カメハメハ王国シンポジウム

平成11年10月16日(土
相良町町民センター2Fホール
司会:カメハメハ王国は、1997年に活動をはじめました。
  現在、県内以外にも、東京、名古屋、埼玉など64世帯の180人の大家族になりました。今日は、なぜウミガメを守らなくてはいけないかと題して、自然環境の保全や町の将来をみなさんといっしょに考えていきたいと思います。では、まず最初にカメハメの王国の代表をから挨拶をお願いします。
 
代表:みなさんこんにちは。小中学生のみなさん、学校が終わったあとここへ馳せ参じてくれてありがとうございます。私たちが相良町にカメの国を作って3年目になります。3年目に意味深い仕事をやってみたいとスタッフがなにをやったらいいだろうと、環境教育を考え、堂本先生が中心になって活動されている生物多様性JAPANにいったところ、こころよくやりましょうと返事をいただき、今日のはこびになりました。こういう会をひらくことになって、今日は相良町の松下町長にも、議会の大勢のみなさん、大人のたくさんのみなさんにも関心を深めることに、馳せ参じていただき、壇上からではありますが、お礼を申し上げます。堂本先生はいま世界の環境を考えている議員の会の総裁、いちばん偉い立場で活動されている方です。それから、亀崎先生はカメに関係がなくても、生まれながらにカメという姓をいただいているかたで、カメの研究では京都大学で研究をつんで、一番研究を深めている先生です。お二人とも快く相良町へ来てくださいました。お二人の先生の書いている本が入り口のところで売られています。そのはじめの文の中に「地球の温暖化がこんなに早く来ると思わなかった。」と書いてあります。地球の温度が2,3度上がると日本の砂浜がほとんどなくなってしまう、カメの先生はその中で、海の流が変わってしまう、カメがオスとメスがバランスよく生まれてこなくなってしまうかもと、カメがたまごを産む場所がなくなってしまうという文を書かれています。今日みんなさんがたの代表の小中学生がすごい質問をすると思います。その前に、お二人の先生がたが、これから私たちが住んでいる地球がどうなっていくか、どういうふうにしていかなくてはいけないかの話があると思います。最後までご清聴お願いいたします。
 
司会:相良町の松下町長からお話をお願いします。
 
町長:みなさん、こんにちは。今日はいろんな話をきくなかで、いろんな話が交換され、たくさんの人が集まっていただいたことは、非常にうれしいです。環境問題、みなさんが、強く関心をもっているということを強く感じました。環境の問題が出てこない日はないくらい、たくさんの問題がでています。家庭からでるゴミの問題から、産業廃棄物の問題、ひじょうに大きな問題、どう解決するかの問題、空気や土壌など、そのほかにも地球の温暖化や酸性雨の問題もあります。この問題も私たち人間が生活する中で出てくる問題で、このままいくと私たちが生活している地球が滅んでしまうことになる。そういうことから、みなさんがこれからどうすればいいか、話していくことになると思います。わたしたちが真剣に取りくんでいかなければ私たちの生活するところがなくなってしまうというので、堂本先生、亀崎先生に講演をやっていただくなかから、これからをになうこどもたちがいろいろ話し合うということで、今日の会は非常に意義があることだと思います。簡単ではありますが、あいさつとさせていただきます。今日はありがとうございました。
 
司会:今日の会は、カメハメハ王国と生物多様性JAPANの共催であります。
それでは、本日の講師であります堂本暁子先生にお話をお願いいたします。
 
堂本暁子講演
みなさんこんにちは、堂本暁子です。そして今日はカメハメハ王国に迎えてくださってありがとうございました。本当に今日は喜んで来ました。今亀崎先生と少し話をしていたのですが、私がはじめて海亀を見たのは、小笠原へいったときで、アメリカからその島が返されてすぐのときでした。そのとき、亀はいっぱいいました。いま、なぜか減ってしまいましたが。とにかくいっぱいいて、船にのってみたら、亀がなんと早く泳ぐこと早く泳ぐこと、亀は陸の上にいると動作が遅いでしょ、それが海の中にいると早いのでびっくりした思い出があります。そのとき、泣いている亀にも出会ったりしました。
松下町長さんのこどものころは、亀がたくさんいたのに最近は少なくなった、どうして少なくなったのかということで、もしかしたら、亀だけじゃなくて、私たちの周りのいろんな鳥や虫や木など、たくさん変化があるのかもしれません。
私は、今紹介していただいたみたいに議員さんたちの中でも環境のことやっていますが、日本でも世界でもやっています。もうひとつ大きなグループがあります世界自然保護連合という50年前にできたグループですが、50年前に「なにか地球がおかしいな?」と思った人たちが世界自然保護連合とういうのをつくりました。そして、日本国も、環境庁もメンバーです。そして世界の139の国で活動しているグループですが、そこでも亀の問題は大問題。だから世界の亀が滅んでいる。日本でも滅んでいる。そこで亀と出会えるみなさんはとっても幸せだなと思います。
 温暖化というのはとっても説明するのに難しいので、みなさんの質問を受ける前に私がみなさんに聞きたいのだけれど、「ぼくは板倉君? いくつ?」
「小学校3年です。9歳です。」
みんな9歳ですか。それでは、この地球が何歳?かという質問。習ったかな。知っている人手をあげて。
知ってる。
「46億歳」
 
