その5

 

10日目後半

 列車は闇の中走り続けます。景色はもはや何も見えず。そして停車した駅はブリークと言う駅。スイスに入ったようだ。
車内はミラノからずっと満席。ミラノからは5年前のときの行程を反対側から辿っていることになる。乗換え予定地のシュピーツも5年前立ち寄って同じく乗換えをしている。50分ほどでそのシュピーツに到着。チザルピーノはバーゼルに向けて去っていった。辺りは半端じゃない静寂に包まれてしまい、人もほとんどおらず若干心細い。こんなときはコーラを飲むしかないので売店でペットボトルのコーラを購入しました。用意してあったスイスフランを使います。乗り換えて向かう先はインターラーケン。ここも5年前立ち寄っている。インターラーケン行きの列車に乗り込み、向かう。列車がとても綺麗な最新型。いかにもスイス的な感じもします。自転車を載せるスペースもありました。ほぼ貸切な列車は20分ほどでインターラーケン東駅に到着。駅のホテル案内看板でホテルを物色します。宿泊料や所在地、電話番号がわかるようになっていました。また、ボタン一つでそのホテルと電話が繋がるシステムまでありました。しかし電話ではジェスチャー会話が出来ないため、使用は断念しました。場所と名前を覚え歩き出します。そして着きました。しかし人の気配なし。どうやらオフシーズン休業中の様子。怒りを抑えきれない。しかし抑え、駅に戻り、もう一度ホテル探し。若干遠そうだがよさそうなところを発見し、再び向かう。何一つ物音のしない街に、スーツケースの音を響かせながらだらだら歩きます。10分ほどで到着。建物は全然ホテルっぽくない。でもそんなこと言ってる場合でもないのですぐにチェックイン交渉に向かいます。余裕でOK。フロントの人は全然ホテルマンっぽくなく、普通の女の子だった。全然ホテルっぽくない。とにもかくにもようやくチェックイン。部屋でごろごろしてみました。しかしちょっとした問題発生。水がない。駅まで戻って自動販売機で買って来ることにしました。フロントには人がいなかったので勝手に出て行きました。静かな街を駅まで歩き、自動販売機で水を購入しようとするも適切なコインがなく失敗。そしてホテルへ戻る。中は真っ暗。そしてホテルの入り口のドアが開きません。自動ドアのはずのドアが開きません。手動でも開きません。仕方がないのでベランダから自分の部屋に入りました。1階でよかったと心から思いました。明日はユングフラウヨッホへ登るよ。


シュピーツ駅 走り去るチザルピーノ


貸切り 綺麗電車 最新 チャリOK


携帯電話 ディスプレイに今いるエリアの地名が表示されちゃう


11日目

 目が覚めると外はすっかり明るくなっていました。スイスに入ったのはもう暗くなってからだったので、まともに景色を見るのは初めて。雪を頂いた山が目に飛び込んできます。今日はあの山に登山電車で登ってしまう予定なのです。しかしその前に朝食を。そこでこのホテルのことを若干把握。ここは半分老人ホームです。たぶん長期滞在型の。おじいちゃんおばあちゃんでいっぱいでした。部屋に戻り、荷物をまとめインターラーケン東駅へ向かいます。5年前にホテルをとった西駅周辺に比べ、東駅周辺は観光的な空気はあまりなく、ゆったりとアパートや民家が並んでいます。住環境はとてもよさげです。しかし都会が遠すぎるかもしれませんね。冷たい空気の中スーツケースをがらがら言わせます。そして東駅に到着。まずはコインロッカーにスーツケースを預けます。そして登山鉄道の切符を購入。ユーレイルパスは使えないので新たにお金がかかります。しかも往復10000円くらい。たかい。一瞬怯んだものの思い切って購入。颯爽とホームに向かいます。しばらく待つと列車が到着。真ん中を境に行き先が異なるようなので、駅員さんに確認して乗り込みました。しばらくして列車はゆっくりと動き出し、まずはラウターブルンネンの駅を目指します。ユングフラウヨッホまでは2回の乗換えが必要になります。水の綺麗な川沿いの線路を列車は走り、ラウターブルンネンに到着。2つ目の列車に乗ります。先ほどの列車よりも急な坂をこの列車は登ってゆきます。この辺りまで来ると回りは完全に雪景色。振り返ると通ってきた線路を見下ろせます。しばらくの間列車に揺られ、クライネ・シャイデック駅に到着。ここまで来るとユングフラウヨッホの頂もかなり近くに見えます。そしていよいよ最後の列車に乗り込みます。今までの列車よりスピードは遅く、更なる急坂を登ってる感じがします。途中からは岩山をくりぬいて作られたトンネルに入りました。トンネルの中に途中駅があり数分停車します。下車すると山の中腹からの景色を楽しむことができます。ちょっと楽しみすぎて列車に乗り遅れそうにもなりました。同じような駅への停車をもう一度程行い、ようやくユングフラウヨッホ頂上駅に列車は到着。海抜3500メートル弱の場所まで列車でやって来れるのですね。レストラン、展望台、お土産屋さんが駅に併設されていました。外に出ることも出来、ユングフラウからの眺望を楽しんでみました。また氷河のトンネルなんてものもあり、歩いてみました。氷河をくりぬいて熊が彫られていました。1時間ほど滞在し、チーズを挟んだパンを買って、この場所をあとにしました。来たときと同じように列車3本を乗り継いで。


