3 ピチャン
<ピチャンへ>
トルファン一日ツアーは無事終了、荷物を取りにツアー会社に帰ってきた。
ここで日本語ペラペラのボス、アルキンさんが「これからどこに行くの?」と聞いてくる。
「今からピチャンに。」
「今から?何で行くんですか?バスだといろいろ停まって行くから2時間以上かかる。タクシーを呼びますから一人40元でどうですか」
たかだか80kmの距離を120元、ってのはかなり高いと思うのだが、夕日に間に合いたいし、そのほうが楽だし・・・と頼むことにする。タクシーを待つあいだ、天池にいくつもりなら、と、ツアーを紹介される。
朝行ってゲル(カザフ族のテント)に泊まり、次の日の夕方帰ってくる、という一泊食事付きのツアーが少し割り引いてもらって一人270元。しっかりした値段だがお願いすることに。前回、とても良い印象だった所だ。カザフ人のぼったくりで不快な思いをしたくない。
ディポジットで今70元。残りの200は天池に行く当日払えばよい、と言われる。ピチャンのあと、ウルムチに着くバスの時間を連絡してくれれば、スタッフがウルムチのバスターミナルに迎えにきてくれて、ホテルまで送迎するから、と。なにしろこのアルキンさん、仕事が早くてテキパキ。言葉の使い方もしっかりしていてなんとなく乗せられてしまうのだ。昨日客引きにきた女の子もそう。礼儀正しくて知的な雰囲気。この男、日本人相手の商売を心得ている。
ツアーが終わった客からタクシー代(このタクシーは身内の車)120元とツアーの紹介料210元、しめて330元(!)を稼ぎ出すんだから。しかもいかにも気が利いたような声がけのタイミングがすごい。さすが、トルファン賓館の目の前に店構えているだけのことはあるな。今度来たときは店がもっと立派になってるんだろうな・・・・。
吐魯番市旅行社
Turpan Holiday Travel CompanyTel 0995−8535822
Fax 0995−8535822
携帯 13699901894
タクシーが来て、ピチャンにむけて走り出す。砂漠を突っ切るまっすぐな道。
砂漠の中に見えるのは葡萄畑の緑の帯や、煉瓦で建てた干しぶどうを作る小屋。
遠くにはむき出しの岩の山脈。あまりにまっすぐな道だから、運転手の若い兄ちゃんは眠くなってしまうらしく、話などすればいいのだが、この兄ちゃん、若いし言葉も通じないので黙々と車を走らせている。私たちは、さっきのアルキンさんの鮮やかな商談っぷりについてひとしきり談義。高いのだが、納得させてしまう商売上手。ううむ。
ピチャンに到着。田舎とはいえ、トルファンと同じく、広い舗装道路が整備されている小綺麗な街だ。この街に一つしかないと言われる外国人が泊まれるホテルに車をつけてもらう。約1時間の快適ドライブだった。
このホテル、なんだかとても気持ちのよいホテルで、安いし部屋は広いし、対応もよいし、宿泊客は少ないから静かだし。とても居心地がいいのだ。
供鎖賓館
Gongxiao Hotel電話 0995−8383017
FAX 0995−8383018
ピチャン市 具新城路50号エアコン・バス付き
3人部屋 135元
2人部屋 70元
テレビ、エアコン、タオル、バスタブ付き!
とても広い部屋で、今回の旅で一番快適な部屋でした。ドミトリー
3人部屋 1ベッド 30元
4人部屋 1ベッド 20元
8人部屋 1ベッド 15元
<美しい砂漠の街>
夕日が落ちる前に、と早々にホテルを出て、メインストリートを約1km。楽してタクシー(5元)で沙山公園へ。入場料5元。遊園地みたいな公園に入れるのだが、遊園地には興味がないのだ。
タクシーをおりるとすぐ、階段が。
街に入ったとき、どこに砂漠が・・・・?と不思議になったのだが、防砂林を抜ける階段を上がったら、
「うわっ!」「砂漠だ〜!」
見渡す限りサラサラの砂。広大な砂丘が広がっている。こんな、急に、突然、お気軽に!!!
