2 バスの旅


エチオピアの旅がハードなのは、このバスによるところが大きい。
遅いし狭いし汚いし、暑いし虫にも喰われるし、汚ねぇオヤジと隣同士密着状態、子供はゲロゲロ吐いてるし。 おまけにパンクだの故障だのガス欠(そりゃないぜよ)だの・・・・いつになったら走り出すやらわけわからん。

まずはそのスピードの鈍さ!たった175キロの距離に7時間かかったりするんだから、自転車並だったりする。
次の町まで行くのにたっぷり一日か二日かかるのだ。
イマドキどんな国だってバスのイメージといったら爆走!何にもない道を100キロくらいでかっ飛ばし、旅の爽快さとスリルを味わせてくれるもの。
しかし、なぜにエチオピアのバスはこんなにのろいのか!

ひとつはエチオピアの地形。
国全体が2000m〜4000mの高地にあって国全体がグランドキャニオン状態。
崖っぷちの未舗装道路をガタゴト行くのだ。
普通幹線道路くらい舗装されているだろう、と思うでしょう?  
甘い甘い。首都のアジスを出て15分もしたら道路はすでにマルハダカ。
ガタゴトだって半端じゃない。 大きく上下左右にぐらりぐらりと。
そして2日後・・・目的の大きな町にいくまで舗装道路は出てこない。


ラリベラの手前でエンコ。こんな崖っぷちを揺られていく。

だいたい平坦な舗装道路だって最高40キロくらいしかでてないんだよね。
旅の最後のほうにはいいかげんイライラしてしまって同じバスの乗客に怒りをぶつけてみる。
「なんでこの国のバスはこんなにのろいのよ!ここは舗装道路でしょ!!!」
すると、エチオピア人、一瞬困って、
「だって・・・・・エンジンが古いから。 このバスも20年くらい前のだし。」

この答えには私もがっくり。次の言葉を発する気力がなくなってしまう。
大体いつから数えて20年なんだよ。
どっかの国で15年くらい乗って乗り捨てられたバスを譲り受けてから20年だろうが。
どうひいきめに見てもたかだか20年前のバスがこんなに走らないはずがない。第一、ホントに古くてぼろぼろなのだ。

朝も暗いうちから起きて、朝方15度くらいに冷え込む寒さのなかバスターミナルに行き、夜明けを待って出発。
暑い昼間を耐えに耐え、毎日どこに行くにも6時発6時着。
なにがあっても夜は走らない。もし夜走ったら間違いなく崖の下に転落してしまうだろう。
聖地ラリベラの到着目前の崖っぷち。2度目のエンコして、大峡谷に沈むホーリーサンセット。立ちションしてるおっちゃんたちの傍らで眺めた美しさよ・・・・。
それより暗くなる前に走りだしてくれぇぇぇぇ・・・・!!!

大平原でパンクして、交換してるそのタイヤを見たときの驚き!
タイヤのでこぼこ部分がとっくにポロりんととれてしまってつるっつる。 おまけに削れたつるつる部分にギギギっと切り裂いたような深い傷まで・・・・。 
そんなタイヤにびっくりしていると、エチオピア人が私に
「日本ではこんなこと、たまにしかないでしょ?」 と。
(絶対ねぇよっっっ!!!)


ボロタイヤ。ゴム部をえぐってさらにキズが・・・。

それにしてもバスの中は暑い。
窓を開けるとさわやかな高原の風が入ってきてものすごく気持ちいいのだが、エチオピア人は窓をあけるのを嫌がるのだ。 
昔から疫病その他で苦しまされてきたエチオピア人は、災いは戸外からやってくる、と信じてるようで。
常にピタっと窓を閉めて一日耐える。
だいたい乾いた道を砂埃をもうもうと巻き上げて進むので、窓などあけていたらものの数分で車内が砂嵐のあとのようになってしまうだろう。

密室なだけに、バスの中は風呂に入らないエチオピア人のニオイでクサイクサイ、と聞いていたが意外と体臭が少ないのでそれぼどでもなかった。(但し人による。私はどうやら慣れてしまってるようだ)ただし・・・ゲロゲロ吐く人が続出すると、けっこう大変なことになる。 

それと、びっくりするのがバスの床の汚れのすごいこと。
私はバックパックを座席の下に置くのだが、さすがの私も置くのをためらうほど汚れてしまう。
堆積した土ぼこリがアブラを吸い込んで、さらに水分と混じってどろどろっとしてる感じ・・・・。
おまけに車内でエチオピア人がかじるサトウキビのカス(サトウキビなんてカスばっかじゃんか)やミカンやバナナの皮や、なにやらいっぱい床に捨てるもんだからベタベタするんだな。
ちなみに窓についてるカーテンもかなり汚い。 清潔好きの人はマイカーテンが欲しくなるだろう。きっと・・・。よくそんなカーテンで手を拭いてる人がいるしねぇ。

