はやし浩司
Q&A-3
知育の問題
はやし浩司
初めてメールさせて頂きます。
友人から先生のHPを教えてもらいました。
長男のことでご相談します。
今年入学した6歳になる長男です。下に2歳の弟がいます。3月生まれなので6歳に
なったばかりです。
赤ちゃんの頃からどちらかといえば神経質で、人見知りもあり、入園のときも母親か
離れられない子供でした。
それでもこの子なりのペースで成長してきたと思っていたのですが、入学して2週
間、懸念していたことが現実となり、少々悩んでおります。
几帳面でまじめすぎるところがあり、例えば忘れ物をしたり、人と違ったりすること
に過敏で、誰が責めるでもないのに泣けてきてしまいます。このところ、絵を描く機
会も多いのですが、「何でも自分の好きなものを描きなさい」と云われるとパニック
になるのか涙が出て手が進みません。
今日も学校でたまたま給食エプロンを間違えて使ってしまったらしく、それを先生は
責めたわけではないのに泣いてしまう、それを見ていた周りの子供たちが集まってき
たことでまた泣けてしまう・・・といった具合です。先生に質問したことを、先生が
聞き取れなくて聞き返すと、それだけでまた涙が出てきてしまうということもあった
ようです。
今に始まった事ではなく、保育園時代もその傾向はあり、結局は本人が乗り越えてい
くしかないと思っていたのですが、やはり何度か重なると、親としてどういう風に向
き合えばいいのか分からなくなり、ご相談した次第です。
強く言い聞かせた方がいいのか、本人が恥ずかしくなりこらえることが出来るように
なるまで、泣きたいだけ泣かせたほうがいいのか・・・。
何かアドバイス頂けるとありがたいです。(福岡県・TYより)
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メール、ありがとうございました。
私からの質問です。ご都合のよいときに
教えてくだされば、もっと的確にアドバイスできます。
(1)パニックになる症状は何歳から始まりましたか。
年中児になるころあたりから始まったはずですが、
思い当たることはありませんか?
(2)赤ちゃんのときから、親に
甘えるということを自然な形でしていましたか?
それともそうではありませんでしたか?
(3)下の子どもが生まれたあと、赤ちゃんがえりは
ありませんでしたか。下の子いじめはしませんでしたか。
今の症状は、いわゆる緊張性の情緒不安です。
(心はいつも緊張状態にあり、その緊張状態に
不安が入り込むと、一挙に情緒が不安定になります。
言い換えると、情緒不安というのは、心の緊張状態
がとれないことを言います。)
相手に心を許さない分だけ、緊張感がとれないのです。
原因の多くは、乳幼児期の神経質な子育てに求められます。
子どもが安心して甘えることができなかったとか。
スキンシップが不足していたかもしれません。
(4)赤ちゃんのとき、親に甘えましたか。
それを許しましたか。
(5)不安先行型の子育てをしていませんでしたか。
あるいは心配過剰?
(6)スキンシップは濃厚でしたか。あるいは早くから
親の手を離れて、保育園へ入れるようなことは
ありませんでしたか?
対人恐怖症と考えられますが、分離不安の可能性もあります。
その中でも、攻撃型(プラス型)と内閉型(マイナス型)
があります。パニックになるのは、マイナス型と考えて
よいでしょう。(プラス型はギャーと叫んで親のあとを
追いかけたりします。)症状は正反対ですが、
一番考えられるのは、下の子どもが生まれて、
赤ちゃんがえりを起こしたことです。
(6−2)分離不安の症状もあったようですが、何か思い当たる
事件はありませんか。無理に引き離したとか、迷子に
なったとか、あるいは親戚に預けられたとか、など。
(7)お子さんのリズムで生活していますか。それとも
手をぐいぐいと引きながら子育てをしてきたような
感じですか。
(8)お子さんを日常的に「あなたはおにいちゃんでしょ」式に
突き放していませんか。望まれて生まれてきたお子さんですか?
