ドローンの飛行シミュレーションのための統合パッケージソフト
DroneV 4.0 To English Web Site
DroneVの機能に関するプレゼンテーションはこちら
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DroneVはドローンの航続距離、加速・最高速度などの飛行性能をシミュレーションするためのパッケージソフトです。
汎用の1DCAEツールではドローンの*システムレベルシミュレーションのために多くのオプション製品群を用いて作成した
サブモデルやモジュールを組み合わせてモデルを構築するのに対しDroneVはシステムレベルシミュレーションに必要な
機体モデル・飛行モード・ペイロードおよび風ファイルの作成から飛行結果出力までの機能が統合・パッケージ化されています.
*システムレベルシミュレーション:ドローンの機体・ロータやモータ・バッテリなどのパワーシステムの基本設計・容量検討と性能予測などを目的とするもの
Wha’s
New @V4.0
Ver.4.0では物資運搬配送用に大きなスラストを得るためロータを上下2段に配する2重反転ロータセット (Contra Rotating Rotor Set) を使用する
マルチコプタのシミュレーションが可能となりました. 各ロータセット毎の上下(Upper、Lower)ロータは各々独立したモータで駆動され機体の
Pitch、Roll、Yawの各姿勢、および高度を制御します.
2重反転ロータを用いるマルチコプタ
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(1)
2重反転ロータのモデル化について
1.
スラストスタンドによるデータ計測
市販もしくは内製のスラストスタンドを用いてロータ回転数に対する上下ロータのスラスト、駆動トルクを計測
スラストスタンド概念図 計測結果事例
2. 運動量理論による2重反転ロータのモデル化
Excelに入力されたスラストスタンド試験データを読み込み2重反転ロータの空気力学モデルのパラメータを決定
2重反転ロータの1D-Momentum
Theory モデル
(2) 飛行中のロータ速度の制御
1. Pitch, Roll, 高度(速度)の制御
Yawingを除く機体の姿勢や高度(速度)の制御は各ロータセット間の上下ロータ合計スラストThnの相対差により行います.
2重反転ロータをもつHexa-copter
(ロータ配列CW-CCW x 3)
2. Yawingの制御
従来、飛行機やヘリコプタの2重反転ロータ(プロペラ)使用の目的はロータ同士のトルク反力を打ち消すことですが同一ピッチ(逆)の2つのロータを
直列に配し等速で回転させると上下または前後のロータ間でスラストやトルクに差が生じるため可変ピッチ機構の使用が前提となっています.
一方ドローンでは軽量化や機構のシンプルさを追求して固定ピッチのロータが採用されますが、ロータ毎に独立したモータで速度制御が可能であり
Yawingトルクは上下ロータ速度の差動により制御できます.
制御量はYawing角速度またはYawingトルクであり操作量は上下ロータの回転速度差Δωになりますが、目標Yawingトルクがゼロの時に
◆速度差Δω=0とし個々の上下ロータセットでは反トルクはバランスしないものの機体全体ではバランスしている状態を基準とする速度ベース制御
◆トルク差Δtq=0とし個々のロータセットでトルクがバランスしている状態を基準とするトルクベース制御
◆スラスト差Δth=0とし個々のロータセットでスラストがバランスしている状態を基準とするスラストベース制御
のいずれかを使用するかにより各ロータの運転条件(速度、トルク)に差が生じます.
1. Yawing 制御法によるロータスラスト、回転数、トルクの比較
a) ホバリング
Hexa-copter モデルによるシミュレーション結果を示します. 下図a)はZ軸中心軸上に重心がある機体を無風環境下でホバリングさせた時の#1ロータセットの
運転データを示しています. 上下(U,L)ロータを比較すると速度ベース制御では上下速度が、トルクベース制御では上下トルクが、スラストベース制御では上下スラストが
各々同じになっていることがわかります.
b) 前進飛行
下図b)は重心がZ軸から100mmだけオフセットした機体が水平前進飛行した際の#1~#6の運転データを速度ベース制御とトルクベース制御とで比較しています.
Pitch、Rollの飛行姿勢を保つため各ロータセットのスラスト分担に差が生じています. このとき各ロータに作用する*ドラグの不均衡や前傾した機体に作用する重力により
Yawingトルクが発生しますがこれを相殺するよう上下ロータを差動させています. 速度ベース制御、トルクベース制御で運転条件に差があることがわかります.
