海辺の気候は一般的に温暖です。
陸地に比べて夏は涼しく、冬は暖かい保護性気候です。
季節による寒暖の差、昼と夜の温度差が小さいため、静養するのに適しています。


日中に海から陸に向かって吹く海風は湿気があり、塩分を含んでいます。
適度な刺激があるので、海辺での大気浴は新陳代謝を活発にし、心肺機能を高めてくれます。
また、海風は不純物が少なく清浄で、ミネラルを多く含んだ海塩粒子を内包しています。
呼吸や皮膚を通して体内に入ってきて、鼻やのどの炎症、喘息など、呼吸器系の慢性疾患に
効果があります。

 
海水には塩分が含まれているので、強食塩泉の温泉と同じく、長時間の保温効果があります。また、波しぶきを浴びる波浪浴をすれば、血液の循環が促進されます。 
 海水や海底の泥は、からだにとって大切なミネラルを含んでいます。海藻はヨードを含んでいるので、皮膚の新陳代謝を促し、脂肪を分解する効果があります。 

 
ヨーロッパの海浜保養地では、海水、海底の泥や砂、海藻などを健康増進、美容、治療に活用する「タラソテラピー(海洋療法)]が盛んです。「タラサ」とはギリシャ語で「海から」、「テラピー」はフランス語で「治療]を意味しています。 
 日本では、タラソテラピーは海藻パックや泥パックなどの美容法と思われているようですが、本来のタラソテラピーは、あくまで海辺の地城で、海の資源を用いる自然療法です。ドイツでは、素足で波打ちぎわを歩くサンドウォーキングが、砂浜地形療法として行われています。

 
海洋浴のベースはタラソテラピー。海の恵みを利用して病気の改善や予防、健康づくりを行う健康法です。 
 もちろん、浜辺を歩いて塩分を含んだ大気の中で呼吸するだけでも海洋浴の効果が期待できますが、さらに健康目的の保養や療養を行うためには、水質の良い海に面したところであることが必要不可欠です。また、近くに温泉があったり、豊富な海産物や新鮮な食材が手に入れば、海洋浴の素材と有機的に組み合わせて、より効果的な健康づくりが行えます。 

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