愛情をたっぷりと注いできましたか。
以上、TYさんからの返事をいただいた上で、
またお答えします。対処法などはそのとき返事
いたします。ご質問、ありがとうございました。
情緒が不安定になっているイコール、心の緊張感
がとれないでいるので、無理をしてはいけませんよ。
こじれると、結構やっかいなことになります。
今回はこれで失礼します。
**************************************
>
早速の返信、ありがとうございます。
記憶に不確かなところも多々ありますが、できるだけ思い出して書き出してみます。
いつも返信いただき、ありがとうございます。
今回の先生のお話に、少しほっとしつつも、改めて子育ての難しさを痛感しておりま
す。
先生のご質問に対し、改めて返答させて頂きます。
(1)パニックになる症状は何歳から始まりましたか。
> 年中児になるころあたりから始まったはずですが、
> 思い当たることはありませんか?
年長の半ばくらいからだったと思います。何かをきっかけにしてというような思い当
たることはないのですが。
> (2)赤ちゃんのときから、親に
> 甘えるということを自然な形でしていましたか?
> それともそうではありませんでしたか?
特に違和感は感じなかったと思います。甘えん坊の子でしたが、特にそれを厳しく突
き放すようなことはしなかったと思います。
> (3)下の子どもが生まれたあと、赤ちゃんがえりは
> ありませんでしたか。下の子いじめはしませんでしたか。
赤ちゃんがえりを心配しましたが、特にありませんでした。ただ、生まれたときに4
歳だったので、我慢して感情を表に出せなくなることが心配だったので、私としては
生まれてしばらくは何かにつけ、上の子を優先しました。
> 今の症状は、いわゆる緊張性の情緒不安です。
> (心はいつも緊張状態にあり、その緊張状態に
> 不安が入り込むと、一挙に情緒が不安定になります。
> 言い換えると、情緒不安というのは、心の緊張状態
> がとれないことを言います。)
>
> 相手に心を許さない分だけ、緊張感がとれないのです。
> 原因の多くは、乳幼児期の神経質な子育てに求められます。
> 子どもが安心して甘えることができなかったとか。
> スキンシップが不足していたかもしれません。
>
> (4)赤ちゃんのとき、親に甘えましたか。
> それを許しましたか。
甘えてきたと思いますし、拒絶もしなかったつもりです。
> (5)不安先行型の子育てをしていませんでしたか。
> あるいは心配過剰?
どちらかといえば不安先行型かもしれません。引っ込み思案の子だったので、特に集
団生活や協調面に関して、心配の種はつきませんでした。
> (6)スキンシップは濃厚でしたか。あるいは早くから
> 親の手を離れて、保育園へ入れるようなことは
> ありませんでしたか?
当時フルタイムで働いていたので、1歳から保育園に行っていました。ただ、その
分、スキンシップに関しては常に意識して、子供とは接してきたつもりなのですが。
> 対人恐怖症と考えられますが、分離不安の可能性もあります。
> その中でも、攻撃型(プラス型)と内閉型(マイナス型)
> があります。パニックになるのは、マイナス型と考えて
> よいでしょう。(プラス型はギャーと叫んで親のあとを
> 追いかけたりします。)症状は正反対ですが、
> 一番考えられるのは、下の子どもが生まれて、
> 赤ちゃんがえりを起こしたことです。
>
> (6−2)分離不安の症状もあったようですが、何か思い当たる
> 事件はありませんか。無理に引き離したとか、迷子に
> なったとか、あるいは親戚に預けられたとか、など。
事件として、特に思い当たることはないように思います。
> (7)お子さんのリズムで生活していますか。それとも
> 手をぐいぐいと引きながら子育てをしてきたような
> 感じですか。
ぐいぐい引っ張りたくなる気持ちになることも事実ですが、出来るだけセーブしてき
たつもりです。2歳までは延長のある保育園に 通っていましたが、3歳の時(年少
に上がる時)、学区の保育園に行った方がその後の小学校への入学にもストレスが少
ないかと思い、それまでの仕事を辞め、延長のない学区の保育園を選び、夕方からの
子供との時間を濃密にしてきました。
> (8)お子さんを日常的に「あなたはおにいちゃんでしょ」式に
> 突き放していませんか。望まれて生まれてきたお子さんですか?
