『なぜウミガメを守らなくてはいけないの?』
− 迫り来る地球温暖化と生物多様性 −
「どうして相良にウミガメが来るの?」
こんな疑問から考えてみよう。
今、地球がおかしい! 人もおかしい!
子供達が将来のあるべき姿について熱く語るシンポジウム。
平成11年10月16日(土)午後2時〜 相良町民センター2Fホール 入場無料
第1部 基調講演
堂本暁子氏 参議院議員、IUCN(世界自然保護連合)副会長、GLOBE(地球環境国際議員連盟日本総裁)
亀崎直樹氏 京都大学人間環境学博士、日本ウミガメ協議会代表
第2部 パネルディスカッション
コーディネーター:堀池 勇氏(カメハメハ王国)
パネラー :榛南地区小中高生数名
アドバイザー :堂本氏、亀崎氏
1.趣 旨
カメハメハ王国は建国して3年目を迎えますが、この3年間の間、各種事業をとおして、多くの人々と語り合い、
また地道な保護活動を展開してまいりました。
平成11年1月には、長年の懸案でありました、相良海岸砂浜への四輪駆動車進入の主要入路が、行政の手によって
閉鎖され、同時に海岸法の改正も第145回国会で審議されるなどして、世論を踏まえて王国の期待すべき方向に進ん
でおります。
ただ、最近の王国の調査や研究では、例えば昭和20年代には湘南海岸や千葉県の九十九里浜にも年間百頭以上のア
カウミガメが産卵の為上陸していた事実も判明してきており、それが、開発主導の高度成長期の中で、産卵浜の埋め立
てによる産卵地の減少や、海水の汚染、そして海岸近くの開発による光害等により、現在での上陸数は、年間僅か数頭
になってしまった事もわかってまいりました。
私たちの住む、相良・御前崎を含む榛南地方は、静岡空港建設、御前崎港の拡張など、現在、国家的プロジェクトが
目白押しであり、今まさに開発主導の行政が行われつつあります。
御前崎港の拡張工事の影響によるものと思われるワカメ等の海草の減少にともなうアワビ、サザエ、ナマコなどの海
産物の減少がこの海域で起こってきており、将来の海洋汚染や砂浜の減少なども危惧されております。また、港湾拡張
や空港開港による交通量の増加による道路等の拡張、人口増加にともなう海岸近くの開発なども予想されております。
この地域では、まだ現在の豊かに残されている自然の維持よりも、商工業の発展や観光の振興を中心に意識する人々
が多く、このまま開発が進めば、九十九里浜や湘南海岸のように、アカウミガメの上陸産卵をはじめ、多くの貴重な未
来への大切な遺産が失われる恐れがあるのです。
ですから、カメハメハ王国の使命として、シンポジウムを開催して、『何故ウミガメを守るのか』を切り口に、生物
多様性や地球温暖化問題を、未来を担う子供達と同じ視点に立って、真剣に議論して、これら貴重な資源を守る必要性
を地域住民に少しでも理解していただきたいのです。
2.主 催
カメハメハ王国
生物多様性JAPAN
3.後 援
環境庁
環境事業団地球環境基金
IUCN(国際自然保護連合)
静岡県
相良町教育委員会
何故ウミガメを守らなくてはいけないの?
−迫り来る地球温暖化と生物多様性−
1.開会の辞 14:00
2.開催趣旨説明 14:03
3.主催者2団体紹介 14:10
4.基調講演
『地球温暖化と生物多様性の未来』(仮題) 堂本暁子氏 14:25
『ウミガメの神秘とその未来』 (仮題) 亀崎直樹氏 14:55
5.環 境 寸 劇 ガールスカウト 15:15
6.パネルディスカッション 15:30
コーディネーター:堀池 勇(カメハメハ王国)
パネラー :小中高生数名
アドバイザー :堂本氏 亀崎氏
7.閉会の辞 16:30
堂本暁子氏プロフィール
1932年カリフォルニア生まれ。東京女子大学文学部卒業後TBSに入社。記者、ディレクターとして活躍。
1982年参議院議員に当選。ODA、環境基本法を審議。
1992年リオ開催の『地球サミット』で生物多様性条約、アジエンダ21の制定に取り組む。
1993年GLOBE(地球環境国際議員連盟)の日本総裁に就任
1994年IUCN(国際自然保護連合)の北東アジア地域選任理事に就任。
『国際人口・開発会議』に日本政府代表として参加。
1997年UNEP(国連環境計画)の「環境に貢献した25人の女性リーダー」に選ばれる。
1997年IUCN 副会長に就任
亀崎直樹氏プロフィール
1956年愛知県豊橋市生まれ。鹿児島大学水産学部卒業後、水族館(南知多ビーチランド)、
財団法人海中公園センター八重山海中公園研究所で海の生物と親しんだ後、京都大学理学部動物学教室研修員を経て、