はい、よくできました。46億歳です。46億年前に地球は生まれました。100億ぐらいは地球は命があるだろうといわれています。地球に命があるとすると、私たちが住んでいる地球はちょうど半分くらい生きていた、存在していたことになります。地球が最初はどんなだったか、寒かったり、熱かったりした。今はとってもいい気候だから、木があったり、草があったり、動物がいたりするのですが、それでは、風邪ひいたときに熱があるとお母さんにいわれたことある?
「ある。ある。あります。」
きみはあった。そうそう。病気になると熱があるでしょ。地球が熱が出たら困ると思わない?困るでしょ。今、地球は温暖化といわれますが、地球のまわりの空気が年々暖かくなってきている。そして、地球が熱が出るかなというのが今の温暖化の話です。熱があがるとどうなるのかな? 地球の体温計ないから、みなさんは体温計で計ったりするでしょ。でも地球の体温計はない。みんなで地球の体温(温度)を、いっしょうけんめい研究しています。
1900年から2000年まで、これは日本の温度の平均をずっとかいてあります。どんどんあがっているのわかりますか?ようするに地球の体温がだんだん上がってきている。あがってきたらどうなるのかな?というのがこれからのお話です。
どうして地球の温度が上がるのか?太陽からの温度が来て、そしてそれと地球からはねかえってくるそこで暖かかくなってくるのを温暖化ガスといいます。そして温度があがってきて、あついあつい地球でしょ。地球はまわりのガスがだんだん温暖化効果ガスで暑ったかくなってきているのだから、暑い。いってみれば、 夏にセーター着ていると暑いでしょ、汗かいてしまう、そういう状態になっています。
これが何年かたっていくと、これは1800年から2000年の間、なんとなくずっと温度上がってきています。これが200年から2100年になると、この100年でおよそ2度あがるといわれています。こんなに早く温度があがったら、人間ならかぜひいて40度以上熱がある。うん、うんいって、地球だって苦しんでいるかもしれませんが、暑いとか苦しいとか言わないけれど、亀だってそう思っているかもしれない。
 地球の7割は海です。その海の水が上昇する。南極というところは氷がたくさんあります。暖かい氷が解けます。大変深刻の話で、新小岩、両国、上野このへんがみんな海になってしまいます。沈んでしまう。ここが江戸川です。こんなに海が上がってきてしまう。
 暖かくなるというのは、地球の7割の海が、温暖化で膨張する(膨張するってわかるかな?)。海が膨らむの。あったかくなると大きくなるの。海の水も暖かくなって膨張して、どうしても水面が上がってくる。そして、南極の氷が解けて加わると、この2つの理由で海がずっとあがってくる。日本は島国ですね。一番心配しているのは南の国のひとたち。インドネシアとかそういう外国の島国がなくなる。日本だって大事件。日本の海岸線、砂浜、日本の70%の砂浜はなくなってしまう。砂浜がなくなったら少しもきれいではないでしょう。砂浜がない海なんて少しもきれいではありませんね。いまから70年後で、二酸化炭素という物質が、車や私たちが今つかっている電気とか、こういうものからでるガス、車を使ったり、電気を使ったり、人間の活動で、二酸化炭素がたくさん出てきている。こういう二酸化炭素が地球を暖かくする効果、原因になっている。困るでしょ。日本だって海岸が沈んでしまったらこまるでしょ。ここだって海岸なくなったら困るでしょう。みんな困るよね。世界中の人が困るの。それで、今から7年前、ブラジルという南米の国に集まって、地球サミットというのを開きました。世界中の総理大臣とか偉い人が行って、「さあ、地球をこれ以上暖かくするのはやめましょう、みんなで約束しましょう」という会議をしました。地球サミットといいます。しかし、ここで2つの約束をする予定でした。1つは地球環境枠組み条約、これ以上地球を暖かくするのをやめましょうという、島国がなくなってしまったり、することがないようにという約束をする会議、ところが、みんな車には乗りたい、車の会社は車を売りたい、電気もつけたい、途上国の人もまだまだ開発を進めたい、どうしてもなかなかみんなで約束が決まりませんでした。反対だ、反対だ、反対だ。それから、だけど、いずれは約束しましょう。このままでいくと人間の生活がだめになってしまう。もうたった70年でしょ。この二酸化炭素(CO2)というのが年に1%づつ濃くなっている、70年たつとその濃さが倍になっている。倍になったときは、各地で大事件が起きてくる。地球は46億年のあいだに、たしかに氷河期や暑いときもありました。しかし、何万年、何十万年、何億年、というあいだに動いていた、でもこれはたった百年でしょう。みんなが79歳になって海岸がなくなったら大変なの。だから、そうならないように約束をしましょう、というのが世界中でやっているこの約束をつくろうということなの。ところが、ところが、店の人も、商売やっている人も、途上国の人は、「日本はいいですよ、私たちは電気が足りないから電気をつくりたいの、だからこんなの賛成できない」、「あなたたちが悪いんですよ」、そうなんですよ、日本で出している二酸化炭素は途上国よりもずっと多いのです。だから、悪いのはあなたたちいろいろな電気やなにかを使っている先進国ですと、途上国の人は言っています。そういうことで、なかなか、約束をすることができませんでした。
  ベルリンで会議が開かれたときに、どれだけ減らすかの約束をする会議は京都で開かれることになりました。京都知っている人?京都知っているはね。京都でこういう環境会議が開かれたと知っている人いるかな?いないわね。あとで話をする亀崎先生の京都大学がある京都でそういう会議が開かれました。京都では、何年でにどれだけ減らすかという、そのときも大人たちが決めなければいけないというときに、結局決められなかった。アメリカが反対したり、中国が反対したりと、ついに決まらなかった。
その次は、ブエノスアイレス(アルゼンチン)です。私も行きました。京都にも、ブエノスアイレスにも。でも、そこでもやはり決まらなかった。そして、今月の20何日かにドイツのボンでまた会議が開かれます。私は今回行きますが。とても難しい。日本も、人間はわかっているのだけど、こんなことしといて海岸がなくなったらたいへんだと頭ではわかっているのだけど、いざとなると約束ができない。これはたいへんなことです。
 どこがガスを使っているか、この図をみてください。二酸化炭素、どこがたくさんつかっているかというと、アメリカが20%、世界の中で一番使っているのがアメリカです。次が中国で11%、その次がロシア、その次が日本で4.9%、だいたい5%です。世界中で出しているのが11億トン、そのうちの5%が日本がだしています。アフリカ全部で3、2%、南米全部で2.7%、全体の3分の2くらいを先進国がだしている。だから、途上国の人たちは先進国の責任だよといっています。
 