> 愛情をたっぷりと注いできましたか。
「あなたはおにいちゃんでしょ」ということは、少なくとも父親、母親は言いませ
ん。お兄ちゃんというのはほめる時に使うぐらいです。私たちなりに愛情を注いでき
たつもりです。皆から祝福されて生まれ、かけがえない子だという気持ちに嘘はあり
ません。
今は私自身どう対処していいかわからないので、このことに関して子供に何も云って
いません。
もしまだ分かりにくいことがありましたら、またご連絡しますのでどうぞよろしくお
願いします。
私たちは取り返しのつかない育児をしてしまったのでしょうか?いつも子供たちのこ
とは1番に考えてきたつもりなのですが。
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ご返事、ありがとうございました。
いただいたメールから判断すると、
情緒が不安定というより、未熟性が原因ではないかと
思っています。感受性が強く、その感じたことをうまく
コントロールできないという状態です。もしそうなら、
やがて集団生活になれ、何かのことで自信をもてば
症状としては、自然に消えていく種類のものです。
外の世界(学校や友人関係)では、かなり神経を
使っていますので、家庭では、思いっきり手綱を
ゆるめるようにします。多少乱暴なことを言ったり、
生活習慣がだらしなくなりますが、大目に見てあげ
てください。あとは濃厚なスキンシップと、とりあえず
はCa,Mgの多い食生活にこころがけます。これら
はいわば精神安定剤として作用します。
対人恐怖症はどこかであったと思われます。親が
気づかないところで、です。「絵を描いてごらん」と
言われて涙ぐむということですが、そのあたりに
キーワードがあったように思います。多分幼稚園か
どこかで、一度いやな思いをしたのかもしれません。
問題は、こうした緊張感が、部分的なものなのか、
それとも、今、お子さんの生活全体に及んでいるも
のなのかという点です。※ふだんは何ともないが、
ふとしたことで、ときどきそうなるというのであれば
問題はないでしょう。しかしいつもどこか気を抜かない、
気を許さない、ピリピリしているというのであれば、
それが転じて、ほかの症状に結びつく(神経症、
恐怖症、不登校など)心配があります。そのあたり
はいかがですか。
もし部分的であるなら、先にあげた対処法で
じゅうぶんですが、いつも緊張状態にあるという
のであれば、「今の症状をより悪くしないこと」だけ
を考えて、さらに手綱を緩めます。どこかで自分を
発散できればいいのですが、そういう場所はあり
ますか。※
年齢的にみて、つまり発症(?)した時期からみて、
赤ちゃんがえりの変形とみてよいと思います。
原稿をはりつけておきます。本能的な嫉妬心が
いろいろ姿を変えて子どもの情緒に影響を与えた
ということです。「やさしすぎる」ということですが、
どこか気になります。無理をしているのではないか、と
です。あるいは仮面をかぶっていることも考えられます
が……?※いかがですか?
上記※部について、またくわしくわかれば教えてください。
では、また。
はやし浩司
*************************************
いつも返信いただき、ありがとうございます。
今回の先生のお話に、少しほっとしつつも、改めて子育ての難しさを痛感しておりま
す。
先生のご質問に対し、改めて返答させて頂きます。
>
**************************************
> 問題は、こうした緊張感が、部分的なものなのか、
> それとも、今、お子さんの生活全体に及んでいるも
> のなのかという点です。※ふだんは何ともないが、
> ふとしたことで、ときどきそうなるというのであれば
> 問題はないでしょう。しかしいつもどこか気を抜かない、
> 気を許さない、ピリピリしているというのであれば、
> それが転じて、ほかの症状に結びつく(神経症、
> 恐怖症、不登校など)心配があります。そのあたり
> はいかがですか。
息子は、この年代の男の子としてはおとなしい方だとは思いますが、普段、私が接し
ている時の様子は明るく、時にはおしりを出したりして笑わせる、元気な子だと思い
ます。家でもちょっと強く叱ると、涙ぐんだりはしますが、以外に立ち直りも早く、
ピリピリすることもないように思います。
手綱を緩めるというのは、少々のことは大目に見ていくということなのでしょうか?
