(4)プリズムで光の進行方向の変わりかた、すなわち偏角が最小になるようにする。このときはプリズムに入射する光線と出射する光線が対称形になる。
このためにプリズムの前にコリメーターレンズをおきその焦点の位置にスペクトル線が現れる。プリズム分光器の構成は、すべてこの基本形に還元して考えることができる。
スリットの長さが長いと、はしの方はレンズの光軸からはずれるため、その部分を通る光線は上記(3)の条件を満足できなくなる。その結果長いスペクトル線は、はしにいくほど鮮明度が劣ってくる。また、そのような光線はプリズムを通る距離が、スリット中央を通る光線に比べて長くなり屈折を多く受ける。したがって、スペクトル線は双曲線に似た形となり、はしの方は短波長側にずれている。
プリズムとレンズの材料は、可視部用にはガラス、紫外部用には水晶が主として使われている。
複雑なスペクトル線がより離れているほうがよい。スペクトル線の波長差を△λ、距離を△Lとすると△λ/△Lを分散とよび、この数値が小さいほどよいわけである。この△λ/△Lはプリズムの材質と形状による角分散とカメラレンズの焦点距離の逆数1/fに比例する。前者はあまり変えられないので、分散の数値を小さくするにはfを大きくする必要があり、分光器が大型になってくる。更にこの場合光の回折によって鮮明度が劣ることを防ぐために、プリズムの分解能も大きくすることが必要である。プリズムの分解能はプリズム底辺の長さに比例するので、プリズムも大型にすることが必要になってくる。
(発光分光分析 共立出版)
現在研究所などで、一般に使われている分光分析機は補正なしで使用されているということであった。
どうしたら解決できると思いますか。どうしたと思いますか?私はデキナイ頭で考えたのです。(この文はエラソウに感じる。自分で…)
しかし、いくら考えてみてもgood idea が浮かばなかった。従がって、プリズム分光器を断念して回析格子式分光器に乗り替えました。 1973.7.下旬