10 コーヒー 紅茶


<コーヒー>


エチオピアと言えば、コーヒー。
エチオピアのコーヒーは感動するほど美味い!
豊かな香り、濃厚ながらまろやかで、どこも尖ったところがない。そして過不足のない申し分ないバランス。しかも胃にもやさしいのだ。

実は私はコーヒーが苦手である。ちゃんと入れたコーヒーならまだ大丈夫だが、コーヒー缶コーヒーやネスカフェなんてもってのほか、一杯飲むだけで心臓はドキドキ、胃は一日中ムカムカ気持ち悪くなる。ついでにお腹もゆるくなるほどだ。
そんな私がコーヒーに感動した。はじめて美味さを知ったのだ。

エチオピアには独特のコーヒーの入れ方がある。コーヒーセレモニーといって日本の茶道のようなものか。
とにかく豆を煎ることから始めるのだ。コーヒーを飲むまでじっくり一時間。我々もコーヒーが出来上がるまでゆっくりとくつろぎながら待つのだ。男はチャットをかんだりタバコを吸いながら。女はおしゃべりしながら。

エチオピアのコーヒーセレモニーは、旅行者ならブンナベットやレストランなどで出会うことができる。
コーヒーを入れるのはたいてい若い女性。気の効いた店なら民族衣装で見た目も美しい。

コーヒーセレモニーは食後のサービスとしてやってもらったり、大勢いるときにみんなにふるまってくれたことが多く、値段はわからない。 
ただし、民家などでコーヒーセレモニーをやるから、と旅行者を招きいれ、不当な金を要求されるというトラブルも起こってるらしいから気をつけて。あせらずとも泊まったホテルやブンナベットで聞いてみよう。どうせ彼女たち、一日何回かはコーヒー入れるんだからさ。

コーヒーの生豆は市場で一キロ約40ブル(600円)。安いものではない。
生豆は薄緑色をしていて、生豆の段階ではコーヒーの香りはほとんどしない。

独特のお道具がある。
まずはコーヒーポット。 壺に取っ手と注ぎ口がついた丸い素朴な焼き物。
豆を砕く木製の小さな臼と杵。
コーヒーを煎る鍋(鉄板)と炭火の鉄製七輪。
コーヒーカップ10個くらい。直径5cm、高さ5センチくらいの小さな陶器。
それらを並べる小さな台。(高さ20cm、縦横30x40cm位)これが民族調でとてもキレイ。

ブンナベットの食堂で、炭がパチパチといい色で燃え出すと、静かにコーヒーセレモニーが始まる。


<コーヒーセレモニー> (エチオピア式コーヒーの入れ方)

1) 豆をひとつかみ鍋に入れ、水をかぶせ、すこし温めてしばらく置く。
2) すこしふやけたら豆を手で揉んで薄皮を取る。水は除いた薄皮とともに捨てる。
3) ゆっくりと煎り始める。豆は焦げないよう常に動かし続ける。
4) 約10分。パチパチ豆が弾け始める。豆が茶色になり、表面に油が出て艶が出てきたら火からはずす。
5) 待っている客に鍋ごと豆を近づけ、一人一人に色や香りを確認してもらう。このとき、室内がすばらしい香りでいっぱいになる。
6) 客にOKをもらったら煎りあがった豆を杵で突いて砕く。
7) 粉になったコーヒーを、火にかけてわかしておいたコーヒーポットに入れる。
8) 少し火にかけてからポットを火からおろし、ポットにふたをして粉が沈むのをゆっくりと待つ。
9) 台に並べた小さなカップに注ぎ、客に出す。

煎りたて・挽きたてのコーヒーの味はすばらしい。
私も生豆を買ってきて、帰国後焙煎に挑戦してみた。 何度かやったら慣れ、おいしいコーヒーを楽しむことができた。是非みなさんもコーヒーの自家焙煎に挑戦してみてほしい。(興味がある方、詳細はメールでね。)
それ以前に、エチオピアのコーヒーセレモニーを是非とも「現地で」体験してほしいものだ。 (・・・・!!!)


<紅茶>

コーヒーはエチオピアの最も主要な産業農作物だが、エチオピアでは茶も栽培している。紅茶もおいしいのだ。
エチオピアでは、紅茶も独特の飲み方をする。
ジンジャーとカルダモンを入れるのだ。
上品に少し香りがついたこの紅茶、違和感なく飲めてとてもおいしい。
市場ではティー・スパイスとして、このエチオピアンティーに入れるミックススパイスが売られている。
ポットに茶葉と一緒に少しだけ入れて・・・・。おしゃれでほっとするこの香り、甘く砂糖を入れたらすっと疲れがとれる気がする。ほっとする瞬間。(貴重だ。)

紅茶はブンナベットで一杯0.5ブル(7円)くらい。コーヒーは普通に頼むとコーヒーマシーンでシュカシュカシュカっとエスプレッソスタイルで出てくる。ミルクたっぷりもよく好まれる。コーヒーは値段はわからないが紅茶とたいして変わらないと思う。


次のページへ   エチオピアのTOP   TOPに戻る