その3

 

6日目後半

 列車はオーストリアに入りました。外はかなり暗くなってきています。窓から見える建物の感じが微妙に変わったような気もします。そしてオーストリアに入って初めての停車。フィラッハという街の駅です。ホームを歩く人の顔は明らかにゲルマン系。駅の表示の様式なども変わっていて、違う国に入ったのですねと思いました。列車は再び走り出します。ウィーンまではまだまだかかります。外も真っ暗でちょっと退屈な感じでした。ときどき街でクリスマスイルミネーションが見える程度の車窓ではいまいち盛り上がりに欠けました。なので本を読みながらウィーン到着を待ちました。4時間ほどの乗車でようやく到着。冷たい雨の降るウィーン南駅です。ここから地下鉄の駅まで300メートルほど歩きます。夜に到着するとうまく位置関係をつかめないことが多いです。地下鉄の駅はどっちの方向なのだ?としばらく地図とにらめっこしました。ようやく「こっちの方向のようだ!」との結論を出し、半分勘で歩いていたら無事地下鉄に降りてゆく階段を発見。よかったと思いました。予約してあるホテルはウィーンの中心部。地下鉄で数駅すすみます。さらに地下鉄の駅からも300メートルほど歩き、ようやく今夜の宿に到着。
予約してあるのでチェックインはスムースです。なかなか明るいモダンな雰囲気の部屋でかなり満足。少し休んでから街へ晩御飯を食べに出ます。ケルントナー通りという名の通りをとことこ歩いていると、中華料理屋さんを発見。衝動的に入ってしまいます。そして炒飯を喰らいました。安くてうまくて嬉しかったです。ちなみにメニュー表には中国語、ドイツ語、英語で料理の内容が書いてありましたが、漢字で書いてあるのでわかるだろうと思った中国語の説明はさっぱりわかりませんでした。英語はフライドライスとかいかにもな感じでわかりやすかったです。かなり満足してホテルに戻り、眠りました。

