テクニックリフォームikq(読み物)

>キッカージャンプで入院編

 キッカージャンプで、鎖骨を折り、肋骨も折って肺に干渉して出血、10日間の入院を契機にジャンプについて考えるようになった。入院して4日は、糞して自分のケツも拭けずに嫁さんの世話になった。有難くもあり、情けなくもある。病院の天井を見ながら、それでも、なんとかバイクに乗り続けるか、それともバイクを降りるかの選択について考えた。いずれにしても、今までのバイクの乗り方、考え方では、乗り続けるのは不可能であると思った。気合のみの走りでは、またすぐに病院にとんぼ返りするのが目に見えているからである。しばらくして、入院前に申し込んでいたアメリカのモトクロステクニック書を手にしてから、バイクに乗れないのも手伝って、必死に訳し、没頭した。その本で、初めて、あのひっくり返った恐怖のジャンプが、キッカージャンプと言う名称であることを知ったのである。それには、キッカージャンプへの対応には、アタックポジションで斜面に進入せよとあったが、あまり参考にはならない気がした。アタックポジションとは、膝を曲げ、肘を曲げてジャンプ斜面への衝撃に備えるポジションだそうである。アメリカのテクニック書は、キッカージャンプ克服にはあまり参考にならなかったが、一般的モトクロステクニック解説として非常に有用であった。そこには、ブレーキの使い方からコーナーリングの仕方まで事細かに具体的に記載されていた。アメリカのライディング書の優れたところは、こうすれば、速くなると具体的に書いてある点である。精神論は存在しない。行動をうやむやにしない。そのことで、大きく変わったのは、中指でクラッチに常に指をかけること、ステップにつま先で立つこと、コーナーリング中もブレーキを使うことである。 入院をきっかけに「無知の知」のごとく、キッカージャンプは、どのような場面で危険であるかは、知ることができたので、「よし」としよう。