*ロータ回転面に平行で飛行方向とは逆向きに作用する抵抗力
a) Yawing 制御法によるロータ運転条件の相違_Hovering
b) Yawing 制御法によるロータ運転条件の相違_Forward Flight
(3) 2重反転ロータとシングルロータの消費パワーの比較
同一諸元のロータを有する2重反転ロータQuad-copterとシングルロータOcto-copterの消費パワーの比較を下表に示します.
なお比較においてはモータやESCでの損失の影響をなくすため、電力消費に代えてロータが消費するパワーを表記してあります.
表よりホバリング、前進飛行ともに シングルロータの方が13~14%程消費パワーが少ない ことがわかります.
本事例のように、一般的にはロータ回転総面積が同じ場合、ロータ効率(N/kW)はシングルロータの方が大きくなります.
2重反転ロータの使用に際しては効率面からの検討が必要です.
<Comparison of Power between Contra Rotating and Single>
Vehicle
Type |
Num.
of Rotor |
Rotor
Dia. |
Differential
Control Method |
Hovering |
Forward
Flight(10m/s) |
Quad-copter |
(Dual)
x (4) =8 |
0.51m |
Speed Base |
5.853kW |
5.423kW |
Torque Base |
5.86kW |
5.454kW |
|||
Octo-copter |
(Single) x(8)=8 |
0.51m |
− |
5.084kW |
4.655kW |
(4) 2重反転ロータとシングルロータの耐故障性能の比較
1.シングルロータと2重反転ロータのHexa-Copter同士の比較
対向ロータの回転方向がCW-CCWの組み合わせをもつHexa-copterのいずれか1つのロータが故障しスラストを喪失すると残り5つのロータの
スラスト再配分を行っても一定の姿勢を保って安定飛行することができないことがわかっています.
一方、同じく対向するUpperロータの回転方向がCW-CCWの組み合わせになっている2重反転ロータをもつHexa-copterがホバリング中にいずれか1つ
のロータが故障した時、スラスト再配分により一定の姿勢を保てるか調べてみます. 下図に示すとおり故障は#1ロータセットのUpperロータが故障した場合と
#1ロータセットのLowerロータが故障した場合の2ケースを想定します.
12枚全てのロータが正常に動作している場合、スラストは全て同じとなります. これに対しいずれかのロータが故障した場合は残りの11枚のロータの
スラストを再配分することにより水平姿勢を保つことができます. ただし#1のUpperとLowerはX,Y軸座標は同じですが回転方向が逆であり、残りのロータは
CW:CCWが6:5または5:6と同数ではないので, どちらが故障するかによってスラスト配分は異なります.
ロータ故障時のスラスト配分
2. 2重反転ロータのQuad-CopterとシングルロータのOcto-Copterの比較
このケースではロータの合計枚数はいずれも8枚になります. 下の表はホバリング中にいずれか1枚または2枚のロータが故障した場合に
スラストの再配分により水平姿勢を保てるか否かを判定したものでSは安全にホバリング可能、Fは不可を意味しています.
1枚のみ故障ならOcto-Copter, Quad-Copter共に故障ロータにかかわらず安全なホバリングが可能です.
2枚同時故障なら
◇
Octo-Copterはお互いに対向位置にない同方向に回転する2枚
(1-4,1-5,2-3,2-6) が故障するとホバリング不可となります.
◇
Quad-CopterはUpper同士(またはLower同士)の故障ならロータにかかわらずホバリング可能ですがいずれかのUpperと
いずれかのLower各1枚が故障ししかもそれらが同方向に回転するロータの場合ホバリング不可となります.
DroneVでは更に任意方向に飛行している場合や重心位置が機体中心からオフセットしていたり風を受けたりと様々なシチュエーションでの
耐故障性能の予測評価が可能です.
<Octo-Copter と2重反転ロータQuad-Copterの耐故障性能比較>
S:Safe F:Failure U:Upper L:Lower
Wha’s
New @V3.4
◆3D飛行ルートを定義し飛行速度をペイロード重量やコースの形状パラメータ(勾配、曲率、高度)に応じて制御できます.