こういうようなことがおこるとどういうようなことがおきるかという海の話は、亀崎先生が話してくれると思いますが、私が思うのは、最近暖かい、少しもまえほど寒くない、これは温暖化だろうと。私たちが普段見えない海が、海がとっても大変なんです。海の上だけがとっても暖かくなると、海の下の方4000mぐらいしか水深がありません。海の底はつめたいので、海の循環が鈍くなってしまうとか、海岸が侵食されるとか、土がうまっちゃうとか、いろんな変化が起こってきます。今、温暖化というのは、自然に進む場合のだいたい6倍くらいの早さで進んでいます。そういうふうなことが起こるともちろん人間の体にも影響があるんですが、海岸に影響がなぜ強くでるかというと、人間のほうもそうとう海岸を破壊している現象が、いろんなゴミが流れついて海岸を汚していたり、埋めたてをしたりして自然のままの海岸がそうとう人間によって壊されている。そこへ温暖化の影響を受ける。海岸にいろんな豊かな自然があるのに亀だけでなくて、貝や魚だとかにもいろんな影響がでます。例えば、さんご。きれいでしょう。沖縄なんかにたくさんあります。珊瑚の中に、こんなにいろいろな色があるでしょう。ところが、温暖化がむ進と、さんごのなかに住んでいる藻がどんどんでってて、さんごが白くなる。これがどんどん進んでいます。日本から東南アジアにかけて、どんどん白くなって、このきれいな色がなくなってきています。
これは、じゅごん。じゅごん、知ってますか?昔は、陸で生きていた。鳥羽の水族館にいるので、私は会いにいってきました。これはおもしろいですよ。補乳類です。私たちと同じように肺で息をしています。寝るときは水槽の底にいます。水槽の底で寝ていて、5分たつと上にいって息をして、沈んで寝て、また5ふんたつとすっと上にいって息をしています。そんなことしていたら夜寝られる?5分ごとに寝られないよね。それで水族館のおじさんに聞いてみたの「じゅごんは寝ているのですか?」って、じゅごんの場合は寝るほうの頭はこちらからこっち、息をするほうの頭はこちらからこっちなんですって、だからじゅごんは5分ごとに上がってきても、みなさんが夜ねるようにちゃんと寝ているのです。そのじゅごんも今は沖縄の沖にほとんどいなくなりました。なぜかというと、じゅごんは草を食べているのです。牛のように昔は陸で草を食べていて、その水草が沖縄でなくなって、じゅごんは本当に数匹しかいなくなってしまった。ほとんどいなくなってしまいました。まだフィリピンのほうに行くといます。
 これは鴨です。鴨は昔このへんまで来ていた。でも、みなさんはおそらく鴨なんてみたことないのではと思います。鴨は羽を広げると1m以上、すごく大きなのです。一日に20km近く飛んで、シベリアに帰っていって、こどもを産んで、また冬になると日本にやってくる鴨が、かつては関東までやってきた。いなくなった理由のひとつは、お米はたんぼへ行って食べないとならないお米がなくなってしまった。開発が進んで田んぼがなくなって関東にこなくなったと思っていました。ところが、最近は秋田や山形県に来ていた鴨がだんだん来なくなった。北海道くらいまでしかこなくなった。鴨はこうして南、朝鮮半島、中国まで行く渡り鳥なのだが、渡り鳥の基地がいまや南まで来なくなってしまった。鴨の研究者にいわせると、シベリアが寒すぎて生きていけなくなる、それで暖かいところにすーと来て暖かいところで過して、またシベリア、ロシアのシベリアが暖かくなるころに戻っていく。だから、温度によって鴨は動きます。これはだんだん越冬するために日本に来るところがどんどん北に動いてしまっています。
これが鴨です。大きいでしょう。鶴とか鴨は大きい鳥です。大変野生の強い鳥で、一本足で水の上に寝るのです。昔だったら、おおかみとかいろんなのが襲ってきたでしょう。それでおおかみが襲ってくると水が動くでしょう、それで襲ってきたときがわかる。陸で寝ると動物にやられるから、鴨も鶴も水の中にいます。
 これが鴨です。仙台に近いイズマというところで、朝になるといっせいに飛び立ちます。たんぼにいってたいへんくいしんぼうなたくさん食べる鳥です。
 46億年前、地球が生まれたとき、こういうふうになっていた。真っ赤だったんです。私たちは生まれていないので、想像して作った絵ですが、本当に灼熱の地球でした。
それからだんだん地球が冷めてきた。冷めてきてなにが起こったか? 地球のまわりにいっぱい水蒸気が、お水だったんですね。
こういうふうに地球が冷めてきたら、地球のまわりにあった雲がどんどん雨になって降ってきた、そしてこの雨はたぶん200度くらいあったといわれています。雨ってみなさん冷たいと思うでしょう。お湯が降ってくるなんて想像できる? だけど、お湯が降ってきました。そして、この地球は水で覆われることになりました。だから、火の惑星だった地球が水惑星になりました。これが、太陽の惑星の中で、地球だけにある、とっても私は不思議なことだとおもいますが、水があった。水があったから、私たちの地球には生命が誕生しました。
ちいさなちいさな生命が、まだ灼熱の時代40億年前に誕生するのですが、この生命はさいしょは海の中だけに生きていた。ところが、こういう陸の上に出てきたのは、なんと約5億年前、いまからすごく近いところで陸の上にあがってくるのですが、どうして陸の上にあがれるようになったかというと、最初、地球のまわりに酸素はありませんでした。私たちは酸素、空気を吸って生きているでしょう。ところが、そのちいさいミクロの世界の生き物たちが光合成をして酸素が地球のまわりにできるのになんと30億年かかって、やっと太陽からの紫外線で微生物は死んでしまいますが、やっと守られるようになった。それで、わかめのような海草が植物としてやっと陸にあがってきた。わかめは芯がないでしょう。植物にとって一番難しかったのは、どうやって立つかということだったみたいと植物の先生が言っていました。植物が立って、地球を覆いました。それから何年も何年もたって、6500万年前、これはみなさんのほうが詳しいかもしれない。恐竜の時代。それから、恐竜はどんどん大きくなって50トンもある恐竜がいました。いまはアフリカ像でも3トンしかないのに、おおきな恐竜がでてきた。それから、地球はだんだん寒くなってきた。そして、恐竜がいなくなりました。どうしていなくなったのか、はっきりはわかっていないけれど千年くらいかかって、だんだん恐竜はいなくなりました。そして、火のように熱かった時代から、だんだん海の中の生物がでてきて、そして恐竜の時代があって、それからこういう絵がのこっていて、最後に人間はほんの最近になってこの地球の上にでてきたわけです。でてきたというか進化してきた。そして、そういう難しいことですが、生物多様性とかいてあるでしょう、これはいろんなものがあるということなの、みんな違う顔をしているよね、お洋服もみんな違うよね。本当に同じだったら、多様性じゃないよね。ひとりひとりみんな違う、性質も違う、好みも違うし、顔も違う、たくさん違うものがある。そしてどんどんこの地球が今のように気候が安定したときに、どんどんいろんな種類が出てきました。木をみたって、ここはお茶の木がいっぱいあるけど、お茶の木だけでなく、いろんな種類の木があり、草があり、鳥がいて、イヌの種類だっていっぱいありますね、そういうふうにどんどんいろんなたくさんの種類が、この地球の上に動物も植物も昆虫もバクテリアなんかもたくさんの種類があるということはとても豊かな自然です。ところが、この温暖化がすすんでいくともう、ひとつの種類の木がだめになる、あるいはひとつの種類の動物が絶滅してしまう(完全にいなくなることですが)、かつて恐竜の時代は千年に1種くらい消えただろうといわれています。でも、いま日本では、野生の植物の6分の一が消えてしまう、絶滅してしまう可能性があるといわれています。私たちはあまりきがつかないけれども、こんなに豊かな緑があるけれど、どんどんいっぱいの種類が減る方向にいっている。温暖化が進むとそういった循環が、いろんなみんな動物だとか植物だとか餌を食べながら生きている、ぐるっとまわって水になって、雨になって、そしてプランクトンになったり、それを魚がたべて、私たちもその魚たべているよね、そいった循環がひとつ消えると、ひとつだけじゃなく、それに関係あるいくつもの種が私たちが知らないうちに消えていっている。おそらく3000万くらいの種がこの地球上にあるだろうといわれているけれども、学者とか偉い先生たちはこれはないとわかっているのは140万種しかいない。だから、わたしたちが知らないあいだにたくさんの種がなくなっていっている。そして、たとえば氷が解けてくるとすると、北極に住む熊たちは、住むところが減ってしまうので、熊も減ってしまう。それから、北極は氷は減るけれど、海は広くなる。ラッコ知っていますか? ラッコはたくさん住むところが減るかもしれない。じゃ、いったい亀はどうなるかは?亀崎先生の話を聞きましょう。
 地球の長い歴史の中で、ゆっくりゆっくり地球が冷めて、豊かな自然がでてきて、あるところで私たち人間がでてきて、だけど人間がやってきた文明、産業革命というのがありました。私たちが道具をもって、文明的に生きられるような、便利に生きられるようなそいういった方法をおぼえました。しかし、今度はそれが自分たちが生きていることで地球を壊すようなことになってきました。もう、みなさんはこどもたちが大人になったときに、困るでしょう。海の砂がなくなってしまったなんて、やはり海で遊びたいし、亀にも会いたいでしょう、そのときには私たち大人がそういったふうにならないようにしなければならない。そして、こどもたちもやはりものを大事にして、捨てたりなんかしない、そして、できるだけ資源を大事にしていく生活することがこれから大事です。そして、そのために日本の中でも政治家がいっしょうけんめいやっているし、世界の中でも約束ごとをつくろうと今努力しています。だけど、最初に話をしたように大人たちはとっても勝手で、なかなかその約束を作ろうとしません。京都でもケンカばかりしていました。嫌だ嫌だ、日本が減らせばいいではないか。だけど、みなさん、私たちの時代、私は必ずあなたたちより先に死んでしまう、あなたたちは79歳までいきれば、もう温度があがったときに生きているかもしれない。あなたたちは自分たちが生きる地球を本当に生きやすくしなかったら住みにくくなってしまう。だから、おとうさんやおかあさんたちも毎日の生活の中で、電気はできるだけ倹約しようというし、乗らなくていい車は乗らないで、そうやってどうやって今日の話が役に立つか知らないけれど、どうやって温暖化を防ぐかというのをお勉強して下さいね。そして、きれいで、うつくしい、すみやすい町、日本と世界にしたら、私たちも、あなたたちも、生きやすいけれど、遠くからやってくる亀たちにもたぶん生きやすいだろうおもいます。だから、亀さんたちにとってどんなに生きやすいかは、亀崎先生に聞くことにしましょう。どうもありがとうございました。
 
司会:どうもありがとうございました。非常にやさしいことばで地球の温暖化のお話をしてくださいました。
時間が短かったので、またディスカッションのときに先生にお話していただきたいと思います。
それでは、もうひとかた亀崎直樹先生です。よろしくお願いします。
亀崎先生は、京都大学人間科学部の博士です。今日はウミガメのついてみさなさんとゲームをいっしょにやってくれるそうです。カメハメハでは、知的なプレゼントも用意していますので、どうぞご清聴おねがいします。
 
