4サイクル多気筒エンジンのシミュレーション・性能予測に

EGSIM 11.1 

エンジン1次元シミュレーション(1D解析)ソフト

対応OS: Windows/95/98/Me/Xp/2000/VISTA/Windows7  推奨メモリ:2GMB以上  HDD空き容量:10MB以上 

4サイクルエンジンの性能予測・シミュレーション解析ができます。−

−エンジン設計や実験の支援ツールとして幅広く利用できます。−


What's New @11.1

◆過渡性能計算機能向上

 2種類の過渡性能計算が可能となり計算モードが合計4になりました。

 なお旧バージョンでは定常計算以外は単気筒エンジンのみの対応でしたがVer.11.1では多気筒エンジンにも対応しています。

 

モード名

計算条件

目的・想定する試験

エンジン

定常計算

回転数一定・負荷(スロットル開度)一定・熱発生率サイクル変動なし

通常のエンジン台上試験

単気筒・多気筒

サイクル変動計算

回転数一定・負荷(スロットル開度)一定・熱発生率サイクル変動あり

燃焼変動とエンジン性能変動に関する燃焼圧解析

単気筒・多気筒(新)

過渡性能計算

負荷(スロットル開度)変化・回転数変化・熱発生率サイクル変動なし

自動車の加速性能試験

単気筒・多気筒(新)

定速過渡性能計算

負荷(スロットル開度)変化・回転数一定・熱発生率サイクル変動なし

調速機構付エンジンの負荷変化応答試験

単気筒・多気筒(新)

 

 

◆クランク室過給4サイクルエンジンの計算機能向上

 

  旧バージョンでは特殊形態として単気筒のクランク室過給4サイクルエンジンの計算が可能でしたがクランク角に対するクランク室容積変化をテーブル入力可能とすることで

 

多気筒モデルにも対応しました。(Fig-3)

 

(モデル事例)水平対向2気筒エンジンのクランク室過給エンジン

 

水平対向エンジンは2気筒間でクランク室を共有しその容積はピストン往復動により拡張と縮小を繰り返すのでクランク室過給が可能となります。

 

最も簡単な構造は空気溜まり室も共有する構造でクランク室入口にリードバルブ_1を、クランク室と空気溜まり間にリードバルブ_2を取り付ける方式です。(Fig-1)

 

これに対し各気筒専用の空気溜まりを別室として設けクランク室と空気溜まり間にリードバルブ_2とリードバルブ_3を取り付ける方式も考えられます。(Fig-2)

 

この方式は1気筒当たりの空気溜まり容積が小さくなるのでスロットルを急開した際のエンジンレスポンスの向上が期待できます。

 

なお空気溜まり容積は1チャンバ方式が排気量の4倍、2チャンバ方式が各々排気量の2倍としトータルの容積が両方式で同じとしています。

      

      Fig.-1過給_1チャンバ方式                       Fig-2過給_2チャンバ方式                 Fig.-3 エンジン吸気系モデル

 

1) エンジン定常性能 (Fig-4

 

クランク室過給エンジンはNAに比べ低速トルクの向上が顕著であり6000rpmでは30%程のトルク向上が見られます。この時体積効率は約1.3となっています。

 

燃費率は高速域8000rom以上でNAに比べ悪化しますが低速域ではほぼ同等となっています。高速で燃費率が悪化するのは主にクランク室のポンプ仕事CPMEP

 

によるものです。 今回は過給仕様であってもスロットルボアも吸排気バルブ径もタイミングもNAと全く同じ仕様としていますが、当然過給に適合した仕様に変更すれば

 

過給効果はさらに大きくなるものと推測されます。

 

   

          Fig.-4 クランク室過給エンジンの定常性能                       Fig-5クランク室過給エンジンの過渡性能

 

2) 過渡性能 (Fig-5)

 

 6000rpmスロットル開度5%から0.2s(10サイクル間)に開度100%まで急開した場合のサイクル毎の体積効率の変化を比較してみます。

 

なお今回エンジンは調速機構により初期回転数6000rpm一定に制御されるものとし『定速過渡性能』計算を実施しています。

 

結果を見ると最初の数サイクルはNAの方がむしろ体積効率増加度合が大きいことが分かります。 

 

また過給_1チャンバ方式では定常運転の体積効率に至るまで16サイクル程度を要することが分かります。これに対し過給_2チャンバ方式では

 

