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論文
はじめに……
PSSCにおいて僅かに触れられていた複プリズムによる干渉実験に興味を持ち、手製の器具を用いて光の干渉現象を調べる事にした。ここで装置及び実験の都合上、実験をヤングの方法に換えた。
実験装置
- ○自作スリット
- 1.スリット作製の経過
- 最初一般的なスライドガラスに墨を塗り、カミソリの刃でスリットを切る方法を取った。しかし墨は水分及びニカワ質等々から成っている為ガラス面上では乾きにくく日光干し、デシケーターによる脱水を試みたが、墨が急激な乾燥に敗けて連結性を失い、ヒビ割れを生じた。そこで、より連結性の高いポスターカラーを用いる事にしたが、この性質上水で溶き、ガラスに厚塗りする形となった。しかし乾燥はしてもスリットを切る時薄片が落ちたり、スリットが切れても厚みにまけスリットが消えてしまったりした。この時はまだ連結不足だと思い、吹き付けペンキを用いたが、結果は後者と同じだった。またこれらの解決法として、微粒子の墨、又はススをガラスに薄く密に付着させ、カミソリで切る方法もあったが、スリットの精度、定着保存に難があったのでこの方法は断念した。
- 次に写真のフィルムの現像により、被写体がフィルムに反転される事に着目し、アート紙にカラス口で引いた単直線、平行直線をミニコピーフィルムで撮影し、コピナールで現像し、スライドマウントに固定し、それをスリットとして用いる事を考えた。複スリットの製作で一応成果を上げたので、以後この方法を取る事にした。ここで現象上の興味から、2・3のスリットを考案、作製した。干渉縞同志の干渉を求めて、複スリットを2組ある間隔に平行になる様に製図したスリット(複々スリット)、干渉縞でなく干渉斑点を求めて複スリット又は回析格子を2組直交するように製図したスリット(十字複スリット、十字回析格子)を作った。さらに回析格子も作製した。
- ところで問題になったのは、最も重要な単スリットが、フィルム現象の方法では
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