亀崎:みなさん、こんにちは。亀崎です。昔、わたしのこどものころはカメがいっぱいいました。なぜ、私がカメの研究をしているかというと、君たちはカメみたいといわれたことがないですか? 私は昔から足が遅くてカメみたいだと、いじめられてきました。あまりカメがすきじゃなかた。だが、なんとなくカメの研究をはじめて21年になります。いま堂本さんの話にあったように、ここの数十年で地球の環境がすごく変わりました。例えば、この1週間私のところに届いた話で、沖縄、今年は10月の水温が平均より1.5度高かったです。青ウミガメが8月に産卵を終わったのですが、いまだにふかしない、いったいどうしたんだろうという話とか、北海道で3日まえ、オサカメが2頭死んでしまいました。オサカメがこんなに寒くなったのにまだ北にいる。今年はいったいどうしたんだろう。という話などたくさん届いています。やはり自然関連を職業とする人間にはさきほどのような話は普通でないです。
こういう環境の変化は、何をもたらしているかというと、これからぼくらは考えていかなければならないです。とくにこどもたち、おじさんはいいです、ああいうかたたちはあと70年も生きないです。君たちには、問題です。そのためにも今日は海のカメの話をして、ウミガメについて体験をしていただきます。
 絵や写真をみながらお話をしていきましょう。
このカメは何カメかしっていますか? そうです赤ウミガメです。赤ウミガメの特徴って何かわかるかな?こども「赤ウミガメはあたまがおおきい」
さすがですね、にくいですね。そのとおりです。どうして頭がおおきいか?
わからない?ヒント、この頭のなかには、だいたい人間は頭の中には脳みそとかつまっていると思うが、
ところが、カメは違う。カメの頭のなかのほとんどは筋肉。あごを締める筋肉。だからなんで赤ウミガメが頭がおおきいか考えられる?
こども:「硬いものを食べるから」
そのとおり、硬いものを食べるから彼らは力が強くなければならない。だから、でかい頭があります。
しかもこの体かっこいいでしょう。私は亀崎でノロカメとかいわれましたが、海の中で、このウミガメはものすごく早いです。ものすごくいいかっこをしています。ウミガメというのは世界中に7種います。その7種の甲らのかたちはよく似ています。頭が違ったり、手が違っていろいろな種がいるのですが、このこうらは水の中で動くための絶対的に完璧な形をしています。
 ちなみにこの赤ガメはみんながみるものとはちょっと違います。何が違うかというとしっぽがはえていますね。このしっぽの中にウミガメのオチンチンが隠されています。オチンチンが隠されているということは、このカメは男の子、オスです。今日はカメのことを考えながら、いろいろ考えていこうと思います。
これはやはり赤ウミガメです。いつもですね、このカメは何歳くらいですかと聞かれますが、わかりません。でも、20年カメをみていると、だいたい、若いか年をとっているかはわかります。このカメは若いほうです。ここにフジツボがついています。フジツボがついているカメはいがいと年寄りだと言う人がいますが、このフジツボが重要なんです。だいたい3年くらいです。このフジツボがついているのが、あんまり年寄りではいない。
いま産卵しています。5月の下旬くらいに日本で産卵して、だいたい8月のはじめくらいに生まれます。
この赤ウミガメが産卵した後、どうなるか気になりますね。むかしの人はあいつは竜宮城に帰るにちがいないと思っていたのです。気になるので、カメに印をつけて、どこにいったか調べます。ヤクシマではなしたのは、こういうふうにいきますね、紀伊半島ではなしはやつは、こういって、静岡ではなしたのはこういって、みんなは西側へ向かって、冬になると東シナ海にいるらしい。どうも赤ウミガメは産卵がすむと東シナ海やフィリピンまで行きます。ベトナムまでも行ったりします。どうやら卵を産み終えると、中国の沖とか、このようにただよっていくとわかります。
 みなさん、ウミガメのたまごみたことあるでしょう?
「はい、あります」
さすがだな。一回にどれくらい産むか知っている人?
「はい、一度に100こから200個です。」
その通りです。一年に何個産むと思いますか?
「しりません」
 
一年には、だいたい3回くらい。では計算問題、一度に100個から200個だとすると一年では?
「はい、300個から600個です」
さすが天才少年。300から600個。そうしたら、ウミガメは一生の間に5回たまごを産みます。年に3回産むの、それの5回くるわけ。そうするとたまごいくつになる?
「1000個から500個」
300を5回産むのだから3x5=15で1500個だろう。
「1500個です」
1500個から3000個を一生の間に産む。そうしたら、カメがたまごを産むには、夫婦、2人いるんだよ。オスとメス。では、カメのメスは1500から3000の卵を産むんだ。たまごを産むには、おとうさんとおかあさんの2人必要。では、1500から3000の卵を産むには何匹のカメがいれば、卵の数は安定するでしょう?
「2人」
そのとおり。その考えがたにもとずくと、今カメは減っています。そうすると1500から3000の卵のうちの多分1匹はおかあさん。大変でしょう。ほとんどの子は、おとうさんやおかあさんとしゃべれない。ほとんど生き残らない。カメはなかなか苦しい人生を歩んでいる。 それを今日は体験してもらおう、どう死ぬのか。これは私が考えました。ウミガメ追跡人生劇場。もうしわけないけどみんなどんどん死んでもらいます。トランプを使ってきみらの運命を決めていきます。そして、最後に生き残るのは誰かというゲームです。みなさん立って、いすをどかしてください。 10人くらいのグループをつくってください。そのなかで責任者をきめてください。カードをグループにひとつずつ渡します。いきわたりましたか?
いまみなさんは、かめのたまごです。これからいろんな環境がまちうけています。そのなかで生き残った人がとりあえず産卵ができるという話です。自分がどの人からトランプをとるかきまっていますね。一枚ずつトランプをひいてください。そして、そのカードをもっていてください。そのカードでなにがきまるかというと、あなたがたは砂の中に自然の状態でおいておかれる、もしくはどっかのおじさんが来てとられるか、どっちか決まります。どっちのコースにいくか、堂本議員に決めてもらいます。ハートとスペードを持っている人は、カメの卵が自然の状態で砂の中にいます。ダイヤとクローバーを持った人たちは、どっかにたまごが移されてしまいました。ハートとスペードのひとはこちらに移動して下さい。ダイヤとクローバーの人はこちら。
このトランプを近くにいるトランプをもっている人に返して下さい。今からこっちの卵は自然のままにおいておかれる卵です。自然のたまごは台風がくると流されてしまいます。2分の一から3分の一、4分の一くらいでしょうか。それから、カニとかにたべられてしますうたまごがいっぱいいます。そんなふうに死ぬ方を議員に決めていただきましょう。みなさんカードを一枚ずつとってください。発表します、台風で流されてしまう人、6番、1番、11番のひとは退席して下さい。生き残っている人?
「はーい」
これから、カニに食べられるんだぞう。カニに食べられる人は2番、ほかに食べられる人は13番。
またカードを返して下さい。
 こんどはおじさんにたまごを移動させてもらったひと。おじさんがたまごをかえしてくれるので、とりあえず生まれました。ところが、おじさんがこどもに「海に返してあげましょうね。」とウミガメを渡した。ところが、ウミガメ、きみはウミガメを海に返したことある?
「ひるまに返した」
自然では夜、海に帰るウミガメが、昼帰るとどういうことがまちうけているか、昼間活動する魚に食べられたり、夜は鳥が飛んでいないけど、鳥が飛んできて海にかえれなくなっちゃった。さあ残る人はだれでしょう? まず、昼間活動する魚に食べられる人は12番あと1番。鳥に食べられる人、11番、海に行けなくて干からびちゃう人3番と4番。生き残った人いますか?いますね。
海の中に行きました。沖に行きました。
 
海でなく道路にいって車にひかれてしまったカメ。5,6番の人。ひかれました。こんどはサメに食べられてしまう。寒い海に流されて死んでしまう。
サメに食べられ人7,5,8番。寒い海に流される人5,3番。退場してください。
ウンチがでなくて死んだ人9,5,11番。
まだ生き残っている人。
みんな15年間生きることができました。定置網にひっかかって死んでしまった人1番。エビをとるさし網に、ひっかかって死んでしまった人4、10番。はえなわ、まぐろをとる網にひっかかったひと4番。11番の人は船に頭をぶつけて死んでしまいした。
大人まで生き残ったとしましょう。産卵ができるようになりました。みんなメスだとしましょう。いままで食べたもののなかにダイオキシンとか含まれていて、それでたまごがつくれない。温暖化でメスだけ、あたたかいとメスしかできない。オスがいない。
いままで食べたものの中に有害物質があってたまごを作れない人5番。ダイヤとハートはオスに出会えませんでした。
最後の試練です。海岸につきました。こどもたちが花火をしていて、海岸にあがっていけません。車がいていけません。生き残る人は何人いるでしょう。栄養が足りなくてたまごが弱くてだめです。14番。こどもが花火をしていてこわくて上陸できない。6番、9番。車が走ってきておそろしくて上陸できない。5番。
君たちは生き残り、産卵ができました。
堂本:はい生き残りました。ますださん、ふじたくん、すずきさん。3名残りました。
亀崎:君たちはなんで死んだかおぼえていますか。
子:「こうらをたべられちゃった。」「車にはねられた。」
亀崎:きょうの話はこのへんでおわります。ありがとうございました。
 