ついでに言えばダニや南京虫。 ぼろぼろのシートに住み着いてたり、隣の汚いおじさんの服についてたり。
私は完全防備で長袖長ズボン、穴の空いたシートには防虫シートを敷いて乗っていたので大丈夫だったが、噛まれる確立はかなり高い。靴から這い上がって靴下のゴムのへんが一番やられやすいそうです。虫除けスプレーをかけて・・・・。おちおち寝てもいられない。 いや、寝るしかない。ゆれて頭ぶつけてタンコブ作りながら・・・。

そして大きなストレスなのが、今晩どこの町に着くか、いまいちわからないこと。
2日行程のバスの場合、夕方6時前にどこかの町に到着して、各自宿をさがして一泊、翌朝集まってまた出発する。
その町ってのがまた、ホントに田舎なわけで、安ブンナベット(バー兼、食堂兼、宿。娼婦宿とも言う)しかないのだ。
町を歩けばとたんに好奇の目にさらされ・・・・「困ったなぁ。」と宿に戻ってビールを飲むしかない。


そんなバスでも楽しみは多い。
なんといっても圧倒的な景色!
エチオピアは本当に景色がすばらしい。しかもゆっくり走るので、嫌と言うほどその壮大な景色を楽しめる。
写真を撮りたければちょこっと窓を開けてパシャ! キレイに写る。ブレないのだ。スピードがノロイからね・・・。

ほかに楽しみは・・・・・・・・
別に・・・・・たいしたことないな。


<バスの乗り方>

前日の夕方バスターミナルに行き、予約をする。
自分の名前とバスナンバーと座席、値段、行き先、日付、出発時間などがエチオピア語で書かれたチケットをくれる。
日付や時間はエチオピア暦とエチオピア時間になっているので注意。
たいていバスターミナルは朝5時半頃に開門する。
翌朝、ゲートが開く前にバスターミナルに行き、開門待ちのエチオピア人の行列を無視して門番のおじさんに自分の存在をアピールすると、外国人だからと特別に中に入れてくれる。

あとはすでに停まっている自分の乗るバス(ナンバーで探す)に乗り込み、好きな席に座り(これぞ特権!最前席の運転手横が最高!)ほっとしたころにはゲートが開いてディスニーランドの開門時のように押し寄せてくるエチオピア人達を余裕で眺め・・・・・その頃には夜が明ける。


<休憩>

乗っている時間が長いわりに休憩時間は少ない。正式にはお昼休みのみ。
体調を整え、水と食料を少し持って乗るべし。
トイレは頼めは停めてくれるようだ。男性はおおっぴらに立ちション。女性は・・・・スカートで隠して座りション。


<乗り換えについて>

ラリベラ〜ゴンダール間のように、直行バスがない場合、幹線道路上の田舎町(ガシェナ)でどこからか走ってきたバスを拾って乗ることになる。うっかりバスが通り過ぎてしまったり、バスが満員だと乗せてくれないこともあり、運が悪いと立ち往生する。 私は一台目のバスが行ってしまい、あきらめてピックアップトラックを交渉するか、大きな町に戻るか迷ってたところに地元の子供が2台目に来たバスを停めてれた。 自力でいつ来るかわからないバスを停めるのはけっこう難しい。助けを借りましょう。


<バスでの移動距離と所要時間> 



所要
距離
値段
備考
アジスアベバ
デシー Desie
11h
400km
47b
段々畑が美しい。途中ガス欠で1h停車
デシー
ウェルディヤ Weldiya
4h
120km

ラリベラへの途中、昼食休憩
ウェルディヤ
ガシェナ Gashena
3h



ウェルディヤ
ラリベラ
7h
175km

景色(大峡谷)がすばらしい!
デシー
ラリベラ
12h

36b
景色がすばらしい!が、道は最悪。
ラリベラ 
ガシェナGashena
3h

10b
ガシェナでデシー発ゴンダール行きのバスを拾う
運が悪いと乗り損なうのでラリベラからゴンダールへの移動は
一旦ウェルディヤに戻るほうが無難かも

ガシェナ
ゴンダール
2日間

40b
途中ガインという町で一泊。
ガシェナ→ガイン3h ガインゴンダール9h
ゴンダール
バハルダール
5h
170km
24b

バハルダール
青ナイル滝
1h

7b
バスは頻繁にあるが帰路の最終バス時刻に注意
バハルダール
アジスアベバ
2日間
580km
57b
途中デブレマルコスという町で一泊。
バハル→デブレ9h デブレ→アジス9h







時間は故障して停まっていた時間も含んでいます。どうせ一日一度は故障するので・・・・。



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