7日目

 ブレックファストして街へ。一日でウィーン観光をすべてこなさなくてはなりません。雪が降っていますが気合を入れます。まずはウィーンのど真ん中にある有名なシュテファン寺院へと向かいます。そして程なく到着。立派な寺院であると感じました。中にも入ってみました。周りを歩いてもみました。次に向かう場所はモーツァルトの住家!そこで書き上げた曲もあると言います。急ぎ向かいます。観光用の馬車ステーションの横を駆け抜けます。落し物を踏まないよう気をつけました。そしていよいよモーツァルトの家に到着。入場料がかかるようなので入ることは見合わせましたが外からしっかり見ました。気合を入れて次へ。今度は王宮です。ウィーンの王宮といえば、あのハプスブルク家が代々暮らしてきた場所でしょうか。急ぎ向かいます。途中「オペラチケットありますよー。」と何度も声をかけられながらも「お金あんまり無い」とお断りをしつつ向かいます。王宮はかなりの観光客でごったがえしていました。ちきゅあるで、どの建物がどんな建物でどんな人が使っていたかを確認し、次へ向かいます。王宮を通り抜けた向こうには美術史博物館と自然史博物館がありました。多少興味を引かれましたが、とりあえず通過。ここからは路面電車や地下鉄を使い行動半径を広げます。まずはUバーン(地下鉄)の駅へ。自動券売機でウィーン24時間券を購入。これ一枚で丸一日地下鉄も路面電車も乗り放題というオトクなやつです。ここでは地下鉄に乗ることなく、地上に戻り電停へ向かいます。ウィーンにはリングという環状道路があり、そこを路面電車も一周しています。それに乗ってみようというわけです。3個目の電停で降りることにして乗り込みます。そして3個目で降りてみました。しかしなんだか様子がおかしい。戸惑っていると、親切なおばさんが助けてくれました。そして言うには、あなたがたのいる場所はこの地図には載ってないですよ、とのこと。どうやら、路面電車に乗り間違えたようだ。手持ちの地図に載ってないところに来てしまったようです。どうしようか。しかし同じ路線で後戻りするのはプライドが許さない。しょうがないので何となく歩き始めました。そこの角を右に曲がると中心方向ではないかと推測し、進みます。しばらく歩くと学校がありました。学校帰りの小学生たちが雪合戦をしていてたいそう迷惑でした。そしてようやく別の電停を発見。しかしなかなかここが地図上にあるのか、またあったとしてどこなのかがつかめません。そして親切な人二人目が登場。大きな体格をした男性です。そして、「リングに向かいたいのなら、これには乗らずあちらに歩いてゆくのだ」との助言を得ました。素直に従いさらに歩きます。そしてようやくリングに到着。場所もばっちりつかめました。迷子終了。かっこいい地下路面電車乗り場で少し休憩し、地上路面電車乗り場からリングを走る路面電車に乗ります。さあ今度はドナウ川でも見てみようと思い立ち、路面電車を降ります。けっこう遠いのに歩いていくつもりです。この判断は失敗に終わり、結局途中で計画を変更し路面電車とUバーンを乗り継いでゆきました。意味も無くウィーンの住宅地を1時間歩きまわってしまい疲れました。しかもドナウ川と思って到着した川は、ドナウ川ではなく新ドナウ川でした。なんか人工的な感じの川でがっかり。しかし再びドナウ川まで向かう元気はなかったので、別の場所に向かいます。次に向かうのはシェーンブルン宮殿。Uバーンを乗り継ぎ、到着。ウィーンの中心部からは少し離れています。ここもハプスブルク家ゆかりの場所であるようです。雪が降り続きかなり寒い中、ふらふら見ていました。そして土産などを買うこともなくUバーンで一旦ホテルへ戻りました。夕刻を過ぎた雪のウィーンはもうかなり暗いです。しかしホテルでだらだら過ごすのもどうかと思い、再び外へ。美術史博物館で絵を見ようか、そう考え向かいました。着いたのは閉館まで1時間半くらいの時刻。じゅうぶん時間あると考え入館。有名と思しき絵がたくさんありました。あと外はとても寒かったので、館内の暖かさはとても助かりました。レンブラント、ラファエロの絵をじっくり見ました。あと、知らない名前の人の風景画が気に入りました。とりあえず館内を一周し終わり、閉館までまだ時間もあるようだったので二階にあるカフェでカフェラテを飲みつつ本を読んでだらだらしていました。そして閉館時間になり、外へ出てホテルへ。道中二度ほど転びかけるも、さっと踏ん張り事なきを得ました。チョコレート屋でモーツァルトチョコを買いました。おつりがなぜかたくさんきてラッキーでした。そしてホテルに戻り、再び夕食を求めて外へ。今夜はマクドナルド。ビッグマックセットを喰らいました。店員がみなアジア系で、それでいてカサブランカな雰囲気漂うマクドでした。ケルントナー通りを歩き、ホテルへ。通りでは芸人さんが芸を披露していました。クリスマスが近い雰囲気は悪くないです。部屋に戻り、ようやく休みます。この日、もう一度イタリアに行きたい気持ちが沸いてきて、ミラノを通り道に入れようと決めてみました。


ケルントナー通り


シュテファン寺院(全景撮れず)


馬車馬


王宮です


自然史博物館!


美術史博物館!