司会:みんな、なかなかしぶといウミガメでした。今日のためにガールスカウトのひとたちが準備してくれたみなさんお楽しみの寸劇をごらんください。題して「アイ・ラブ・赤ウミガメ」です。よろしくお願いします。
 
寸劇:みなさん劇が始まる前に、手元の資料にあるガールスカウトでよく歌う歌ですが、みなさんにやってもらいます。月夜の晩とかいたページのところみてください。
寸劇の中でこの歌がでてきますので、そのときはいっしょに歌ってください。少し練習しましょう。2番目はガールスカートがウミガメさんのためにつくりました。「やみよの晩、相良の海、突然出てきたウミガメさん、たまごを産みにやってきた、ここがいい、ここがいい。。。。」。 最後は、「子ガメさん、大きくなって相良の海にもどっておいで」と、大きな声でみんなでいってください。会場のみなさんいっしょにお願いします。
ただいまから、ガールスカウト静岡県第76団と今日共演してくれるボーイスカウト相良1団ビーバーサイドのみんなさんといまここの会場のみなさんと「アイ・ラブ・赤ウミガメ」の寸劇をはじめたいと思います。
 
ここは相良海岸です。季節は6月。相良海岸は5月3,4,5日相良のたこまつりでにぎわいます。海水があたたかくなってくる頃から、町内の海岸のいろいろなところで海岸清掃が行われます。
6月のある日曜日、ガールスカウトで海岸のゴミ拾いをしています。
「今日も相良海岸のお掃除をしましょう。」
「ねえ、なんで海岸をきれいにするの?」
「相良にはね、海水浴にたくさんの家族が来てくれるからですよ。そして、赤ウミガメがたまごを産みにくるから、海岸をきれいにしておかなくてはね。」
「それでは、どんなゴミが拾えたかみんなみせてくれる?」
「みなさんこんなにゴミがおちていました。これはどこからながれてきたのかね。ビニールの袋がありました。これは、赤ウミガメさんがくらげと間違えて食べてしまうんですよ。それで、ウミガメさんが死んじゃうんだって。袋は落とさないようにしようね。いっぱいごみがおちてたね。きれいになってよかったね。ねえねえ、おとうさんやおにいさんが海岸でビールを飲んで楽しんだ後は家へもってかえってほしいよね、こういうビールの空缶なんか。」
「そうですね。」
「おじいさん。」
 
「わたしは浦島太郎です。昔、カメに連れられて竜宮城にいたんじゃ。とてもたのしい思いをしたから、今日はみんなといっしょにゴミ拾いのお手伝いをさせてもらう。むかしの浜辺はきれいだったのにな。よごれてきたな。」
「鶴は千年。カメは万年といいますけど、浦島太郎のおじいちゃんも御長寿でよかったですね。」
「ありがとう」
「きょうは、浦島太郎さんに特別出演してもらいました。おじいちゃんありがとうございました。」
「あっ、むこうからボーイスカウトのビーバー隊の人が来るよ。声かけてみようよ。」
「ゴミいっぱいあったね。」
「でも、きれいになったね。」
「ビーバーさんたちはどこの海岸をお掃除してきたの?」
「相良の海岸。」
「相良の海岸とってもきれいになったね。これで赤ウミガメさんもとってもよろこぶよ。では、ゴミをかたずけて、ゲームとソングを楽しみましょう。ゴミをふくろに入れてみましょう。会場のみなさんもガールスカウトとボーイスカウトのみなさんといっしょに歌ってください。」
(歌)
「それでは、今日の海岸清掃を終わります。みなさん、ごくろうさまでした。さようなら。」
それから数日たちました。7月には相良海岸は海開きをします。そして、相良海岸は片浜海岸からずっと海水浴のお客さんでにぎわうようになります。それから、数日たったある夜、波の音しかきこえない静かな夜、人々が寝静まった静かな海岸に、人影のないのをたしかめながら、赤ウミガメのおかあさんが産卵のために上陸してきました。そして、後ろ足で穴を掘り始めましたよ。では、海岸のみなさん赤ウミガメのおかあさんが無事産卵できるように闇夜の晩を歌って下さい。」
 
歌「闇夜の晩、相良の海岸、突然出てきたウミガメさん、卵を産みにやってきた、ここがいい、ここがいいときめました。」
たまごを60個お母さんがカメが産んでくれました。
歌「闇夜の晩、相良の海岸、突然出てきたウミガメさん、たまごを産みにやってきた、ポトリ、ポトリ、と産みました」
ピンポンたまのようなかわいいたまごが、120個産みだされました。
おかあさんカメはたまごを産み終わると、後ろ足で砂をかけだしました。
そして、かけおわるとおかあさんカメは海へ帰っていきました。おかあさんカメありがとう、おつかれさま。
相良の海岸も8月の末になりました。海水もだんだん冷たくなってきて、海水浴客もまばらになってきました。先週台風で大荒れした海岸には、プラスチィックのゴミや流木や、川や田んぼから流れてきた草などでいっぱいになっています。そして、9月に入ったある晩のことです。産卵から60日目。ふかして甲らが4,5cmの赤ちゃんカメの誕生です。がんばれ、赤ちゃんカメさん。みんなメスカメさんみたいですね。ふかしたたまごがいよいよ旅立ちのときがきました。赤ちゃんカメは海にはいると広い太平洋にむかって泳いでいかなければなりません。だからみんな元気に泳いでいけるように応援してください。
「子カメさん、大きくなって、相良の海岸にもどっておいで。」
波でひっくりかえったりするカメさんもいるし、ひとりで泳いでいったカメさんもいます。
みんな泳いでいってしまいました。また、いつもの静かな海になりました。
これで、劇は終わりになりました。出演したみなさん、ステージにならびましょう。
(拍手)
これで、相良町のボーイとガールの寸劇を終わります。ありがとうございました。
 
司会:どうもガールスカウトのみなさんありがとうございました。それでは、残り時間が少なくなってしまいましたが、会場のみなさんといっしょに考えながら進めていきたいと思います。まず、今日は堂本先生に地球温暖化についてお話をしていただきました。地球の温暖化はどのくらい進んだのかというお話で、先生の図に書いてあったのにも、非常にわかりやすかったと思いました。2100年を迎えるのに2度近く温度が上昇してしまうという話がありました。海流の変化とか海流にとくに出るというはなしだったとおもいますけど、まず、こどもたちに質問をしたいと思います。いまの堂本先生の話を聞いて温暖化しちゃいけないとわかったこと。京都会議の話もありましが、温暖化を止めるのに僕たちはどうしたらいいのか?、なにか意見があったらきいてみたいと思います。今日はパネラーで中学生のこどもたちも来ていますので、中学生のほうからなにかありますか。
 
中a:フロンガスをつかわないようにすれば。
 
司会:フロンガスって、どんなものかわかりますか?先生、フロンガスっていったいどんなものでしょうか?
 
堂:私も専門家でないので上手に説明できるかわかりませんが、フロンガスは例えば電気冷蔵庫に使われています。また、スプレーなどにも使われています。プロンガスが問題なのは、オゾン層があるので紫外線を防いで、私たちは海でなく陸の上に住んでいられるのですが、フロンガスがオゾン層に穴をあけてしまいます。フロンガスを使っちゃいけないと国際的な約束ができました。代わりに代替えフロンができたのですが、それは温暖化に影響するということで、とても問題があります。フロンも使ってはいけないし、フロンに近い物質もあまり使うのは望ましくないと京都で言われ始めたので、本当に冷蔵庫やなにかは古いもの捨てるときに、フロンをぬいて捨てるほうがいい、そういうふうにやっている自治体もあります。やはりフロンもつかわないように、ただまだかわりの物質も発明されていないというのが、問題だと思います。専門家ではないので、物質の内容についてはあまり詳しく説明できません。」
 
司会:ありがとうございました。さきほどの話の中に、亀崎先生からもぼくたちの年代は2100年までは生きられないけれど、小学校のみんなが元気に75歳まで生きれば生きられるけど、小学校のこどもたちから温暖化を止めるためにどうしたらよいかなにか意見があるかた?
 