山間部配送や送電線点検などUp/Downやカーブが続く飛行ルートの作成と飛行速度制御解析に使用できます.
<3D飛行ルートの定義>
◆バッチオプションが追加されました
・GUI画面から実行するDroneV標準モジュールに加え、オプションとしてコマンドラインから起動するバッチ形式の
実行ファイルが使用できます. 「最適化ソフト」からDroneVのバッチ実行ファイルを起動することで機体設計諸元や
飛行モードに関する様々なパラメータの最適化計算ができます.
・「最適化ソフト」が別途必要になりますが、無料オープンソフト’DAKOTA’(米国SANDIA研究所)を使用される場合は
最適計算に必要なScript作成の支援コンサルティングを行います.
<DAKOTAによる最適化計算の基本フロー>
Wha’s
New @V3.3
機体の耐故障性能 (Fault
Tolerance) が評価できます.
DroneV33 紹介YouTube動画がご覧いただけます
・ いずれかのロータが損傷または駆動モータが故障してスラストを発生することができない場合に各ロータのスラスト分配を再構築することにより
目標速度(X,Y,Z方向)で適正なヨー角、ピッチ角、ロール角を保ちながら安定した飛行が可能かどうかを評価予測することができます.
故障ロータは最大2個選択することができます.
(DroneVによる耐故障性予測法の特徴)
一般にドローンの運動解析にはMatlab/SimulinkなどによるDynamic
Modelingと微分方程式ソルバが用いられますが、DroneVでは
Kinematic Modelingと非線形連立方程式ソルバによる逆解析を用いており飛行スケジュールを与えて時間ステップ毎に機体が力学バランスを保つ
ためのロータスラスト分配の解を求めます.
耐故障性予測における両者の違いを分かりやすく言うと、Dynamic Modellingでは機体の飛行速度や姿勢制御の応答を見ながら各ロータの
スラスト分配を調整していくプロセスを再現しているのに対しDroneVでは機体が与えられた速度で安定姿勢で飛行しているとしたらスラスト分配が
どのようになっていなければならないかを直接求めており, もし分配の解が見つからない場合は安定飛行が不可能と判定します.
このため制御プログラムの記述は必要なく計算負荷も小さいので耐故障性予測など多くのケーススタディを必要とする用途に適しています.
◆ 可変ピッチプロペラ(VPP)搭載機体モデルに対応
固定ピッチプロペラ(FPP: Fixed Pitch Propeller)と可変ピッチプロペラ(VPP: Variable
Pitch Propeller)が選択可能です.
現在多くのドローンはFPPを使用していますが今後、大型ドローンやスカイカーなどでは広い飛行速度範囲で高いプロペラ効率を得ることができるVPP
の使用が増加するものと予測されます. V3.2では従来のFPPに加えVPPを搭載した機体の飛行シミュレーションを可能としました.
◆機体中央に動力源を持つ中央配置型動力源モデルに対応
VPP搭載モデルが可能となったことから各プロペラ(ロータ)毎に駆動モータを持つ「分散配置型」動力源の機体の他に機体中央に1個の動力源
(モータまたはエンジン)を持ち動力伝達系を介してロータを駆動する「中央配置型」動力源の機体の飛行シミュレーションも可能となりました.
What’s
New @V3.1
モータ効率マップの入力が可能-(オプション機能となります)
モータ試験機による効率テストデータまたはモータ磁界解析ソフトで求めたモータ効率予測データがMS-Excelに保存されている場合は
モータの電気特性の入力に代わり、マップを読み込んで使用することができます. インバータ(ESC)の効率マップがある場合はそれも
読みこんで使用することができます.
その他の機能についてのプレゼンテーションはこちら
技術資料紹介
◆研究レポート: ハイブリッドドローンの飛行シミュレーション−送電線鉄塔点検用用途に利用可能なドローンコンセプト検討−
◆Technical
Report: High Power & Low
Emission Engine for Next Generation Hybrid Drone
◆2020年自動車技術会学術講演会におけるDroneVに関係する講演
◆YouTube
Movies 準備中
Web会議等による製品デモを行うこともできます. ご希望の場合はお問合せください。