静岡空港建設計画


 皆さん,静岡空港計画がスタートした時の需要予測を覚えていますか。

      静岡空港の国内航空旅客需要 (2003年度予測)

表1 県のパンフレットから作成    

空港

旅客数

千歳

52万人

松山

13 〃

高知

13 〃

福岡

38 〃

熊本

13 〃

鹿児島

23 〃

那覇

26 〃

合計

178 〃

小型ジェット機130人乗り14往復/
中型ジェット機230人乗り 6往復/ 
大型ジェット機370人乗り 2往復/

 

★ちょっと一言
 地方空港からの海外路線
函館―ユジノサハリンスク 青森―ソウル・ハバロスク 福島―ソウル・上海 富山―ソウル・大連・ウラジオストック 岡山―ソウル・上海・グアム・サイパン 高松―ソウル松山―ソウル 大分―ソウル 長崎―上海

静岡
はホノルル,サイパン,グアム,マニラ,シンガポール,クアラルンプール,バンコク,香港,台湾,上海,ソウル,北京の12路線も結ぶ予定だとか。地方空港からの外国路線は撤退が続いているのが現実です。★★★★★
 

 ところが九月の県議会で「静岡空港の収支見込みの試算」が明らかになりました。それは福島・南紀白浜・岡山・山口宇部の各空港の管理費用を参考にして,静岡空港は年間5億2千万円の管理費が必要だとはじき出しました。その場合旅客数が百万人あれば黒字になると説明しています。

ここで「クエッション・?」

本当に百万人が静岡空港を利用するのでしょうか?

    答は説明の後で!


     県議会に提出されたの資料によれば、管理経費5億2千万円を着陸料で賄うならば

    ●ケース1  小型ジェット機8便 中型ジェット機4便 大型ジェット機1便

    ●ケース2 小型ジェット機9便 中型ジェット機5便   が着陸しなければならない。

             そこでケース1について試算してみます。


    表2 1999年9月県議会の資料から想定

ケース1を想定 1日の搭乗可能座席数
小型8便 中型4便 大型1便 小型8便 中型4便 大型1便
126席 234席 337席 126席 234席 337席 合計席数
千歳 0 2 1 0 468 337 805
松山 1 0 0 126 0 0 126
高知 1 0 0 126 0 0 126
福岡 1 2 0 126 468 0 594
熊本 1 0 0 126 0 0 126
鹿児島 2 0 0 252 0 0 252
沖縄 2 0 0 252 0 0 252
2281

 上の表が県の数字を振り分けたものです。ところが現在の日本の路線はどのようになっているのでしょうか。下の表が静岡県が参考にした空港や路線を結ぼうとしている空港の現実の数字です。地方と地方を結ぶ路線は表に示した座席数が埋まらず3割,4割の搭乗率も多いようです。

表3 JAS・ANA・JALの時刻表から岩永賢一氏が作成      
★ ここで注目すべきは静岡県が2281席を想定しているが、この数字は鹿児島に次いで多いのです。鹿児島の場合は地理的条件から福岡13便で1775席となっています。
 そのほかは沖縄4便418席,広島2便252席,小松便126席,奄美便52席です。静岡が参考にしている岡山空港は札幌1便234席,仙台便は1週間に4日のみの路線で93席の2路線しか地方路線はありません。
 皆さんも各空港会社の時刻表をじっくり見てください。厳しい現実がよーくわかります。
 

 

いよいよクイズの回答です。

答えはノー!

 県の想定は7都市に13便、飛行機が飛んでいく時2281席の62%の搭乗率で1日に1414人。1年間に516、190人。往復で百万人を超えることになるとか。しかし,表3を見ると羽田,名古屋,伊丹便の無い静岡空港で2281席確保は夢の数字です。
空港を作れば赤字になるのは目に見えています。