小:僕は工場の排気ガスをを止めたらいいと思います。
  フロンガスがでてくるものにはどういったものがあるんですか?
 
堂本:フロンガスは人工的なものです。自然間にあるものでなく、冷蔵庫やスプレーを使うときに有効だと作られた化学物質です。化学的に作らなければでてこない。今いった冷蔵庫や車のクーラーに使われている、出てくるのでなく製品をつくるために使われている。最初はとても便利なものが発明されたとどんどん使ったが、気が付いたら南極の上のオゾン層に穴があいていて、それがフロンが原因だとわかった。それで、今使ったらいけないことになった。なにが知りたいですか?どっからでてくるかというのはどうやてつくるかということですか?何と何を混ぜて作るということはよく知らないのです。
 
亀崎:きみたちがたぶん知りたいのは、フロンってなんで悪いのか、オゾン層が破壊されるのはなんで悪いのかかな。中学生ならわかるかな。
 
中:オゾン層が破壊されると人間にも動物にも直接悪い影響があるから。
 
 
亀崎:そうですね。紫外線、日焼けする紫外線というのが、ガンが増えたりと怖いことがたくさん起こるというそういうことです。
 
司会:フロンは人工的につくられたもの。自然界にないものなんですね。ほかに、たとえば工場の排気ガスを出さないようにという意見があったけど、自分たちひとりひとりぼくだったらこんなことができるよというものない?自分の力の中にできるもの、思いつかない?
 
中c:ぼくは自分でもそうだが、町内の近いところでも車で行ってもらったりするので、車からは排気ガスがでて自然に悪いので、自転車を使うとかそういうことをしていきたいと思います。
 
司会:ありがとう。近くに行くときは自転車に乗っていくとか、元気になるし、とってもいいね。
 
中d:ぼくも地球温暖化について調べたのですが、とくに問題になっているのは、CO2を出さないように、電気を使った車を使うというのもあるし、なるべくゴミをださないように、ゴミを燃やすとCO2がでるので、スーパーなどの袋は使わないで、なるべく自分の家から袋をもってきて使うようにしたいです。
 
司会:ありがとう。最近も、おかあさんがたがいますよね。昔みたいに買い物かごをもっていく、なるべく余分な包装をしないで買ってくるということですね。ほかに
 
中e:車からでてくるCO2を削減することが、今一番できることだと思います。
 
司会:もうひとり、
 
中f:もう夏は過ぎましたが、夏に使う冷房などを極力さける必要があると思います。冷房は快適だけど、体によくないので、なるべく使わないほうがいいと思います。
 
司会:ありがとう。堂本先生にお聞きしたいのですが、ひとつは工場とか産業で利用するものを少なくしたほうがいいのではという意見と、自分たちでできる車を自転車にするとか個人でできることもありますが、工場とか産業的な規制をすることで本当にCO2を削減することができるのでしょうか?
 
堂本:日本は非常に工場で技術を開発して、きれいにすることはやっている国です。いまどこで減らせるかというと輸送のところです。大きなトラックでどんどん走っていますが、列車に切り替えるとか、船で輸送するとか輸送の手段を変えることでCO2を削減する。もうひとつは私たちの日常生活です。電気の発電のところで、CO2がでてくるので、身近なところでは、無駄な電気を使わない。私がいつも思うのは、飛行機で東京に降りてくるときはネオンで真っ赤、しかし、ヨーロッパの街はずっとくらいのです。例えば、階段に上るところでも、自分でスイッチで消さなくても、2分くらいで自動的に消えていく、廊下とかトイレとかほとんどそうです。日本はずーとつけっぱなしです。まめに消すことが大事です。私のところでもアメリカ人が働いているが、彼女たちは大学生のときから本当に無駄をしない。勉強はよくするが、本もよく買うが、大学に入ってから出るまで一足しか靴を買わなかった。そのぐらいものをだいじにして使っている。なぜならこういったものも熱帯林からつくるので、非常に日本は輸入しています。CO2の排出もありますが、木というのはCO2を吸収する大事な植物なんです。そういったものを無駄に使っているということは、資源を無駄にしない、エネルギーを無駄にしないということがとても大事だと思います。今日本の国で、地球環境温暖化対策というのがあるが、それを読むとエネルギー供給をそこでもって中心としたCO2の排出の対策がひとつ大きいのです。どうやってエネルギーをたくさん使わないようにするか。このままでいくと2000何年までに発電所を20くらい作らないとならないという計画があるが、電気を使いほうだい使うのでなくて、どうやって節約するかという時代になったと思います。車にしてもできるだけ、車を開発するのも必要かもしれませんが、電気自動車スピードが遅いかもしれない、あるいは天然ガスの自動車でもそのための供給するところを作らなければいけない。できるだけ、何人かで乗ってどこかにいくとか、バスを使うとか、自転車を使うとか、自転車専用道路を作るとか、国の方針がとっても大事だと思います。エネルギーをできるだけ使わない。工業用の過程でどうやってCO2をおさえるかということ、そしてもっと大事なことはゴミです。ゴミを燃やしてもCO2がです。一番家庭の中でできること、お母さんたちもそう思うと思いますが、買い物から帰ってくるとたくさんゴミが出るではないですか、それがプラスティックやなにかのことが多く、土に帰るものでなく、ダイオキシンがでるようなものが山とでる。アメリカではすでに不買運動なども起こっています。できるだけ消費者が、「私袋をもってきました」といい、昔おとうふなんかも入れものをもって買いに行きました。今は、いちいちプラスティックの入れものにはいってます。それをどうやって、これから減らすか、日本は狭い国ですからこのままゴミが出つづけたら大変なことになります。だから、ゴミを出さない。木材の資源をものすごく大事にする。木で作るものをとても大事にする。紙を含めて。そして、フロンの問題、第3のガスを考えなくてはいけない。そして、植林など木を大事にして、CO2の吸収元を大事にする。そういったことを国際協力でやっていきましょう。ライフスタイルの見直し。自転車の利用とか自治体の中でゴミを出さない、エネルギーを無駄にしない、ひとりひとりがそれをやると地球上の60億人がやると温暖化はずっと減らせるだろうと思います。
 
司会:ありがとうございました。先生の話を聞いていると、単に工業化の中で出てきたCO2を減らすのだけでなく、これからは自分たちの生活を見直していかなければという話だったと思います。
もうひとつ、今日はカメのことについてお話いただきました。カメのことは今日運命ゲームやってみなさんわかった通り、少なくなってくるんですね。いろんな理由があって。エサのかわりにビニールを食べちゃったとか、メスに会えなかったとか、いろんな理由があって、少なくなってしまう。亀崎先生にお聞きしたいのですが、実際どれくらい少なくなっているのか、わかればおしえてください。
 
亀崎:カメは少なくなっています。例えば、日本でも沿岸で産卵するアカウミガメ、1990年を100とするといまは40くらいになっています。この10年間で6割減っています。アカウミガメに関しては、日本が唯一の産卵地ですから、日本で産卵するカメがいなくなるということは、北太平洋のカメが絶滅することになります。それは非常に深刻なことです。小笠原のアオウミガメですが、どうやら小笠原ではアオウミガメを食べています。明治13年から何頭とれたかというデーターが残っていますが、明治時代は一年間に
2000頭くらいのアオウミガメがとれました。ところが、最近は100頭くらい。この5年くらい少し産卵は増えていますが、それでもやはり昔の20分の一になっています。マレーシアにはオカガメというのが、産卵に来るのですが、30年くらい前には年間2000頭くらいあがっていたが、今年は10頭割るといいいます。多分、マレーシアのオカガメは絶滅するだろうといわれています。以上の話からカメもなかなか大変な状況にあるということがおわかりいただけると思いますが、その原因がどこにあるかというと、日本ではあまり声を大にして叫ばれていませんが、漁業で間違えて網にひかかってしまうことです。もちろん今日のゲームの中にでてきたようにほかにいろいろな要因がありますが。例えば、アメリカの東海岸、フロリダのほうですが、1992年から95年までの4年間、アカウミガメが1500頭から2000頭が、はえ縄に引っ掛かったということがわかっています。これだけ、漁業をいたるところでしている、そこで、多分そこで死んでいるカメが想像ができないくらい多いでしょう。日本近海、沿岸でもたくさんのカメの死体がうちあがります。よくプラスチィックなどのゴミのせいにされていますが、おおむねうそで、漁業の網にひっかかって死んでいるのに間違いないと思います。
 