京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程へ入学。40才で学位京大博士(人間・環境学)を取得。
現在では、形態学的、遺伝学的、生態学的手法で自然史を研究している。
日本ウミガメ協議会代表、国立民族博物館外来研究員、IUCN(国際自然保護連合)ウミガメ専門委員、
河合文化教育研究所研究員。
生物多様性JAPAN
1990年11月、ケニアのナイロビにおいて、生物多様性条約に関する第1回条
約交渉会議が開かれました。まだ日本においては「Biodiversity」の訳として「生物多様性」という言葉
が定着していなかった翌年の1991年、私たち生物学者、ジャーナリスト、法律家は、毎月1回、
「生物多様性」についての勉強会を開催しました。
この集まりがやがてNGO「生物多様性JAPAN」という名で活動をするようになり、
1992年にはブラジル、リオデジャネイロで開かれた地球環境サミットに参加、1995年には
インドネシアのジャカルタで開かれた生物多様性条約締約国会議にも参加しました。
私たちは、以下のようにめざすべき大きな目標を立てています。
1.生物多様性の保全のために地球上の人類が目指すべき目標を探求し、生態系を損
なうことなく次世代に受け渡すための具体的な戦略を立案し、戦略の実現へむけ
て具体的な活動を行います。
2.その目的を実現するために、各国、わが国のNGO、研究者、企業、地方自治体、
政府機関とも連帯をはかり、基本的な調査、研究、政策的提言、専門家の育
成、啓発、教育、実践活動を行います。
生物多様性とは
物質循環とか、食物連鎖という形で、網の目のように織りなしている生態系の秩序の
こと。生命が誕生してから、多様化を遂げてきた進化の過程という意味も含み、さら
にどんな生物も単独では生きられず、植物、昆虫や魚やほ乳類などは複雑に、しかも
実に多種多様に絡み合い、相互に作用しあって、一刻も止まることなく、生き、死ん
でいく様。
主な活動実績
この2年間の主な活動実績は以下の通りです。
1996年
長野県軽井沢及び栄村など森林と林業の現状調査。
公開シンポジウム「森から海へ」開催。
円卓会議「霞ヶ浦の水源開発と生物多様性の保全」開催。
国内のスタディツアーを3回主催。
提言と実践のNGOとして活動を強化。
1997年
連続フォーラム「気候変動と生物多様性の未来」を全国4都市にて開催。
第1回 東京 「気候変動と森林」
第2回 名古屋「地球温暖化と忍び寄る感染症の恐怖
第3回 仙台 「地球温暖化と生物多様性の危機」
第4回 京都 「地球温暖化と湿原・干潟・珊瑚礁への影響と保全対策」
事業計画
1998年度の活動計画
1)「温暖化に追われる生き物たち」(築地書館)の英訳版を編集、出版。
2)東北地方、北海道の生態調査、シンポジウム開催。
3)年4回程度の勉強会。
4)特定非営利活動法人格の申請。
1999年度以降の事業計画
1)国内、海外(特にアジア地域)において、自然環境を著しく破壊している無計
画な開発へのオルターナティブ(代案)として、広い視野にたった環境政策の理念と、
その理念に基づいた具体的かつ包括的な未来像を描くとともに、我が国及び国際機関
の政策に反映し得るような具体的な提言を行う。
2)山岳、森林、陸水系、沿岸、海洋等の具体的な環境問題の調査・研究を行い、
問題点の指摘、解決方法を提示する。地域のNGOと共同して円卓会議を開催する。
3)地球資源の持続的な利用という視点から、貧困対策やジェンダーなどの観点も
ふまえて、アジア諸国のNGO・研究機関へ国際協力活動を行う。
4)環境関連の専門家育成と啓発のために、国内・国際シンポジウム、研修、スタ
ディツアーなどを実施する。
5)内外の生物多様性に関わるNGO、研究者、政府機関、自治体、企業、市民と
のネットワーキングによる情報交換と情報網を整備し、共同事業を推進する。
6)情報を発信し、印刷物を発行する。
生物多様性JAPAN運営委員会名簿(五十音順)
有賀祐勝 東京農業大学 国際食料情報学部 国際農業開発学科
岩槻邦男 立教大学理学部教授 生物多様性JAPAN会長
熊崎実 前筑波大学農林学系教授
小堀洋美 武蔵工業大学環境情報学部助教授 生物多様性JAPAN事務局長
高槻成紀 東京大学総合博物館助教授
堂本暁子 参議院議員、IUCN(世界自然保護連合)副会長
西田治文 中央大学理工学部教授
樋口広芳 東京大学大学院農学生命科学研究科教授
事務局
竹下信雄 日本雁を保護する会 生物多様性JAPAN事務局長代理
船波恵子 品川区議会議員 生物多様性JAPAN事務局員
稲見圭 堂本暁子秘書 生物多様性JAPAN事務局代理