3/26放送の第25話「地球に虹の架かる日」 前回のあらすじ 地球最期の時は刻一刻と近付いていた。レインボー・システムを我が物に しようと企むパロ。しかし、パロは宇宙船の扉を開けられ無かった。扉を 開けるパスワードを聞きだそうと執拗に攻撃するパロに苦戦するリック。 と、その時、シェラザードが身を呈してフェンリルにダメージを与えた。 そのお陰でパロに勝つ事が出来たリック。しかし、残された時間は僅か。 シェラザードの死を無駄にしない為にもシステムを動かさなければならな い。リック達は宇宙船の元へと急いだ……。 地球崩壊まで残り3時間。リックも本当にパスワードを知らないと言うの で頭を抱えるロッド。(^^; とにかく手掛りだけでも見付けなくてはなら ない。ソロンがイリスに蓄積されたデータの検索を続ける。と、その時、 モニタに何かが横切った。それは、リックの小さい頃の写真だった。不要 なデータが蓄積されているとは思えない。リックはファイルを開くように ソロンに言った。ファイルを開くと、モニタにヘリング博士が現われた。 驚く一同。ヘリングが話し始めた。――レインボー・システムには、特定 の人間以外が開ける事が出来ないように安全装置を仕掛けてある。運転席 の下のボタンを押せば安全装置のロックは解除出来る。リックが扉を開け るのなら安全装置は働かない。パスワードなど存在しない。扉はアビスと 自分しか開けられなかったが、イリスにプログラムをしてリックなら開け られるようにした。この星の未来を切り開くため、虹を架けてくれ――。 ファイルの再生が終わった。知りたかったパスワードは存在しなかった。 リック自身が扉を開ける鍵だったのだ……。 宇宙船の前までやって来たリック達。コンピュータの合成音声がシステム の始動を促す。リックはイリスへ戻るとロック解除ボタンを探した。それ は直ぐに見付かった。(^^) ボタンを押すと安全装置のロックが解除され 再び六芒星から光が放たれた。と、その光を受けたイリスが勝手に動き始 めるとロボット形態に変形した。(^^; 変形が終わると、今度はイリスか ら宇宙船に向けて光が。リックのIDが確認され、オープン・システムが 作動した。と、クリスタルの輝きが増し、勝手にフォルダから外れると光 に乗って宇宙船に吸い込まれて行く……。 光が消え、オープン・システムが終了すると扉が開いた。が、中は暗くて 良く見えない。この中にレインボー・システムがある。リックはソロンに 進むように指示を出す。イリスは宙に浮かぶと、静かに宇宙船の中に入っ て行った……。 その頃、巨大な星のような物が太陽の前を横切ろうとしていた……。世界 各地で噴火や地震、津波が続いている。そんな地上に、太陽を横切る星が 不気味な影を落とし始めていた……。 宇宙船の中に入った一同。中は薄暗かったが、何故か外の様子が透けて見 えていた。しかし、驚いている暇は無い。今はレインボー・システムを探 さなくてはならない。と、その時、ファラァが何かを見付けた。指差す方 を見ると、太陽が消え始めていた。日食ではと言うソロン。しかし、それ をファラァは否定した。月では無くて別の星だと。しかも、その星は地球 に近付いていた。星の事も気になるが時間が無い。とにかくレインボー・ システムを探し出さなくてはならない。一同は二手に分かれるとシステム を探し始めた。 駆け足で通路を行くリックとファラァ。暗くて良く見えない上にシステム への道順が分からないので迷ってしまいそうな2人。しかし、ヘリングの 導きか、立ち止った場所が「そこ」らしかった。(^^; 何かを感じるから きっとここだと言うファラァ。良く見れば、周りにクリスタルがあった。 しかし、そこにあるのは6つのクリスタル。1つ足らなかった。ヘリング 博士の言う通りなら準備は整っている筈だと言うファラァ。それなら7番 目のクリスタルは何処に? と、その時、ファラァの悲鳴が。ファラァの 居た中央部分がせり上がり始めていた。リックは慌てて駆け寄ると台座に よじ登った。最後まで怖い思いをさせて済まないと謝るとファラァの手を 取るリック。笑顔で見詰め合うリックとファラァ。(^^)=oo=(^^) そんな中、6つのクリスタルの台座から中央の台座に向け、それぞれの色 の光が放たれた。そして、中央の台座のから7番目のクリスタルの紫の光 が。驚くリックとファラァ。これがレインボー・システム。と、足元の穴 から紫のクリスタルが現れた。どうすれば良いのかと考え込む2人。 と、その時、笑い声と共にクリスタルを横から掴んだ手があった! 驚く 2人。