司会:本当にそんなに少なくなっているのかなという感じがしますが、では、今日のパネラーのみなさんに聞いてみたいと思います。さっき、堂本さんの話の中に、生物多様性というのがありましたが、生物多様性とはいろいろなものが生きているということだよとありましたが、今日のシンポジウムのテーマである、ウミガメをなぜ守らなくてはいけないか、パネラーのこどもたちはどういうふうに考えているか聞いてみたいと思います。片浜小学校の環境委員会にはいっている畑君。
 
かぜ:ぼくはウミガメがいなくなると寂しいから、ウミガメを守っていけばいいと思います。
 
司会:ありがとう。では、もういひとり片浜小学校の環境委員会の池村君。
 
池上:ぼくは、大介くんと同じで片浜海岸からアカウミガメが消えるのがとても寂しいです。
 
司会:地頭方から3人来ています。まず水野君。
 
水野:ぼくたちの浜にはウミガメは上陸して来ないけど、近くにウミガメが上陸してくる場所があるので、そこからウミガメが消えるのは寂しいです。
 
司会:もうひとり山本さん。
 
ヤマモト:私も、近くにいるウミガメがいなくなると寂しいと思います。
 
司会:みんな、ウミガメがかわいいから、いなくなると寂しいということですね。相良小学校から星君。
 
星:私は相良海岸にうみがめが来てくれるのはとてもうれしいので、これからもウミガメをなくさないようにと思っています。ウミガメが絶滅してしまうと悲しいからです。
 
司会:丹波さん
 
丹波:私も相良海岸にウミガメがいなくなるととっても寂しいからです。
 
司会:みんなウミガメ大好きね。曽根さん。
 
曽根:私も相良海岸ではないけど、近くにウミガメがいなくなると寂しいです。
 
司会:みんなカメが大好きですね。カメってへんなかっこうしているけど、かわいいしね。
では、今日の2人の先生に、カメをなぜ守らなくてはいけないか、どういうふうに考えているか聞いてみます。
 
堂本:みなさん、カメがいなくなると寂しいといったでしょう。カメ以外にもたくさんいなくなってしまう植物や昆虫がたくさんいます。カメがいなくなってしまうのは、カメはとっても目立つからとみんながいっしょうけんめい世話をしているからそう思うと思います。でも、ここにある多様性って小学生のみなさんにわかりにくいと思うけど、カメがいなくなるということは他の動物や植物もいなくなる。色もそうですね、ひとつの色だけではつまらない。みんな違う顔している、個性が違うでしょう。動物や植物もたくさんのいろいろな違ったものがあるものが豊かさにつながると思います。カメだけでなくて、他の動物や虫や植物や全部のものが大事、そしてそういう人間がいっしょに住んでいくことが大事、なぜなら私たちも動物なのです。動物のほかに人間がいるのでなくて、人間は補乳類のひとつ。ほかの動物たちがカメを含めて消えていくということは私たち人間も危なくなってくるということです。だから、私たちはみなさんもみんな元気に21世紀はもうすぐですね、みんなが私たちの年くらいあと50、60年も生きていく間、いまと同じくらい豊かな相良の海や町があるためには、人だけが勝手なことをしていたのではダメです。人に都合がいいことだけしていたらさっきのゲームにあるように動物たちが辛くなる。さっきのゲームにいっぱいでてきたプラスティックのゴミだとか、いろいろなビニールの袋をカメが食べて死んでしまうのなら、人間は絶対カメがいるところにゴミなどおいてはいけない。だから、おかないようにするにはどうするかということを、もっともっと責任をもって意識しないと、結局は自分たちがつらいことにいずれなります。人間と自然とがどうやって本当に生きていくのか、大人のことばでは共生といいますが、共に生きていくためには人間がわがままをするのは20世紀でやめて、どうやって地球にも自然にも害をあたえないかいっぱい勉強して、そして、おじさんはもうダメだと亀崎さんがいいましたが、こどもたちが率先して新しい町を作っていってください。どうもありがとう。
 
亀崎:カメはなぜ守らなくてはいけないのか? この質問はですね。私がカメの研究をはじめた20年前しょっちゅう聞かれました。私はなかなか答えられなかった。私はカメのことをやっていたおかげで、世界に行かしてもらって、そこで聞く話はみんな違う話です。あるところでは、カメにこどもが助けられたはなし、あるところではカメのたまごをとって食べたおじさんの話を聞いたり、いろんな話があります。それを私がいろんなところで話すと楽しい。なにが楽しいというといろんなところで変化がある。日本人というのはこの数年、数十年変化がないというところにきて、海も護岸工事でかためてそれで楽しくないんだな。あなたがたは、楽しい日本を、世界を、地球を考えていってください。僕がお願いしたいのは、もっと勉強して欲しい。カメがいなくなるというこは、ものすごく複雑でむずかしいし、それを解き明かすにはものすごく勉強しないといけないし、算数だって、英語だって、理科だって必要だし、みんなみんな必要なの、それを最近は受験勉強とか論じる大人ばっかり、だからいろんなことを勉強していろんなことを考える大人になってください。
 
司会:ありがとうございまいた。私もカメの活動をやらせてもらって、今朝起きて新聞をみていたらこういうことがかいてありました。カメの話と少し違いますが、なぜカメを守らなくてはいけないかとおなじことだと思いました。新聞に現在世界にある6000の言語のうち20?50%言語は絶滅する。ことばがなくなるということなんですね。ひとつにはコンピューター化があるんです。コンピューター化して世界のネットワーク化したときにそこで処理できない言語があるそういうことなんですけど、ことばがなくなる現象が起きている。20?50%ということは3000近くの言語がなくなってしまう。これがなくなるということは、すなわち文化がなくなるということ、みんなで勉強することばがなくなる、人間がつくりあげた文化がなくなるということでこれは大変なことになると思いました。カメを守ることということは、今日の話でいくと自然を守ことですね。自然を守ることは、地球を守ることと言語を守る話はいっしょなんだと思います。
もうひとつ開発と自然について、カメハメはウミガメの保護をしますが、いっしょに目標に開発と自然について考えるのをつくってきました。この話は会合をやるたびに話になります。堂本先生の話にも冷蔵庫を作る話がありました。冷蔵庫なくなったら困るよね、ものがくさったりして、すぐ生活に困ってしまう。そういうことがたくさんありますね。亀崎先生は漁業で間違って捕獲されてしまうということが問題だと。漁業がなくなったら魚食べられなくなるね。さて、どうしよう。そういった人間がやってきた生きていくために開発やいろんな技術を産み出してきたそれと自然を守ることはとてもむずかしい。ぼくたちはいったいどうしたらいいの?これがきょうの僕からの最後の質問になります。相良小学校の櫻井さん。
 
さくら:わかりません。
 
司会:むずかしいね。中学生ならどう思うかな?
 
中学生:すべて漁業を止めるのは、無理なので、すこしずつ削減すれば、だんだんカメがもどってくるのではないかと思います。
 
司会:少しゆずりあいをしていこうということだね。それでは、もう一人本中のさわいくん。
 
さわい:削減するとかでなくて、漁業のやりかたを変えて、カメとかに害がないようにそれでいて魚がとれる漁業を考えていくほうがよいと思います。
 
司会:鈴木君
 
鈴木:魚とか食べれなくて捨てているものを多いので、食べる分だけとっていく漁業のほうがいいと思います。あと、さきほど地球温暖化のことがありましたが、70年後にCO2で温度が上がったとして日本の海岸が全部なくなったとして、砂漠の方では森林とかでてくる可能性はないのでしょうか?
 