朝、東駅に向かう途中の景色


同上 芝生がいいね


インターラーケン東駅ですね


登山1本目の車窓から


2本目の列車に乗るラウターブルンネン駅


車窓からラウターブルンネンの街


見上げる


最後の列車に乗るクライネ・シャイデック駅 上から列車が降りてきた


岩山をくりぬいたトンネルに入って行きます

途中駅展望台から


続途中駅展望台から


3本目の列車車内


続々途中駅展望台から


ユングフラウヨッホ頂上駅に到着


外に出てみた


太陽きらり


氷河トンネルは意外と滑らない


くま


帰りの列車きた


 ユングフラウヨッホよりインターラーケン東駅に到着。次の目的地はルツェツン。ルツェルン行きの列車への乗換え時間は5分。しかし列車が遅れていたようで3分しかない。これは無理かもわからんな。そう思いながらもコインロッカーへダッシュ。そっこうでスーツケースを取り出し、隣のホームへダッシュ。本当にぎりぎりでルツェルン行きに乗車。非常に慌しくインターラーケンをあとに。列車はやはり綺麗で清潔。薄闇のブリエンツ湖を眺めつつ、列車は進み、やがて真っ暗闇に。しばらくの後にルツェルンに着いた。駅前のホテルを確保し、ホテル併設のレストランでクリームパスタを食し、夜のルツェルンの街を少し歩き、寝ました。


ブリエンツ湖の様子


夜のルツェルン駅に到着


12日目前半

 スイスで二回目の朝にして最後の朝。ブレックファストに向かう。場所は昨夜と同じホテル併設のレストラン部分。しかし残念なことにスクランブルエッグは、無かった。しかしサラダバーはあった。しかしサラダバーは食べないタイプなので。ホテルをチェックアウトしてルツェルンの駅へ。昨夜のうちに場所をつきとめてあったコインロッカーへ。身軽になってルツェルン散策に出ます。静かな落ち着いた街です。しかしこれでもスイスのなかでは大きな街だという。街はフィーアヴァルトシュテッテ湖という湖のほとりに開かれていて、そのフィーアヴァルトシュテッテ湖に注ぐロイス川に街は旧市街と新市街に分けられています。ルツェルン駅や宿泊ホテルがあるのは新市街。これから旧市街に向かうことにします。旧市街へはいくつかの橋で渡ることができ、その一つはヨーロッパ最古の木造橋と言われるカペル橋。渡ってみました。観光客の落書きが多かったのは残念なこと。旧市街側に渡り、何となくぶらつきます。ムーゼック城壁という古い城壁がありました。昔は完全に街を囲んでいたのでしょうか。だらだらと歩き、ルツェルン一の見どころに到着。ライオン記念碑と呼ばれる、大きな岩山をくり貫いて作られた瀕死のライオン像。これはまだスイスが貧しかった頃、外国の傭兵として働いていたスイス人たちの死を悼んで作られたものらしい。その後、氷河公園で氷河の残した跡を見学。そしてフィーアヴァルトシュッテッテ湖畔方向へ歩きました。途中、ホーフ教会という2個のとんがり屋根をもつ教会のそばにある店で昼食。二品目頼もうとしたところ、「これ一つで充分お腹いっぱいになるはず。二つは危険だ。」と言われたので従う。実際、お腹はものすごくいっぱいになりました。「ほらな。で、本当にもう一つ何か食えるのかい?にやにや。」と言われたので「いやもうおなかいっぱいっすよ」と答えました。店を出て、フィーアヴァルトシュテッテ湖のほとりでだらだらしながら先の予定を考えてみました。その結果、予定していた列車より早い列車を利用することに。それで生み出された時間を使って、列車乗換えだけを予定していたチューリヒの街でも散策してみようかと。ではルツェルン駅へ。


新市街から旧市街をみやる 木造橋で渡れる


木造橋の中の様子 落書き多いぜ


旧市街に渡りました


瀕死のライオン


氷河が削った跡、とのこと


ホーフ教会 この近くのお店でおひるごはん


フィーアヴァルトシュッテッテ湖 むこうは新市街


 列車は1時間とかからずチューリヒに。5年前の記憶を頼りにコインロッカーをゲット。駅のコンコースではクリスマスマーケットが開かれていました。賑やか。マーケットを通り抜けて街へ出ます。1時間ほど散歩し、再び駅へ。5年前の駅前スーパーは全く変わらずありました。コインロッカーから荷物を取り出し、再び列車に乗ります。乗り込む列車はミラノ発シュトゥットガルト行きチザルピーノ。列車はチューリヒを離れ、しばらくの後、ドイツに入りました。


チューリヒに到着 二階建電車だ!


チューリヒ中央駅前

(12日目はその6に続きます)

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