長男は小さい頃から食が細く、同じ年頃の子に比べると、半分か、へたをするとそれ
以下かもしれません。故に食事を食べなかったりすると、どうしても私の口調がきつ
くなり、涙ぐみながら食べることも間々あります。後からいつも反省するのですが・
・・。体重も90パーセンタイルの下ぎりぎりなので、なんとか食べさせたい気持ち
と、この子の食は細いことを認めなければという気持ちがいつも私の中で入れ代わり
立ち代わり揺れています。こういうこともきっと影響しているような気がします。
> 年齢的にみて、つまり発症(?)した時期からみて、
> 赤ちゃんがえりの変形とみてよいと思います。
> 原稿をはりつけておきます。本能的な嫉妬心が
> いろいろ姿を変えて子どもの情緒に影響を与えた
> ということです。「やさしすぎる」ということですが、
> どこか気になります。無理をしているのではないか、と
> です。あるいは仮面をかぶっていることも考えられます
> が……?※いかがですか?
次男が生まれる時、長男は丁度4歳になる頃だったので、感情が表に出せなくなるこ
とだけは避けてやりたいと思い、赤ちゃんがえりしても受け止めるつもりでいたので
すが、以外に表立ったやきもちもなく、彼なりに赤ちゃんの存在を受け入れてくれた
ように見えました。今でも自分が遊んでいるものを弟が欲しがると、割とすぐに譲っ
てやり、突き飛ばしたり、たたいたりということも全くしません。それはそれでなん
となく心配で、無理をしているのではないかと思うこともあるのですが、それっぽい
様子もあまり感じ取ることは出来なく、かわいがってくれています。もっと奥深いと
ころに感情が押し込められているのでしょうか?
私のスタンスは、次男が怒って泣き出さない限り、長男が甘えてひざに乗ってきた
り、抱っこしてと云ってきた時は、受け入れるようにしています。これはこのままで
いいのでしょうか?
学校で泣いてしまったことを担任の先生から聞いた後日、先生の連絡帳に、号令を頼
んだらとても元気な声でできたこと、図工の粘土工作ではとても上手に動物園を造っ
ていたことが書いてありました。
友達作りは決して上手ではありませんが、気の合う子はそれなりにいるようです。保
育園の卒園文集では、仲良しのお友達の名前を書くところがあったのですが、ほとん
どの男の子が息子の名前を書いてくれていました。
思い返すと、男の子なんだからこれくらいは、とか、せめてこうなって欲しい、と
いった親の思いを押し付けるようなことをしてきたような気がします。
何かアドバイスがありましたらよろしくお願いします。
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こういうケースでは、最悪なものから順に消去法的に消して
いくという方法で、子どもの問題を考えます。で、結論になる
と思いますが、大きな情緒的障害、精神的な問題は考えなく
てもよいのではないかということです。考えられるのは情緒的
未熟性(何らかの原因でよくあることです)ですが、これはこ
の時期の子どもの、20%(推計)に多かれ少なかれみられ
る症状で、これから先、年齢が大きくなれば、急速に改善
するものと思われます。要するにこじらせないことだけを
考えれば、よいでしょう。今のところ、深刻な神経症なども
ないようですから、それほど心配はなさらなくrてもよいの
ではないでしょうか。
手綱をゆるめるというのは、家庭をしつけの場からいやしの
場にできるだけ早く転換するということです。学校ではかな
り神経をつかっているようなので、生活習慣が多少だらし
なくなっても、「うちの子は外でがんばっているから、しかた
ないわ」と思うようにするということです。家ではもうガミガミ
言わないことです。
子どもの小食については、何らかの形で約30%の母親が
悩んでいます。食が細い、遅い、好き嫌いがはげしい、など。
まずしてみることは、冷蔵庫をカラにして、間食できるような
ものを一掃すること。甘味料の多い食生活を一掃して、CA
MGの多い食生活に切りかえること、です。私は「冷蔵庫を
カラにせよ」という指導をしています。小食児の家庭には、
それなりに、つまり無意識のうちにも、間食できるものが
ゴロゴロしているからです。もちろん甘いジュース類は周囲
から消します。アイス、クリーム、ケーキなども厳禁!
