その2
4日目後半
列車はトスカーナっぽい風景の中を走ります。空いていたので、おれは個室を占領できてご満悦。だらだらと小説を読みつつフィレンツェに運ばれてゆきます。しかし途中の駅で占領は崩れました。イタリア人のおっさんに囲まれながらフィレンツェに運ばれてゆきます。列車は遅れを取り戻すことも無く、約10分遅れでフィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅に到着。ヨーロッパによくある行き止まり式の駅です。フィレンツェも前もってホテルを手配してあったので、ホテルを捜し歩くことはしなくてすみます。計画的な旅ができるようになりました。しかし外はあいにくの雨模様。微妙にホテルのすぐそばでもないホテルであるため、たしょう憂鬱です。地図を確認し、外へ出ます。相変わらず石畳の部分が多くてスーツケースには優しくありません。200メートルほどでホテルに到着。間違いなくここです。しかし入り口がわからないという罠がありました。ちょうど日本人の老夫妻がチェックアウトしてきたようだったので入り口を教えてもらいました。微妙にわかりづらい位置にありました。予約してあったためあっさりチェックイン完了。なかなか趣のあるよい部屋ではないかなと思いました。しかしシャワーカーテンが無いのはいただけないと思いました。ほんの少し休んで、外に出ます。有名どころを今日中に回り終える予定です。気合も入ります。とりあえず、メディチ家礼拝堂、サン・ロレンツォ教会の方へ向かいました。広場になってるところでは出店も出ています。そしてメディチ家礼拝堂、サン・ロレンツォ教会を見上げつつ横を通り抜け、次はドゥオーモに向かいます。聞いたところによると、ここのドゥオーモはかなり有名で、そして魅力的であるということです。楽しみに思いつつ歩を早めます。そして見えてきたのですドゥオーモが。観光シーズンではないのにもかかわらず、それなりの数の観光客。自分もそこに入ってゆきました。世界史の授業で習ってたような気がする、天才建築家ブルネレスキの手による建物。これを何百年か前に作っていたというのは、素直にすごいことだと思わされたりしました。そしてクーポラに登りました。クーポラというのはドゥオーモのてっぺんにある小さな展望台?のようなものです。いったん外に出てからクーポラへの階段の専用入り口からドゥオーモに入り直します。6ユーロくらいの入場料を支払い、階段を登り始めます。階段はいろいろと形態を変えます。ひたすら螺旋階段が続いた部分では目が回りそうでした。ときどき小窓から景色が見えてきます。クーポラの内側に書かれたフレスコ画を近くから見られる廊下?を通り、さらに細い階段を急角度で登ってゆきます。最後ははしごを使って登ります。すると冷たい風が吹くクーポラてっぺんに到着しました。これはなかなか素晴らしい眺めであると感じました。フィレンツェの街並みと郊外の山や丘陵を眺めることができました。20分ほどぼけーっといて、そして降りました。降りるのは楽でした。次はシニョーリア広場に向かってみます。ヴェッキオ宮とウフィツィ美術館があるところです。迷うことなく到着することができました。考えた結果ヴェッキオ宮とウフィツィ美術館には今回は入らないことにしました。またの機会に。特に休むことなく次の場所へ。ヴェッキオ橋という橋がちょっと有名だそうです。行くことにします。そしてすぐに到着。アルノ川に架かる、両側に店が連なっている橋でした。橋の上に店があるとはすごいことですなあ。そのまま通り抜けアルノ川の対岸に渡ります。そしてそこにはお食事処が待っていました。食事もとっておらず、なおかつ店探しをする元気があまりなかったため、あっさりとその店に入ってしまいました。しかし、失敗。この店は高かった。つーか量の割に高い。25ユーロもする内容では決してなかった。ついでに、その店の他の客は韓国人、アメリカ人、ドイツ人(すべて推測)だったところから推測するに、イタリア語のわからない外国人さん狙いのミニぼったくりなお店だったようだ。ちょっと油断したことを後悔しつつ、ピッティ宮へ。ピッティ宮の美術館には少し入りたいなと思ったけれど、やはりここも通過。来た道とは違う道でホテル方面に戻ります。ヴェッキオ橋の一本隣の橋を渡り、特に寄り道することなく歩き、ホテルへ戻りました。じきに暗くなってきて、この日はそのまま眠ることにしました。
街中のお店
てっぺんに見えるのがクーポラ
ドゥオーモ入口
ドゥオーモ内部です
見上げるとこんな絵が
クーポラからの街の眺め
クーポラからの郊外の眺め
シニョーリア広場です
ピッティ宮、社会科見学の子供軍団がいました
ヴェッキオ橋を隣の橋から
普通の道
5日目
