラ・スピアを手にするとパトロクロスに迫るフェンリル。と、その 時、フェンリルの分析をしていたコンピュータが何かを見付けた。それは 操縦ポッドだった。アビスのポッドが撃墜されたのを思い出したソロン。 ポッドはアメリシウムで出来ていなかったのだ。それなら胸を攻撃すれば 良いと言うロッド。しかし、胸の中のポッドにまでダメージを与えるには かなりのエネルギーが必要だと言うソロン。弱点は分かったが、満身創痍 のパトロクロスは立ち上る事すら出来なかった。夢を打ち砕かれた恨みを 晴らそうとするパロが攻撃を始めた。避ける事も出来ずに攻撃を受け続け るパトロクロスを見て叫び声を上げるロッド達。 と、その時、ワルキュリエが動いた。フェンリルに駆け寄ると飛び掛かり 前からしがみ付いたのだ。引き離そうとするパロ。しかし、ワルキュリエ は離れない。シェラザードの思い詰めた顔に、ふと凍った笑みが浮かぶ。 そして、決心をして手を伸ばす。一瞬ためらったが、シェラザードは赤い ボタンを押した……。モニタに「危険」の表示と時間表示がされる。警告 ランプが点滅する中、シェラザードはリックに通信を入れた。何をする気 かと尋ねるリックに、3分後に自爆するとシェラザードは告げた。駄目だ と制止されるがシェラザードの決心は固かった。ほんの少しだけどお返し する、教えてもらった事が沢山あるからと。自分は人間だと気付いた、改 造されていても……。止めるように言うソロン達。しかし、決心は変わら ない。人間て素晴らしいと言うシェラザード。泣いたり笑ったり、色んな 物を心に積み込んで……。そう言うと、通信は切れた。自爆まで残り1分 40秒……。 その通信はパロにも送られていた。それを聞いて慌てるパロ。何とか離れ させようと頑張るが、必死にしがみ付いているワルキュリエは離れない。 自爆まで残り40秒。空に舞い上がり、振り落とそうとするが駄目。頼む から離れてくれと懇願するパロ、一方のシェラザードには笑みすら浮かん でいた。自爆まで残り15秒。口々に止めるように言う一同。そんな中、 非情にもカウントダウンは進んで行く……。自爆まで残り5秒。リックに 心の中で礼を言うと微笑むシェラザード。今までで一番嬉しそうな表情を して……。 自爆まで残り0秒。別れを告げるシェラザード。次の瞬間、ワルキュリエ に衝撃が走った。爆発のショックで飛ばされて行くワルキュリエ。あちこ ちから火を吹きながら遠ざかるワルキュリエを見詰めるリック。火に包ま れ、そしてワルキュリエは四散して消えた……。感傷に浸るリック。と、 リックを現実に引き戻す揺れが。ハッとして顔を上げると、そこには、胸 のハッチを破壊され墜落してきたフェンリルの姿があった。操縦ポッドに までダメージが行ったのか、フェンリルの動きが鈍い。今がチャンスだ。 クリスタルの全エネルギーを集めてパトロクロスに転送するソロン。緑色 の光がイリスからパトロクロスに放たれ、エネルギーの充填が完了した。 リックはビーム・ボウガンを装備する。 来るなら来い、地獄に道連れにしてやるとパトロクロスを迎え撃つパロ。 シェラザードの死を無駄にはしない、レインボー・システムは渡さないと 言うリック。先制攻撃はフェンリル。しかし、左手のビームを発射したが エネルギー漏れでもしているのか発射装置が爆発してしまう。反撃を開始 するリック。これはシェラザードの分だと言うとビーム・ボウガンを胸に 撃ち込む! 堪らず空に逃げたフェンリルを追うと、祖父の分だと言って 顔面に右ストレート! 続いて左ストレートを叩き込む!! その様子に 大喜びするロッド。(^^)/ 右フック、右ミドルキック、右ハイキックと 連続攻撃をするパトロクロス。避ける事も受ける事も出来ず、フェンリル は攻撃を受け続け、遂に地面に墜落していく。そこに右のミドルキックを 叩き込むパトロクロス。フェンリルは地面に叩き付けられ、滑って行った 後に岩山に激突した。 アチコチからスパークと煙を上げるフェンリルを見下ろすパトロクロス。 何とかフェンリルを立たせようとするパロ。しかし、既にフェンリルは操 縦不能に陥っていた。こんな終わり方は間違っているとうめくように言う パロ。そして、これは犠牲となった全ての人の為に。そう言うとリックは 再びビーム・ボウガンを装備、パロに別れを告げるとフェンリルの足から ビームの雨を降らしていく! 叫び声を上げるパロ。火に包まれ、爆発す るフェンリル。パロの乗った操縦カプセルが飛んで行く。爆炎の照り返し を受けて赤く染まるパトロクロスの中で、リックはシェラザードに勝利の 報告をした。勝利を喜び、気遣いの通信を入れて来た一同にリックは礼を 言う。そして、勝利の糸口を掴ませてくれたシェラザードにも……。 イリスから顔を出すとリックに声を掛けるロッド。(^^) と、そこに地震 の揺れが! イリスから落ちそうになって慌てるロッド。(^^; 地殻変動 の最終局面がやって来ると言うソロン。間近で起こっている噴火を見なが ら、もう手後れなのか、地球はこれで最後なのかと焦るリック。自然災害 は都市を襲い続けていた。津波が街を飲み込み、街の真ん中で噴火、地震 の揺れで建物が崩れる……。各地の映像を見ながら、地球が崩れていくと 言うソロン。地盤が頑丈で被害の少なかったブルアイ山周辺でも地割れや 噴火が頻発し始めた。アビスの城の司令室に警報が響く。地球の崩壊まで 残り4時間と……。 溶岩が吹き出して来る中を走り抜けるイリス。恐怖でソロンにしがみ付く ファラァとロッド。レインボー・システムを起動させない限り、どうにも ないと言うソロン。とにかく宇宙船に戻る事にした一同。シェラザードの 死を無駄には出来ない。祖父に助力を乞うリック。「おじいちゃ〜ん!」 リックの叫び声が荒野に木霊する……。 -- 鈴木 順一 LOOKIN' FOR THE RAINBOW woodybell@mail.wbs.ne.jp (kanea-marigold@geocities.co.jp) http://www2.wbs.ne.jp/~woodybel/