ご指摘のように、私も「どこか無理をしているな」とは感じて
います。「弟なんか嫌いだ」とすなおに言えるほうが自然で
はないかと思います。どこかで親の期待にこたえながら
「いい子」を演出しているような感じがします。ですからお尻
を見せたりしてふざけているようなら、そういう面をすなおに
外に出せるように、つまり子どもの側からみて、心を開ける
ような場を大切になさってください。このタイプの子どもは、
「これだけは人に負けない」というような一芸をもたせるこ
とをお勧めします。一芸論はあちこちに書いておきました
ので、またサイトをご覧になってください。メールの中で
気になったのは、「今でも自分が遊んでいるものを弟が
欲しがると、割とすぐに譲っ てやり、……」という部分です
が、長男としては、たいへん珍しいことです。つまりどこか
不自然に感じました。
スキンシップの与え方は、この際、今のままでよいと思い
ます。小学3〜4年までつづきますが、TYさんのケース
では、小学4〜5年までつづくかもしれません。ベタベタの
スキンシップではなく、質の高いスキンシップをこころがけ
てください。子どもの側からみて安心感の得られるような
スキンシップをです。(スキンシップが多いから依存性が
強くなると言うのは、ウソです。まったく別物です。)依存性
は親側の姿勢の問題です。
「男の子だから」「お兄ちゃんだから」というのは、もうや
めましょう。ひょっとしたら、TYさん自身が、「男の子」を
知らないか、「父親の形」を知らないのかもしれません。
それで勝手に「男像」をつくりあげ、その形に子どもを
当てはめようとしている感じがします。お父さんが割りと
権威主義的な、昔的な方だったかもしれませんね。
これからはもっと感情を表に出せるように、ゆるめてみ
ます。学校から帰ってきたときあなたの前で、だらしない
格好でもよいから好き勝手なことができるように。そういう
おおらかさで子どもを包んであげてみてください。少し
ずつですが心を開いてくれると思います。(1年単位で)
ときどき学校へ行くのをいやがったり、ぐすったりする
ようなことがあれば、適当に休みながら、心を調整して
あげてください。外の世界では無理をしているようです
から。それと涙もろい、すぐ泣くということは、最初のメ
ールに書いたとおりですから、心の緊張感をほぐすこと
を考え、一方で、あまりおおげさに考えないように。子ども
によっては、涙は汗のようなもののときがあります。涙
を出すことで、緊張感をほぐすときもあります。泣きたい
だけ泣かしながら、温かく見守ってあげます。(泣くことに
よって、子どもは心のバランスをとる、イコール、ストレス
を発散させるのですね。)
あとは学校の先生と連絡を密にしてください。直接子ども
をみている先生が、ほめてくれたということですから、私
はそれでよいと思います。この時期はほめながら、少し
うぬぼれぎみでも構わないから、前向きな姿勢を大切に
して伸ばすのがコツです。これから先、親離れを始める
小学3〜4年生ごろ、ややむずかしくなる時期がありま
すが、どうかうまく乗り越えてください。
では、これで失礼します。あまりよい回答になっていなくて
すみません。また何かあれば、連絡ください。あまり心配
せず、つまりあなた自身が自分の子育てに自信をもって
前向きに進んでください。メールで拝見したところ、とても
じょうずに子育てをなさっておられるようです。母親として
ほぼ満点をさしあげたいくらいです。(生意気なことを言って
すみません。)あなたはすばらしい母親です。メールの内容
にしても、たいへん理知的で、的確です。自信をもってく
ださい。あなたのような母親からはゆがんだ子どもは
生まれません。では……。
はやし浩司
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Q:小学4年生の長女ですが、いつからかどもるようになってしまい、普通に話をしてても言いた
い事がなかなか伝わらずかわいそうなぐらいです。特にカ行とタ行がひどいです。本人も気にし
ていて上手に話せれないからと授業中に発表することをいやがります。なおす方法を教えてく
ださい。
A:吃音(きつおん)についてですが、本人がセルフコントロールできる年齢かどうか微妙なとこ
ろです。つまり自意識の範囲で、指導になじむかどうかということです。小学4年生というのは、