フェンリルと共に散ったと思っていたパロがそこに居た。地球崩壊 まで残り1時間。土壇場での逆転勝利に喜んで大笑いするパロ。あの程度 の事では死なないと言うと、パロは自分の本当の顔を2人に見せた。その 顔は爬虫類のようだった。それを見て驚くファラァ。自分は地球人では無 く宇宙の放浪者ガレオンの民で、レインボー・システムを使って地球を手 に入れる為にやって来たと言うパロ。システムをどう使えば地球がお前達 の星になるのかと聞くリックに、パロはシステムが何なのかを良く考えて みろと言うと説明を始めた。ヘリングが見付けたシステムは星の環境を改 造出来るトンでも無い物。ヘリングは地球の環境を元に戻すのに使おうと したが、力の偉大さを知ったアビスは地球支配を目論んだ。そして自分に ヘリング殺害を依頼。しかし、ヘリングはアビスに不審を抱いてシステム の起動に必要なクリスタルを隠してしまった。お陰で我々に都合の良いよ うにシステムを使うのに時間が掛かってしまったと……。 目的を問うリック。地球を我々には適しているが地球人は生きていけない 環境に作り変えると答えるパロ。それを聞いて、地球は渡さない、地球は 自分達の物だと言うリックとファラァ。だが、パロはキツイ反論をした。 地球を汚し、傷付けて来たのはお前達地球人だ。自分達の都合でどれだけ の生物を滅ぼして来たのか。そんな事を言う資格は無いと。元々システム を送り込んだ奴も地球を自分達の星にしようと思っていたのだろう。連中 がどうなったのかは知らないが、少なくともこれはお前達の物では無い。 地球人の為には使わせない、ガレオンの為に環境を変える、地球は第二の ガレオン星として生まれ変わる。そう言うとパロは笑い出した。 クリスタルを取り返そうとパロに飛び掛かるリック。しかし、あっさりと 突き飛ばされてしまう。クリスタルをセットしようとするパロ。ファラァ の悲痛な叫びが響く。と、その時、パロを制止する声が! 手を止めると 振り返るパロ。声の主はアビス? 宇宙船の一角が光り出すと、そこから 電撃が走り、パロは思わずクリスタルを落としてしまった。声の主に気が 付いて驚くファラァ。あの時、祖父は死んだ筈……。しかし、あれは自分 が操るアンドロイドだと言うアビスは、話が見えずに混乱するファラァに 説明をする。自分の分身として働く為に作ったアンドロイドだと。それを 聞いたパロが操り人形を相手にしていたのかと悔しがった。お互い様だと 言うアビス。自分を裏切り、分身を破壊したのだから。裏切りでは無い、 最初から利用しただけだと言い掛けたパロに、アビスは怒りの電撃を浴び せ掛けた。 どうしてこんな事になったのかと理由を聞くファラァ。アビスは不治の病 に冒されていた。改造手術でも助からない病に。だからアンドロイドを身 代わりに立てて地球を征服しようとした。地球が欲しかった。自分の物に ならなくとも、せめてファラァの物に。しかし、ヘリングが許す筈も無い と言うアビス。それを聞いたリックは、それで祖父を殺したのかと言うと 顔を伏せた。泣き出すファラァ。この生命維持装置で自分は辛うじて生き 長らえていると言うアビス。自分は助からない、だからファラァに地球を 与える、それで沢山の人を犠牲にしたのかと言うと泣き出すリック。許し を乞うアビス。自分は間違っていたと。アンドロイドで地球は征服出来た かも知れない。しかし、ファラァの心を自分の意のままにする事は難しか ったのだと。 この生命維持装置はレインボー・システムと繋がっている。システムが作 動すれは自分は死ぬだろう。だが、それで良いのだと言うアビス。虹の光 を地球に架けろ、せめてファラァの手でやってくれと。と、その時、不敵 な笑い声が響いた。倒れ込んでいたパロが復活したのだ。ファラァの想い なぞ関係無いと言い捨てるパロに怒りの炎を燃やすアビス。パロは次々と アビスの神経を逆撫でする事を言うと、生命維持装置を銃で撃ち始めた。 遂に堪忍袋の緒が切れたアビスは、気力を振り絞るとパロに電撃を浴びせ エネルギー球で包み込むと宇宙船の外に追い遣ってしまった。 何もかも自分の所為だと言うアビス。自分の欲望が全てを引き起こした、 システムの偉大さに惑わされた。そう言うとアビスが苦しみだした。心配 するファラァ。苦しみから脱したアビスが続ける。それで異星人のパロに 利用される事になった。多くの人を傷付けてしまった。ファラァの心も。 暫しの沈黙……。どうしたら良いのかとファラァはリックを見る。しかし リックが何かを言う前にファラァは視線を逸らせてしまった……。後の事 は2人に託すと言うアビス。