5時におきた。外はまだ暗い。しばらくすると鐘の音が聞こえてきた。朝の合図かなんかなんでしょうか。どこで鳴ってるんでしょうか。興味は尽きません。でもまあいいやと思い、外に出る準備をしてからブレックファストへ。ここでもスクランブルエッグは出なかった。なので、パン一枚とコーヒーで朝食を済ませました。雨のぱらつく午前のフィレンツェをぶらぶら歩きます。タバッキで絵葉書を購入し、再びドゥオーモへ。今日はまだ人はまばらでした。そしてホテルへ戻り、少し休んでからチェックアウト。駅へ向かいます。予定している列車は昨日乗ってきたのまったく同じ列車。ナポリから来るやつです。しかし来ませんでした。来いよ。駅の発車時刻が掲示されているパネルによると30分遅れだということ。駅構内のマクドナルドでチキンバーガー食べながら待ちました。マクドナルドの中にも発車時刻が表示されるモニターがあり、それを見ながら食べました。気がついたら遅れは1時間以上に変わっていました。しばしトーマスクック時刻表を見ながら思案。今日の目的地はベネツィア。本来の予定ではミラノ行きでボローニャまで行き、ボローニャでベネツィア行きに乗り換える予定でした。しかしここまで遅れると乗り継ぎがもうぜんぜん間に合わない。そこで、あいつが登場しました。イタリア新幹線ESスター!こいつはイタリアの誇る最新型電車。しかもちょうどいい時間に直接ヴェネツィア行きがある。もうこいつで行くしかない。ただ、こいつは全席指定、それに伴い予約料も必要だ。だからわざわざ避けていたのだし。しかしそんなケチっている場合ではない。おれは切符売り場に並びました。何気にこの列車まではあと15分ほどしかありません。そして窓口は10人近く並んでいます。間に合うのか?いらいらします。こんな忙しい状況で日本から電話。適当な応対をして電話を切ります。そして自分の番がきました。係の人は思いのほか作業が早く、さっと指定席券を発行してくれた。この時点で発車時刻5分前くらいでした。ほっとしながらホームへ向かうと、ESスターの入線するホームがまだ未定。5分前なのにまだ未定。みんな顔を上に向けて、表示がされるのを待っている。1分ほど前にようやく表示。そしてその頃にはすでにESスターがホームの端に差し掛かってたような気がしないでもない。そんなこんなでどうにかヴェネツィア行きに乗り込むことができました。乗ったらあとは快適。さようならフィレンツェ。また、車内ドリンクサービスではコーラをお願いしました。
ESスターは聞いたことある名前の街に停車しつつ、ヴェネツィアに向けて走ります。そしてESスターはいきなり海の上を走りました。ヴェネツィア島はもうすぐそこ。そして見えてきたのですヴェネツィアが。ESスターはベネツィア・サンタルチア駅に到着しましたよ。ESスターを降り、駅を出ます。そしたらいきなり運河。駅の目の前は運河。すごいですなあ、と思いつつホテルを探します。なんと、ここでもホテルは予約してあるのです。旅行代理店で4時間くらいかけて選んだのです。さぞかし、迷惑な客だったことと思います。駅から100メートルほどでホテルを発見。さっそくチェックイン。部屋はあまり広くないものの、清潔ですこし趣のある部屋です。それなりに満足し、荷物を置いて外へ。今日のうちに大半を見て回るのです。しかしすでに16:00。暗くなるまでが勝負だ。そして勝負には負けてしまいました。でも夜のヴェネツィアも綺麗だったと思います。迷いつつ路地を歩きます。使われていない建物が多いなあと思ったりもしました。ヴェネツィアが本当の意味で栄えていた頃はすべての建物が使われ活気があったのでしょうか。そしてなぜかアジア系の店で夕食をとり、そのままサン・マルコ広場まで歩き、水上バスでホテル付近まで戻りました。ミネラルウォーターをお店で買い、ホテルに戻りました。テレビではレッジーナの試合が放送されていました。ナカムラー、とかときどきアナウンサーが言いました。
見えてきたぜ
こいつがイタリアの超特急ESスター!
浸水時用の台がありますな
ガラス細工のお店ですな
サン・マルコ広場ですな
サンマルコ広場のカフェですね 入ってないよ
気に入ったミニ運河ですな
わんこですね
6日目前半
今日のブレックファストはスクランブルエッグ有り。嬉しい限りだ。チェックアウトは12時までにすればよいということなので、再びサン・マルコ広場へ。駅前の水上バス乗り場でサン・マルコ広場行きの快速?に乗り込む。とてもいい天気です。大運河から分かれる、小さな運河が建物の間をのびてゆきます。あそこを小さな船が走るのですよね。サン・マルコの手前のアカデミアという船停で降り、歩いてサン・マルコ広場へ向かいました。街は潮の関係か、どこも微妙に水が溢れていて、台の上を歩かねばなりませんでした。サン・マルコ広場も水浸し。みんな台の上を歩いています。ただ、一部の人は長靴を買ってぐんぐんと水浸しの中を歩いていました。おれは台の上を歩くことを選びました。そしてホテルまで歩いて帰りました。12時直前にチェックアウト。ありっう゛ぇでーるちと言って駅に向かいます。
門を空けるとそこは運河なのですね
こんな絵葉書を見た
水浸しなサン・マルコ広場
乗り込む列車は13:14発のウィーン行ユーロ・シティ(EC)。8時間以上の長旅ですよ。しかしヴェネツィア発ウィーン行きってちょっと響きがよいですなあ。しかし列車は古かったよ。でも個室ゲットに成功。ある意味新しい列車よりも贅沢です。列車はかなり静かに動き出し、北へ向かいます。2時間ほど走ると、雪を湛えた山も見えてきました。明らかに外は寒くなってきてる模様。さらに走り続け、列車は国境を越えオーストリアに入りました。
イタリア北部を走る
(6日目はその3に続きます)