地理歴史科(日本史)学習指導案 |
静岡県立清水工業高等学校
授業担当者 伊藤和彦
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日時 2002(平成14)年6月13日(木)第2時 |
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*ただし、体育大会が雨天延期の場合は6月12日(水)第4時に行なう。 |
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使用教科書名 日本史A 現代からの歴史(東京書籍) |
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単元名・領域名 |
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第一部 近・現代 第3章 両世界大戦をめぐる国際情勢と日本 (3)軍国日本への道 2 軍部の台頭 |
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単元目標・領域目標 |
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新学習指導要領の日本史Aの目標に「我が国の歴史の展開を、世界史的視野に立ち…考察させることによって、歴史的考察力を培」うとあり、近代日本がひきおこした侵略戦争である十五年戦争が、当時の欧米諸国(いわゆる列強だけでなく)の動向をふまえた上で、不可避のものであったのか、避けられるものであればどの時点ならば避けられたのか、またなぜ「政府」は避けようとしなかったのか(日本国憲法前文)を、考える。同時に、圧倒的な戦争熱が高まる中で、時代に流されることなく戦争に疑問を呈したり、反対していった人びとにも理解を深める。 |
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教材観 |
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@ |
歴史を「一本道」の必然論、運命論として片付けるのではなく、歴史における選択の問題としてとらえ直す。 |
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A |
各国の「必死の代案」を比較検討することによって、世界の中の日本の位置を浮かび上がらせる。 |
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生徒の実態 |
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このクラスは運動部に所属している生徒も多いため、元気で明るいクラスであり、発言も活発である。専門教科だけではなく、日常の社会の動向や社会科系の科目にも興味・関心をもつ生徒も多く、授業を行ないやすいクラスである。また板書事項も1時間に黒板1枚(15行程度)に抑え、プリント資料の完成・切り貼り等の作業を取り入れ、集中力を維持できるよう工夫している。 |
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本時の指導 |
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(1) |
本時の教材 |
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軍部の台頭(教科書p.p.96〜97)、補助教材(プリント資料) |
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(2) |
本時の目標 |
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次回の学習から十五年戦争にはいる。アジア諸国を侵略した十五年戦争は避けられないものであったのか。今回の授業では、その分岐点の一つについて、軍部の代表的論客である石原莞爾と大正デモクラシーの最前線に位置していた石橋湛山の両者の考え方を、資料(史料)をもとに理解させた上で、日本の進路と選択について考えさせたい。また実際に戦争への道を歩まないという選択を行なった国も存在し、現在の日本の進路の参考とさせたい。 |
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(3) |
参考文献 |
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江口圭一『十五年戦争小史・新版』青木書店、1991年
田中彰『小国主義〜日本の近代を読みなおす〜』岩波新書、1999年
中村政則『明治維新と戦後改革−近現代史論』校倉書房、1999年
松尾尊~編『石橋湛山評論集』岩波文庫、1984年
歴史教育者協議会編『わかってたのしい中学社会科歴史の授業』大月書店、2002年
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(4)指導過程
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段階 |
学習内容 |
生徒の活動 |
指導上の留意点 |
導入
(5分) |
・前時の復習
[Key Word]
昭和恐慌(農村恐慌)・失業者・食糧不足 |
・本時のタイトルを書く |
・現在の経済状況および不況対策も含めて話をする。ただし、具体的な内容には触れない。
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展開T
(15分) |
・恐慌に陥った代表的な国について、その対策を説明、板書する。
@アメリカ
Aイギリス・フランス
Bドイツ |
・資料1をノートに添付
・資料2をノートに添付 |
・内容については、本時の主目的ではないので、あまり深入りしない。
・説明と板書で単調になりやすいので、切り貼りの作業を入れて集中力を促したい。 |
展開U
(20分) |
・日本の恐慌対策を考えさせるために、代表的人物(石原莞爾と石橋湛山)について紹介する。
・石原莞爾と石橋湛山の考え方を理解させる。
@石原莞爾=「満蒙は日本の生命線」(←ことば自体は松岡洋右による)
A石橋湛山=植民地放棄論
・日本はどちらを選択するべきか考えさせる。 |
・資料3を音読し、ノートに添付。資料4も同様。
・資料3・4に書いてある内容を要約する。
・資料3・4をよく読み、自分の考えをノートにまとめる。 |
資料3 石原莞爾とその思想
資料4 石橋湛山とその思想『石橋湛山評論集』岩波文庫より
・生徒が自分の考えをまとめている間、机間巡視を行ない、指導する。
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[以下は時間的余裕があれば]
石原案・石橋案、どちらを選択したのか、小討論を行なう。 |
・どちらを選択したか挙手。
・選択した理由を、それぞれ説明する。・相互に批判・応答する。 |
まとめ
(10分) |
・日本は結局、石原莞爾の考え方が、本人の手によって実行にうつされることを予告する。
・石橋湛山のような考え方はスウェーデンで似た方法が実行されたことを紹介する。 |
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