微妙です。
(1)自意識でコントロールできないとき(幼児〜小1,2)の場合
吃音指導はしないのが原則です。発音練習は、別にします。
(2)自意識でコントロールできるとき(小学高学年以上)の場合
それでも吃音指導を子どもにあまり意識させないで、たとえば発音練習をしながら、結果として
吃音をなおすようにします。発音指導は、口をゆっくりと動かし、息をたくさん出させ、子どもに
発音のリズムをつかまさせます。苦手な音の言葉だけを、何度もゆっくりと話させるようにしま
す。たとえば「刀(かたな)で皮(かわ)を切る」という文章だけを、練習します。子どもに吃音指
導と思わせないようにするのがコツです。どこかで大声を出して、声を出してくれるといいので
すが……。吃音そのものは、脳の機能的な変調が原因で、声帯がけいれんを起こして引き起
こされるというのが、一般的な考え方です。つまり脳の変調を起こす原因(神経質な家庭環境、
神経症などの変調要因)があればそれを除去します。神経質な過干渉、過関心、過負担、過
剰期待など。しかしこれらの要因を除去したからといって、吃音はすぐにはなおりません。こうし
た変調(神経症とみる学者は多い)は一度現われると、数年単位で続くことが多く、その間に、
子ども自身が自信をなくしたり、失語症になったりします。要するに周囲が無視すればいいの
ですが、これが子どもの世界では難しいようです。(それをからかう子どもがいたりするからで
す。)私の場合は、ときどき子どもたち全員に大声をださせ、それにまぎれてなおすという方法
をとっています。ほかの子どもたちのいる前では、指導しない。問題としない。なおそうとしない
が原則です。家庭では、次のようにしてみてください。苦手な音をふくむ言葉について、まずゆ
っくりと話す練習をします。リズミカルに息を大きく吐き出しながら、音にあわせて口を動かすよ
うにします。ここで大切なことは、ゆっくりと話す練習をさせることです。「吃音をなおしましょう
ね」とか、練習が吃音をなおすためとかいうようなことを子どもにわからせることは、子どもの前
では避けます。(小学高学年以上であれば、ある程度、吃音をなおすということを意識させます
が、あまり意識させると、かえって自信をなくさせたり、萎縮させたりしてしまいます。)率直に言
えば、無視して、皆が、だれも問題にしないような環境があれば、いいのですが……。たいてい
指導を始めると、子どもは小声になってしまいます。それがかえって指導を難しくします。
そこでどうでしょう。あまりなおそうとか、それが悪いことだと決めてかからないで、もう少しお
おらかに考えてみたら。おねしょと同じで、吃音そのものは、本人にとっては、それほど不愉快
なものではないのです。(私も子どものころ、軽度の吃音があり、今でも、カ行音でどもることが
あります。)
自意識がじゅうぶん育ってくると、苦手な音を出す前に、一呼吸おくようになり、ゆっくりとしゃ
べるようになります。そうなれば、自然になおります。そういうことも考えながら、子どもに吃音
が悪いことだと思わせないようにします。(罪悪感をもたせると、まずいですね。ですから努めて
無視するのが最良の方法で、それとは別のところで、発音指導はします。どうもまとまりのない
文になってしまいましたが、わかっていただけましたか?)
私は正直に言いますが、吃音指導そのものは、ひとりの子ども(一対一の関係では)に対し
てはしたことがありません。無視した形で、別のところで、子どもどうしにワーワーしゃべらせ、
それでなおすという方法をとっています。それが吃音指導の難しい点であると同時に、コツで
す。対面式で指導すると、かえって失敗するのでは……? 吃音も含めて発語障害は、こうい
う方法をとるのがベストです。(順に言わせてなおすという方法でも、子ども自身が敏感になっ
ていることが多く、たいていその段階で、気づかれてしまいます。子どもが気づくと、その時点で
指導ができなくなります。)
Http://www.chunichi-tokai.co.jp/education/child_world/
のコラムの中に、発語障害を書いておきましたので、ご覧になってください。HPの中にも、どこ
かで詳しく書いておきました。では。
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