むかしむかし、テレビゲームもパソコンもなかった70年代初頭に頃、男の子はプラモデル工作に夢中になりました。戦艦、飛行機、戦車と、ありとあらゆるキットが模型屋さんにならんでいました。そのころは外国のプラモデルを模倣していた時代は終わり、国産プラモデルは日本の高度経済成長とあわせて世界一のレベルに達していました。そんな豊かな時代のなかで、子供の頃は色々なキットを組み立てたものです。プラカラーの塗方や、コレクションの楽しみを覚えたのもそんな時代でした。出来不出来は関係なく純粋に模型工作に夢中になれた時代でした。 
奇跡的に現在でも生産されているその時代に生まれたキットを、当時の様子を思い出しながら何点か工作してみようと思い付きました。

●タミヤ1/72 零戦32型

今回選んだのは10年ほど前に復刻販売されたタミヤの1/72零戦32型。昔のタミヤニュースを見ると1972年位に実はリニューアルされているようで、キットが誕生した年はさらに遡るようです。資料がないのでなんとも言えませんが、もともとはモーターライズキットのようです。

●塗料、工具、接着剤

このキットを作るにあたって、子供の頃と同じような工作環境にしてみようと試みました。ニッパ代わりのツメキリ、ナイフは肥後刀など。しかし、使いにくさにあっさりギブアップ。
かき集めたパクトラタミヤのエナメルカラー。蓋を開けるとほとんど使用可能でした。接着剤は旧キューベルワーゲンに付いていたもの。柔らかかったので使用可能と思いきや...。

●パーツ&ランナー 

 ランナーに部品番号は打ち込まれていません。説明書の解説図をたよりに部品番号をしらべます。モールドはもちろんリベットと凹線で再現されています。翼や胴体をさわるとリベットのツブツブが指先に感じます。懐かしい感覚。そのむかし、金型職人のオジサンがポンチで丁寧に打ち込んだのかなとふと思いました。72年頃に金型を改修されて販売されたようです。

水平尾翼も上下に分割されています。フラップや着艦フックは可動します。可動ギミックの魅力が子供心を引き付けました。パイロット人形もかなり精密な作りです。

組み立て説明図はやはり昔から一貫してスタンダードデザインの美しいもの。捨てないでちゃんととっておいた記憶があります。しかし小学生低学年の私には漢字は読めませんでした。
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使用されているロゴマーク、ボックスアート等は(株)タミヤに版権があります。

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