8日目

 朝寝坊。速攻でブレックファストを済ませケルントナー通りをシュテファンプラッツ駅に向かいダッシュ。シュテファン寺院をちら見してUバーンの階段を降りてゆきます。向かうのはウィーン西駅、ザルツブルク・インスブルック方面の長距離列車はここから出ます。一回Uバーンを乗換え、何とか出発10分前に西駅に到着。列車を発見し、乗り込みます。間もなく列車は動き出しました。窓からはドイツ新幹線ICEが見えました。

 今日の目的地はインスブルック。昔、冬季オリンピックの開催された、チロル地方の中心都市ですね。ウィーンからインスブルックまではオーストリアの大部分を横断する形となります。所要時間は5時間強。かなり素晴らしい感じの雪景色の中を列車は走ります。そして西へ進むにつれて積雪量は少なくなり、ザルツブルクあたりではほとんどなくなっていました。ちなみにザルツブルクにも少し寄ろうかと思ったりもしましたが、日程の都合上通過しました。そしてザルツブルクから2時間ほどでインスブルックに到着。やはりウィーンほどに寒くはありません。がらがらとスーツケースを押して歩き、インスブルックの街に出ます。日本でホテルを予約してきたのはウィーンまで。ここから先は飛び込みでホテルを探すことになります。そんなわけでちきゅあるで見つけたホテルを探します。あっさりとホテルは見つかり、部屋を取ることができました。一安心。ただし門限は22時です。部屋も値段の割によい部屋でした。荷物を置いて、一泊しかしないこの街を散策します。そしてどうやら今日インスブルックはちょっとしたお祭りか何かのようです。街の中心部に着いたら尋常ではないほどの人の山。通り抜けるのも大変でしたよ。でも通り抜けました。王宮、ちっさい凱旋門、黄金の小屋根といった見所は一応見ました。しかし遠くに見えるチロルの山々や、イン川のほとりの風景などのほうがぐっとくる感じでした。夜はちきゅある情報により、日本食レストランを探しました。しかし、日本食レストランはなかった。どこかで日本食レストランを経営しているオーナーが持っているホテルがインスブルックにあるというのを読み間違えていたようだ。そんなわけで晩御飯はチキンバーガーセットでした。マクドナルドはおいしい。そしてホテルへ戻り、就寝。明日は再び行きたくなったイタリアへ。そのあとスイスに入り、ドイツにもちょこっと入り、そしてフランスを時計回りにぐるっと回り、パリから飛行機で日本へ帰るというのがこの時点での予定。


オーストリア車窓1


オーストリア車窓2


ザルツブルク


インスブルックの街。屋台多数


サンタが御者


イン川とチロルの山


黄金の小屋根。うーん。


ちっさい凱旋門


9日目前半

 とても目覚めのよい朝を迎えました。頭も妙にしゃっきりです。しゃっきりな頭でブレックファストに向かいます。正直スクランブルエッグはないものと思っていました。しかし、ありました。今までのホテルに比べ、ぐっと小さく、手作り感漂う感じです。何日か前にまとめて作って出しっ放しな気配なものが多かったです。でも普通においしくいただけました。とにかくスクランブルエッグが大事だと思います。オレンジジュースも飲みました。そして荷物をまとめチェックアウト。スーツケースをがらがら押しながらインスブルックの駅へ向かいます。朝もやはりウィーンに比べて寒さはゆるい。冬のオリンピックを開催したイメージから滅茶苦茶寒いと思い込んでいたので若干拍子抜け。インスブルック駅のホームでミュンヘン発ミラノ行きのECに乗り込み、インスブルックの街をあとにしました。ミラノ到着予定は14:50。5時間半の道のりです。列車は南に向かって走ります。車窓は山あいに家がぽつんぽつんとある何となくハイジ的な景色。そして家々もあまり見かけなくなった、インスブルックから40分ほどの駅がオーストリアとイタリアの国境の駅でした。機関車の付け替えか何かをしていたのか、乗務員の交代なのか10分ほど停車。ちょっとホームを歩いてみたりも。出発しちまったらどうしましょうとかどきどきしながら。列車に戻って少し経って、列車は動き出しました。イタリア再入国ですね。


インスブルック出発後しばらく後に見かけた村


国境の駅、ホームを闊歩

左がオーストリア、右がイタリアですね


(9日目はその4に続きます)

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