乞食とバクシーシ


唐突だが、インドとエジプトには共通点がある。
乞食とバクシーシである。
バクシーシ、というのは「ほどこし」と言う意味になろうか。インドあたりからアラブ方面では共通語になっている。
で、これがインドとかエジプトとか、観光客のたくさんいる国になると、「たかり」でしかなくなってしまう。
金持ちは貧しい者にほどこしを行うことによって「カルマ」(徳)を積むことができる。
・・・・ということで、「徳を積ませてやってるんだ、オラオラ、金出せ、」という感じでたかってくる。
子供から大人まで、本当に乞食のような人からしっかり稼ぎまくってる人まで、「バクシーシ!」としつこくいわれ、うるさいことこの上ない。
ちょっと何かしてくれたと思うと、それが親切ではなくて、バクシーシを期待していることが多く、がっかりしてしまう。
乞食も多い。人混みで私の袖をつかんでずっとついてくる子供。哀れな顔をして手をのばす女性。みんな本当に貧しそう。
そういえば、インドでは食べ物を残した場合、捨てる必要は無い。そこら辺の乞食や子供がいくらでももらってくれるから。捨てちゃ、ダメです。
インドから帰ると、物を妙に大切にしたりするのはそのせいかも知れない。
どうしようもない貧しさを脱することは、インド社会ではできないのかも知れない。
駅にシャワー室まであるのは、待合室で寝ているのは、そういう貧しい人が多いからかも知れない。
乞食ひとつとっても、いろいろ考えてしまう、インドなのである。
 

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