6サイクル目あたりから過給_1チャンバに比べて体積効率の増加度合が大きくなっており、狙いとおりレスポンス向上が得られることが分かります。

 

クランク室過給方式のレスポンスが最初の数サイクル芳しくないのはスロットル下流の空洞容積が大きいためであり、スロットル位置の見直しが必要と思われます。

 

3) リードバルブの挙動を知る

 

リードバルブの挙動(先端リフト)とバルブを通過するガス流量を見てみます。 (Fig-.6

 

◆クランク室入口に設けたリードバルブ(Reed_in)

 

3000,4000,6000rpmともには1サイクル間に大きくは2回開きますが3000,4000rpmではリフトの途中1度閉まり、再び開くという動作が見られます。

 

2回リフト動作はリードバルブ差圧変化に対するリード固有振動数から決まるリードの追従性・応答性に起因しています。

 

◆クランク室と空気溜まりの間に設けたリードバルブ(Reed_out)

 

#1シリンダへの吸気が始まり#1空気溜まりの圧力が下がるとリードバルブが開いてクランク室のガスを#1空気溜まりに送り出します。(クランク角420600°)

 

またリードバルブは#1シリンダの吸気期間ではないクランク角100°前後でも開いています。この期間は対向の#2シリンダの吸気が始まりクランク室のガスは対向の#2シリンダ側の#2空気溜まり

 

に押し込まれている期間ですがそれでもクランク室の圧力が#1空気溜まりの圧力を上回るとリードバルブを押し開いてクランク室内ガスを#1空気溜まりにも押し込もうとします。ただしこの期間の

 

ガス流量を見ると一旦#1空気溜まりに押し込まれたガスはリードバルブが閉じるまでに逆流しておりバルブがリフトしない方がむしろ過給効果にとってはプラスになりそうです。

 

このようにクランク室過給エンジンのガスの出入りは複雑でありシミュレーションによる内部現象の理解は最適な構造や仕様を求めるために非常に役立ちます。

 

4) シミュレーションで得た最終構造による性能(Fig-7Fig-8Fig-9

 

 以上の解析結果をヒントにスロットル位置を含む構造変更を施した仕様のシミュレーション性能計算をFig-7に示します。 Fig-2に示す構造では4000rpmに体積効率、トルクの落ち込みが

 

ありましたが構造変更によりそれが解消されトルクカーブも滑らかなものに改善されています。 またFig-8に構造変更後の4000rpmでのリードバルブの挙動を示します。変更前に見られたReed_inReed_out

 

2度開きがなくなりリードバルブを通過するガスの逆流もほとんどなくなっています。 さらに過渡性能をFig-9に示します。クランク室入口にスロットルを設けた仕様に比べ大幅に応答性は改善されていることが分かります。

 

  

      Fig-6クランク室過給エンジンのリードバルブ挙動と通過ガス流量     Fig-7  スロットル位置を含む構造変更の結果得られた性能(シミュレーション)     Fig-8  構造変更後のリードバルブ挙動と通過ガス流量

 

 

   Fig-9  最終構造の過渡性能


最近のアップグレード履歴

What's New @11.0

◆多気筒エンジンモデル計算機能をアップ、 よりパワフルな1Dエンジンシミュレーションツールに進化しました。

(1)多気筒エンジンモデル計算機能アップ

◇旧バージョンでの多気筒エンジンの仕様・諸元上の制約がなくなりより広範なエンジン諸元の計算が可能になりました。

 

参考)旧バージョンでのエンジンモデルの制約は以下のとおりでした

・各気筒の位相(点火時期)が等間隔であること

・吸排気系が各気筒等分配となっていること

 

◇各気筒の吸排気マニフォルドの管長が異なるケースや各気筒の位相が等間隔でないケース(例:2気筒V型等)にも対応できます。

 

 

◇各気筒の位相が等間隔で吸排気系が等配分のケースは基準気筒(#1)の圧力、温度のみ計算を行い残りの気筒は基準気筒の結果を位相シフトさせるという

 省力計算法を選択することができます。 この方法は筒内計算は1気筒のみであるため気筒数が増えても計算時間の増加が少なく計算結果のメモリ量も少なくできるメリットがあります。

 

(2)ターボ過給器付エンジンモデル2)に対応 

 

ターボモデル対応機能はオプションになります。

 