堂本:全部というより、砂浜の70%なんです。残るところもあります。今は予測されていますが、それはおさえなくてはならないので、70%なくなったらどうしようということです。同時に温暖化は気象を非常に激しくします。いま言われているのは、たくさん雨が降って洪水が増える、同時に砂漠、アフリカなどは雨が降らなくて砂漠化が進む、だから両方ともダメになる。雨が降っていけないところにたくさん雨が降って、今年はたいさん洪水ありましたが、一方で雨が降ってほしいところで降らなくて砂漠化が進む。両方悪いことが予測されています。温暖化のことを調べている国際機関の先生がそう報告しています。
 
司会:電気は必要ですね。でも、東海村で起きたようなことが万が一起きると大変だよね。そういったことが起きてはいけないし、電気は生活に必要だし、エネルギーがないと生きていけない。だけど、そのために温暖化が進んでいくのだけど、そのときにはゆずりあいのリズムがどうかな?少し難しいとおもうが、どうかな?
 
八木:ゆずりあいとは自然とのゆずりあい。ダムをつくるにしても、下見とかここにダムができるとどうなるかとかよく考えてやったほうがいいと思います。それと同じように、電気を作るということにもこの土地が原子力で動物がどうなるのだろうか、環境がどうなるか考えていって、なるべく自然の環境を壊さないようにして、人間のほうが地球を守るためにも配慮していくべきだと思います。
 
釜下:地球にものが増えている、日本にものが増えているので、そういうところに電気を使うと余計大量の電気が必要になって、東海村の事故みたいなのがおきやすくなるので、まず僕たちが暮らす中で、必要なものは使うが、必要ではないものは自分が我慢するようにしていきたいと思います。
 
司会:非常に短い時間の中で、むずかしい話をたくさんしたので、時間がなくなってしまいました。でも、予定した時間を30分くらいオーバーして5時になるので、最後に2人の先生にひとことコメントをしていただきたいと思います。
 
堂本:一言だけ、魚とカメのことです。前、イカの流し網を日本は国連で禁止されたのですが、それがやはりイカをとるために何十メートルという流し網を沖で使っていた。鳥とかカメとかいろいろなものがかかるので、国連で日本は使ってはいけないということになりました。私は、本当に魚を食べることはおいしい。だけど、日本の漁業は人間の都合が優先しています。魚を獲るといくらもうかるとか、あちらの船よりこちらの船のほうが多く獲れたとか競争したり、そしてそこにひっかかった鳥やカメを平気で捨ててきたので、そこの考え方を変えないとダメだと思います。人間の都合も、カメの都合も、鳥の都合もみんな考えるような発想の転換をする。いまは、ビニールの鳥やカメに見えない網を使っています、だから、ひっかかってしまう。だから逆にうんとみえる網にしたらいいのか、専門家でないからわからないが、最低、カメの都合や、鳥の都合や、こうかくされては困る魚やとり などの都合を考えた漁法を人間がやってもいいと思います。そのことにより、お魚も値段が高くなるかもしれないが、そのお金を払ってでも、カメといっしょに生きることを選んだほうがいいのではないかと思います。
 
亀崎:勉強してねという話と正直に生きたいです。日本のウミガメが漁業で海に捨てられているのは何が問題かというと、漁師さんは悪くない。それを隠そうとする風潮が世の中にある。どうしても獲れて死んでしまう。行政が獲れていない獲れていないとか、事実を隠してしまう。とくに日本はそれが多く、外国やアメリカ、オーストラリアからなんとか調査して調べてみたらと再三言われているが、それに対して何も答えていないのが現状。われわれが、日本の国を、行政も国も、われわれが正直さを持とうと、声を大にしていっていきたいです。隠しごとが多いのです。ぼくもやはり、高知に行って、ウミガメが産卵する海岸に道路をつけた。それはわかるがどうして、この道路を作るかというと、交通事故が多いというんですが、結局、そこに住む人や、建設会社の人のために道路が作られているのに、カメのせいにされている。それにたいして私はなかなか正直な議論ができなくて、やめてくださいとかいうときもあるのだが、人の生活とかかかっているからパワーがダウンして、どしても折れてしまう。なぜ議論が必要かというと、必要ない工事をせずに、そこのひとたちがどうやって食べていけるかということを考えなくてはいけなくて、なんとなくものごとが変なほうに動いているような感じがこの数年しています。わたしは正直になって正義を重んじてしっかり勉強していきたいと思います。
 
堂本:一言だけ、国会議員としていいたいのですが、国会議員は、自分の有権者の利益、たのまれたことを国会で主張する。だが、私は動物や植物の代弁者になれる国会議員が一人くらいいてもいいと、総理大臣に開発場所のうさぎのことを調べる予算をちゃんとつけてくださいといったら、年間3万円しかつかなかったんです。悲しくなって、うさぎのかわりに泣いてしまいました。でも、がんばっていたら、そこは開発しなくなりました。みなさんカメのことをしっかり考えるのだったら、国会議員にならなくてもいいとおもうが、なってもいいと思います。市会議員でも、県会議員でも。そこで本当に動物や人間が生きる環境を、安全に生きる環境を主張する大人になることが大事だと思う。学校の先生になって生徒たちにおしえてもいいし、亀崎先生が話したように、いま自分たちでしっかり勉強すること、ひとりひとりの興味をしっかりもっていまから勉強して、自分たちで生きられるそういう大人になって、カメといっしょに育ってください。カメの子たちはみんな海へ泳いでいって、大きな大きな東シナ海を泳いで帰ってきます。みなさんも本当に大きく大きく育って仲良くカメのことを話せる大人になってほしいと思います。日本人は世界の人口のたった1%です。日本人が食べている魚は世界で獲られている魚の30%、だいたい3分の一を食べています。食べすぎではと思うときもあるし、さきほど中学生が捨てている魚もあると言っていましたが、それをとるために何匹ものカメたちが網にひっかかって死んでしまうということを考えたら、捨てられませんね。そういう考え方を切り開いて勉強したらよいと思います。大人の方にもこの町がそういう特徴をもたらいいのではと、今日来てとても楽しい時間をいただいてありがとうございました。
 
司会:お二人の先生の知的な話を聞かせていただいてありがとうございました。会場のみなさんもう一度おふたりの先生に拍手をお願いします。小学生のみなさん、中学生のもみなさんもありがとうございました。最後にカメハメハ国の女王にあいさつをお願いします。
 
女王:会の代表として一言お礼のことばを述べさせていただきます。今日は土曜日の午後というのにこのように大勢のかたがたに参加していただきありがとうございました。
小中学校のパネラーのみなさん、事前研修のときよりずっとずっと勉強してくれたことがわかって、感激しました。ほんとうに素晴らしかったです。ありがとうございました。みなさんの質問をうけて、日本はもとより世界のことに関っている堂本先生、カメのことでは日本一詳しい亀崎先生のわかりやすい回答に私もとても勉強させていただきました。そして生物多様性という、みんなが違って、人間だけが一番でなくて、みんなこの世の中に生があるものは助けあっているということがよくわかって、亀崎先生がゲームをしながらカメのことをわかりやすくおしえていただいたこと、本当に勉強させていただきました。そして、ガールスカウト、ボーイスカウトのみなさん、いっぱい練習してくださり、すてきな劇をありがとうございました。相良町は自然環境に恵まれたうつくしい町ですが、環境破壊は進んできています。カメの保護活動を進めながら、望ましい自然保護の活動をこれからも進めていきたいと思います。このようなシンポジウムを開催するにあたり、ご多忙の中、遠路はるばるおでかけいただいた堂本先生、亀崎先生をはじめ、児童を派遣していただいた関係学校の先生のみなさんに熱くお礼申しあげます。会場のみなさん、もう一度、堂本先生、亀崎先生、パネラーのみなさんに盛大な拍手をお願いいたします。ありがとうございまいた。影で支えて下さったみんさんの思いを大切に、これからも活動を続けていきたいと思います。これで、カメをなぜ守らなくてはいけないかのシンポジウムを終わります。
 
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