リックとファラァ、この2人にこそシステム を動かして欲しい、ヘリングと自分が残した夢なのだから。自分は十分す ぎるほど生きた。犯した罪はあの世で償わせてくれと。システムを作動さ せるように促すアビス。ファラァの事をリックに頼んで……。 時間が無い、地球の崩壊がすぐそこまで迫っているとファラァを叱り付け るアビス。ファラァはシステムを動かすのをためらった。動かせば祖父の 命が……。そんなファラァに、地球が滅んでしまえば同じ事だと言って諭 すアビス。お前を残せただけで悔いは無いと。別れを悲しんで泣くアビス とファラァ。リックはファラァにクリスタルを渡した。祖父に美しい地球 を見せてやるのがファラァの役目だと言うリック。でも、最後は自分で決 めてもらいたいと。祖父の為にも。辛い選択なのは分かっている。でも、 これは自分達の使命なのだと……。クリスタルを見詰め、アビスを見詰め 続いてリックを見たファラァは、リックに促されて意を決した。 クリスタルをセットするファラァ。と、目映い7色の光がクリスタルから 溢れ出した。続いて緑色の三角形と黄色の丸が現われた。その2つは交差 すると緑色の六芒星へと変わった。クリスタルのインストールが完了した との合成音声が響く。思わずファラァの名を呼ぶアビス、心の中で祖父に 別れを告げ、使命の達成を見届けてくれるように言うファラァ、ファラァ を応援するリック。遂にレインボー・システムが作動を開始した。2人の 乗った台座がせり上がり、六方に配置されたクリスタルから中央の台座に 向けて光が放たれた。7つのクリスタルの力が1つになると、天井に向け て7色の光が流れていく。その光を見たロッドが驚きの声を上げた。これ がヘリング博士の夢、レインボー・システムだと喜ぶソロン。 7色の光が宇宙船の上部から空に向かって放たれた。その光は真っ直ぐに 宇宙にまで伸びて行く。相変わらず自然災害は続いていた。地球崩壊まで 残り時間40秒を切った。7色の光は、太陽を遮ろうとしていた星に向か っていた。その星から迎撃のビームが撃ち込まれるが、勢いは衰える事が 無い。続いて、星の全エネルギーを使ったとも思える強烈なビームが正面 から撃ち込まれた。一旦は押し込まれたものの、逆に押し返すと7色の光 は星を貫いた。そして、地球の運命を肩代わりするかのように、その星、 宇宙の放浪者達の星は砕け散った……。 その頃、地球には7色の光の橋が架かっていた。その光は地球の周りに広 がると六芒星を描き、環境の改造をしていく。空を厚く覆っていた暗雲が 晴れ、その隙間から太陽の光が地上を照らす。それを見て喜ぶ人々。(^^) 孤児院では子供達がパパ3人組と空を見上げて歓声を上げていた。(^^)/ ロボット・シティ、白く閉ざされた街、湖のほとり、忘れられた遊園地、 古代遺跡の街でも、みんなが笑顔で空を見上げていた。(^^) 地球崩壊の カウントダウンも中止された。レインボー・システムの作動が完了した。 地震が止まったと言って大喜びするロッド。太陽の輝きが美しいと言って 笑うファラァ。母なる地球が戻って来たのだ。汚染されていた大気も正常 になっていた。 地球の危機は去った。と同時に、目的と肉親を失ったファラァ。これから 何処に行けば良いのかと呟いて考え込む。そんなファラァの肩に手を置き 僕達はずっと一緒だと言うリック。(^^) そしてイリスは出発した。 ……アビス、ヘリング、シェラザード、ロッドの両親、そして旅先で出会 った多くの人達。みんなの事は決して忘れない……。思い出を胸に帰路に 就くリック達。その頭上を飛び去るパトロクロス。海底基地に戻るのだ。 通信で話したライムとカレンの事を思い出したリックは、急いで帰ろうと ソロンに声を掛けた。急に里心がついたようだと言って冷やかすソロン。 そんな事はないと言うリック。(^^; しかし、ソロンを誤魔化す事は出来 なかった。(^^;; なにしろ普通のロボットじゃ無いから。(^^) 冗談を 言って笑い合う一同。イリスが行く道は荒野から小鳥が舞う野原になり、 畑道になり、花の咲き乱れる街道、奇麗な水が雲を映す池の脇の道へと変 っていく。再びレインボー・システムを使う事にならないように、これら を守っていかなくてはならない。 イリスは走る。リックの両親の元へ。そして、子供達とパパ3人組が待つ 孤児院へ……。(^^)/ -- 鈴木 順一 LOOKIN' FOR THE RAINBOW woodybell@mail.wbs.ne.jp (kanea-marigold@geocities.co.jp) http://www2.wbs.ne.jp/~woodybel/