What's New @10.4

燃焼計算に関わるパラメータを計算パラメータ画面で設定することが可能となりました。

▼燃焼圧や温度の計算精度に影響する筒内ガス各成分の比熱比κの計算モデル

旧)近似式使用 →  新)近似式とテーブル参照のいずれかを選択(デフォルトは旧来の近似式)

▼オープンサイクルの筒内および排気管内ガスの平均比熱比。

旧)排気弁開時期の筒内ガス平均比熱比を使用 内部計算であり約1.271.28  →   新)値を入力 デフォルトは1.27

▼燃料の平均組成

  吸気弁閉時期から燃焼開始までの燃料蒸気の平均組成であり圧縮期間中の筒内ガス総モル数や平均比熱比に影響し、

僅かではありますが筒内圧や温度の計算にも影響します。(ガソリンエンジンのみ)


What's New @10.3

燃焼計算用の熱発生率入力の方法として従来のWiebe関数による方法に加え、熱発生率テーブルによる入力が可能になりました。

Wiebe関数による入力

○ガソリン(Single Wiebe関数)

○ディーゼル(Double/Triple Wiebe関数)

▼熱発生率テーブル

○ガソリン、ディーゼルとも可

なお熱発生率カーブのWiebe関数近似が難しい場合には熱発生テーブル方式を推奨します。

・テーブルにはクランク角(ATDC:圧縮上死点後)と熱発生率(J/degHRを入力し、多項式曲線で補間します。

・不等間隔入力(曲率の大きい区間はクランク角入力間隔を小さくするなど)により少ない入力点数で元のカーブを精度良く近似できます。

・テーブルには熱発生率HRを入力しますが燃焼計算では無次元熱発生率に換算した値NDHRを使用します。 

(但しNDHR=HR/SUMHR SUMHR:1サイクルの熱発生積算量; SUMHR=ΣHR=GF HL・ηc       GF  :燃料質量    HL:燃料低位発熱量    ηc燃焼効率      

 NDHRを用いる理由:HR自体は1運転条件での値であり、体積効率や空燃比、当量比などの条件が変わりSUMHRが変わると使用できません。

これに対しNDHRは熱発生率カーブの形状情報と見做すことができ、運転条件が変わっても使用することができます。(運転条件によってカーブ形状は変わらないと仮定)


What's New @10.2

1) 計算時パラメータがデフォルト設定可能になりました。

2) アニメーションのコマ送り速度の調整が可能となり、最適なコマ送り速度でエンジン内現象を観察できるようになりました。


What's New @10.1

単気筒エンジン用であったEGSIMVer.10.0より多気筒エンジン用に機能を拡大、よりパワフルなエンジンCAEツールになりました。

 

多気筒エンジンの仕様・諸元上の制約

 

・気筒数は最大6 (V-6V8は各々片バンク34気筒分のモデルで対応)

 

・各気筒の位相(点火時期)が等間隔であること

 

・吸排気系が各気筒等分配となっていること(独立も可)

 

例)排気集合 2-13-1 4-14-2-1   吸気分配 1-21-31-42-4 1-2-4 等   

 

(解析事例)

V-8気筒2.4L F1エンジンの出力・性能シミュレーション計算

 

モデル:V8の片バンク4気筒のモデルとし、排気管が集合されて連結管(テール管)より大気に排気されているものとする.

image009

              F1エンジン排気系モデル

 

性能値: 4気筒分の計算値を2倍 (フリクションロスは平均有効圧で与えているので正味出力は4気筒分の値を単純に2倍すればよい)

image013

                       F1エンジン出力・性能のシミュレーション結果

注)

本事例のエンジンモデルは論文等に記載・公表されているF1エンジンの諸元を参考に独自に作成したものであり実在のものではありません。

 

解説)

 

F1エンジンの出力は700PSを超えるという報道がありますが本事例では約500kW(680PS)/19000rpm程度となっており実際には高速での体積効率がもっと多くなるような

チューニングがなされていると思われます。

 

このほか15000rpmから18000rpmにかけてTRAP_EFF(給気効率:シリンダに充填された新気のうちシリンダに留まった割合)が0.96程度に低下しており

