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ii)のBの場合
単スリットを経てレンズに入射した光は、レンズの公式に従がってレンズ通過後は単スリットの間隙の像の位置を中心とした円筒形の同位相波面を形成すると考えられる。そして実験では、その像とレンズの間に回析格子を組み込む形となる。そこでこれらの事を踏まえて、以下の作図を行なって「問」に答える。尚、図で光軸の上下は光軸を対称軸とした様な状態にあり、起こる事も同様と考えられるので、以下の論証は図の光軸下方で行なっていく。
(イ)
図の回析格子において光軸に最も近い光軸下方のスリットをA1、その下のスリットをB1とする。又、単スリットの間隙の像の中央点をPとし、そこにスクリーンを置くものとする。尚、単スリット、回析格子は同じ向きに置かれ、かつ、それらとレンズ、スクリーンは平行に置かれているとする。

(ロ)
点Pを中心とし、点A1を通る弧X(同位相波面)を書く。

(ハ)
1PとXとの交点をG1とする。

(ニ)
点B1を中心とし、半径B1G1の弧B1(B1から出た光の同位相波面であり、点A1とも同位相である)を書く。(点B1において後退波となる部分は除く。以下のこのような弧も同様である)

(ホ)
点A1を中心に半径nλの弧A1を書く。この弧A1と弧B1の共通接線を引き、その接点をH1,B1-1とする。

(ヘ)
ここでこの作図の基準はA1に設定している為、線分H11-1を「H1がA1一致する様に」平行移動する。その時B1-1の移動点をB1-2とする。ここでH1B1-1は第n次明線の波面と粗、一致する。ただしH1━B1-1間からの光でH1・B1-1以外の点はおそらく第n次明線に関係しない。

(ト)
次にB1の下のスリットをC1、さらに下をD1とする。

(チ)
1PとXとの交点をG2とする。

(リ)
点C1を中心とし半径C1G2の弧C1を書く。尚、弧C1は点C1から出た光のA1と同位相な波面である。

(ヌ)
点B1を中心とし、半径(B1G1+nλ)の弧を書く。その弧を(B1)とする。この弧(B1)と弧C1との共通接線を引き、その接点をそれぞれH2,C1-1とする。ここでこの弧B1について述べる。B1から出た光でA1より位相がnλ進んだ波面は弧B1の任意の点における半径nλの弧の総和である。つまりその総和したものは、ホイヘンスの原理(2次波の考え)より、弧(B1)となる事がわかる。

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