日は傾きはじめ、子供たちが砂山で遊んでいる。子供達の笑顔。
砂に足を取られながら急いでちょっと奥に歩き、夕日が落ちるのを眺める。美しい夕日。
砂は濃い赤色。3人だと心強い。泊まるところもちゃんとあるし。街はすぐだし。
これで半年毎に3回連続で砂漠を旅している。ヨルダン(ワディラムで野宿)、チュニジア(サハラでキャンプ)そして中国。
毎回ラクダ。砂漠。やはり私は砂漠好きなのだ。
夕暮れ時。砂漠で遊ぶ子供たち
すっかり日が落ちて、公園に戻って食事。あまりお客さんはいなくて、まだまだ準備中。屋台と違ってどんな料理があるのかわからない。メニューを紙に書いて教えてもらい、頼んだのは
新疆ビール 3元x2
炒面(シャオメン) 6元 うどんのナポリタン!
湯飯(タンファン) 4元 水餃子のミネストローネ
羊肉串(ヤンルータウ) 1元x3 シシカバブ公園内だし、なんだかとてもリラックス。
食事後、すっかり暗くなった砂丘に戻り、星を眺める。満天の星空。
砂の上に寝転がると、星が降ってきそう。
蠍座がきれい。天の川までくっきり見えて、流れ星がすぅーっと長く尾をひいてゆっくり落ちる。
砂漠がこんなに身近だなんて。帰りは公園入り口に待機しているロバ車に乗って帰る。(一人3元)
ロバ車、大好き。なんだか幸せだよ。ホテルまで、と言ったのになぜか手前で降ろされてしまった。どうやらロバ車は街の中心まで入っていけないらしい。ホテルの2ブロック手前が終点。ロバ車と記念撮影。楽しいね。
カセットテープ屋で新疆の音楽を3本買ってホテルに戻る。ピチャン、いい街だなぁ。
<砂漠でラクダ>
朝、ゆっくり起きてホテル近くの食堂で朝食。
丸子湯 (ビーフンのトマトのピリ辛スープ) 5元
包子 (キャベツみたいな野菜入り) 4角
食堂のおじさんはととても親切。
「俺が作った揚げパン、美味しいから食べてみろ。」
って言うから食べた、葱が入ったふわふわの揚げパン「葱華餅」(1元)もおいしかった!街と砂漠の景色を見たい、とホテルの屋上に出てみる。
「わーい!」
広くてまっすぐな道の突き当たりに緑の防砂林。その先は本当に砂漠。今日はとってもいい天気!
屋上にかわいい帽子が落ちている。洗ったばかりみたいできれい。
かぶってみると今の帽子より似合う、と言われ、拾ってしまった。私にぴったり!
今日は朝からゆったり気分。そろそろ旅の疲れも出る頃。頑張らずにゆったり行こう。毎日無理せずゆったり過ごしてるのでなんだか毎日元気元気!会社で蓄積した疲労とストレスで消耗しきっていた体と心がすっかり回復した感じ。この町は砂漠しかない。再び砂丘に登る。
昨日と違い、直射日光がギラギラしている。日傘をさして、あてもなく歩く。
すると、「ラクダだ!」
遠くに3頭。ラクダがゆっくり歩いている。近づいていって写真を取る。
ラクダをひいていたおじさんが、「乗るか?」と言う。5元。
5元なら、と乗ってみる。
フタコブラクダに乗る図
フタコブラクダは中央アジアでしかみられない。
アラブのラクダはみんなヒトコブだ。フタコブらくだは、コブとコブの間に座るから、鞍がいらないのだ!
裸のラクダにまたがって、のしのし歩く。ほんっとにちょっとしか乗せてれなかったけど、(ケチ・・・)乗り物好きの私はうれしくてご機嫌に。砂漠&ラクダデビューのY子も、うれしそうにしている。
これで、ラクダはヒトコブもフタコブも制覇。馬もロバも象も乗ったし、あとは乗りたいのはダチョウだけだ!暑い。昨日食べた公園の食堂で休憩。これからウルムチに戻るのだ。
ピチャン、来てよかった。くつろげる街でした。