このことは燃料を含む新気が4%排気に吹き抜け無駄となっていることを意味します. 給気効率を100%にまで向上させれば燃費は4%、出力もそれと同等レベル

向上できることが推測できますが、それではシリンダに新気を大量に送り込んでなお排気に吹き抜けないようにするにはどうすればよいでしょうか?。

What's New @9.4

エンジンのサイクル変動計算が可能となりました。

    EGSIM9.4では燃焼期間Tb、着火遅れDlyWiebeの燃焼関数の係数mの各変数のγ分布特性を定義した上で「サイクル変動計算」をスタートすると乱数列を発生させて

1サイクル毎のTb, Dly, Wiebe_mを求め、指定サイクル数分の連続の計算を実行します。

■サイクル数を十分に大きく取るとTb, Dly, Wiebe_mの値の発生頻度が定義されたγ分布に近づいて行き、実際のサイクル変動の様子を模擬できていることがわかります。


What's New @9.3

■メイン画面のツリービューを用いてエンジンアセンブリファイル、エンジンパーツファイルにアクセスし編集が効率よくできるようになりました。

■吸排気サブアセンブリの管要素において管径や曲げRの変化を表入力できるようになりました。


What's New @9.2

■吸排気系の管−容積ネットワークにおいて吸気系コンポーネントと排気系コンポーネント間の接続が可能となりました。


【 特徴 】

●エジンの性能予測や内部現象解析ができるパソコン版ソフトウェアです.

操作画面、マニュアル、オンラインヘルプともすべて日本語環境で使用できます.

<設計用途に>

4サイクルエンジンの設計においてエンジン基本設計や バルブ・カム・吸排気系各部設計まで様々な開発ステップで利用できます.

CFD(3次元流体解析)の初期値や境界条件設定に利用できます.

<実験・研究用途に>

エンジン台上試験や計測データとの相互検証・補間によりエンジン内部現象を解明し性能開発における問題解決や新技術の研究開発に利用できます.

<教育用途に>

アニメーションや熱力解析機能を用いて内燃機関の教育用ツールとしても利用できます.

●エンジンの吸気クリーナから排気サイレンサまでのエンジン全体でモデル構成.

<エンジン形態>

・多気筒4サイクルエンジン. バルブ数制限なし(吸-排 1-1, 2-1, 2-2, 3-2など)

・特殊形態としてクランク室過給式4サイクルエンジンも可能.

<管内流れ計算>

1次元非定常流れを差分法で解いており慣性効果、脈動効果を含めた性能解析ができます.

・吸排気バルブ部では流量係数を入力. 定常流試験機による流量係数データがない場合でもデフォルト値が使用できます.

<燃焼・熱流計算>

・燃焼モデルはガソリンおよびディーゼルの多段燃焼も含めWiebeの燃焼関数を使用. 燃焼パラメータが不明な場合も入力ガイドにより簡単に入力できます.

・燃焼室での熱伝達率式はWoschniの式と Eichelbergの式を選択、 管内熱伝達率は乱流熱伝達率の式の係数を変更可 (Heatranオプション使用時)

●計算機能

<定常性能計算>

与えられたエンジン回転数、スロットル開度におけるエンジン性能、エンジン内状態量を予測計算します。・多気筒エンジンは定常性能計算のみとなります.

<過渡性能計算>

定常性能計算の結果を初期値としクランク角毎のエンジントルクと負荷トルクや駆動系の慣性モーメントから加速度を計算しエンジン回転数を求めます.

<サイクル変動計算>

燃焼関連係数(着火遅れ、燃焼期間、熱発生率カーブ係数)の発生頻度がγ分布特性を持つよう変動を与えPmaxPmeの変動の予測を行います。

 

燃焼変動と体積効率等との相互関係の解析等にも応用できます。

 

【 定常性能計算例 】

下図はバルブ流量係数による性能のシミュレーション値および性能実測値との比較を示します.

黒:実測性能値 

赤:定常流量試験によるバルブ流量係数を使用したシミュレーション性能値

青:EGSIMデフォルトのバルブ流量係数を使用したシミュレーション性能値

・詳細はプレゼンテーション(PowerPiont)にてご覧ください.


●ライセンス

▼ノードロック(NL)ライセンス(年間、買取)

 登録されたHDDシリアルをもつPCで使用できます。 ライセンス後シリアルを更新することは可能でまた更新回数に制限はありません。

 シリアル変更は申請することなくユーザご自身で行うことができます。

▼フローティングライセンス(年間、買取)

 不特定の複数のPCにインストールできますがワイブキー(USBスティック方式)を差し込んだPCでのみ起動できます。


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