最終更新日:2001.06.22
とても印象に残ったツアーだったので、詳しく伝えたいと思います。
ツアーに参加した時に頂いた説明書と聞いた話、それとShigeyが調べたこと、感じたこと
を紹介しますね。
#「ジャングル・クルーズ」と表記していますが、「マングローブ自生林生態系遊学ツアー」
が正式名称のようです。
このツアーはランカウイ島の「タンジュンルー」という場所にて遂行されています。
「タンジュンルー」は、ランカウイ島の最北端に位置し、手付かずの大自然が多く残って
おり、島随一の景観を誇る所です。
タンジュンルーとは「西洋松の岬」の意味です。
タンジュンルーの景観は素晴らしい!!!
マングローブとは、南米の原住民が使っていた言葉「マンガル」と英語の「グローブ
(Grove)」がミックスされた合成語です。
日本では漂木(ヒルギ)と呼ばれ230年前に沖縄地域で発見されています。
マングローブは海水と淡水が入り交じる沿岸に生育する植物群の総称であり、世界
では60〜115種類もあります。
ランカウイ島(マレーシア)のタンジュンルーには、10数種類のマングローブがあります。
河口近くのマングローブ自生林
マングローブの特色として以下の4点があります。
@胎生種子植物である。
A塩水に浸かっても枯れない。
B大気中に根を出す呼吸根を持つ。
C海と森の2つの生態系を持ち合わせる。
マングローブは塩水に浸かっても枯れないんですから、すごいですよね・・・
マングローブの種子が見えます。
中央下の茶色いボールみたいなものと、
右側の「いんげん」みたいなものが種子なんですよ!
ちなみに「いんげん」みたいなは「オオバヒルギ」で、
ボール状のは「ホウガンヒルギ」です。
マングローブは他の植物より二酸化炭素の吸収量が多く、人間に必要な酸素を
たくさん作ってくれます。
栄養豊かな海を作り、フロンガスやダイオキシンで汚染されている地球を守るのは
マングローブの自生林です。
マングローブは地球、人間、そして小動物にとっても非常に大切な植物なんです。
タンジュンルーでは「鷲」「水辺の野鳥」「サル」「イグアナ」「大コウモリ」「カワウソ」
「イルカ」「ムツゴロウ」「シオマネキ(カニ)」などが棲んでいます。
もちろん自然の生き物なので、その日の海洋条件や天候などによって影響したり、
警戒心も強いため、その日に何が見られるかはわかりません。
#「鷲の餌付け」「熱帯魚の餌付け」は毎日見られるようです。
ちなみに私が行ったときには「ムツゴロウ」「シオマネキ」「鷲」「野鳥」「大トカゲ」
「大コウモリ」「熱帯魚」「ヘビ」を見ることができました。
「シオマネキ(カニ)」です。片方の爪だけ大きいんですよ。
つくつく出てる木の枝みたいなのが、マングローブの呼吸根です。
「ムツゴロウ」です。うまく撮れた貴重な一枚です!
ここがイグアナ・アイランドです。大トカゲがいるんです・・・
砂場にひょこっと出てきましたよ・・・
木の向こうには大トカゲの巣がたくさんあるらしいです。
大コウモリ(フルーツ・バッド)が棲む島。この島だけにしかいないようです。
大コウモリは体長1mもあるそうです。
昼間は木陰にぶら下がってます。(その姿は見ることできました。)
ビスケットを投げればこの通り・・・
ビスケットを持って水の中に入れれば、手にも食いついてきます!
(この魚には歯がないので大丈夫だということです。)
鶏肉を放り投げると、鷲が群がってきます。
餌をつかむと木に戻り、食べるとのことです。
勇敢な姿!!!
餌をつかむ瞬間!!!
タンジュンルーのマングローブ自生林は州政府の森林局によって管理されており、
定期的に間引き、老木の伐採を行い保護されています。
それら伐採されたマングローブはリサイクルという意味で炭に生まれ変わります。
このマングローブの炭は日本の備長炭と比べても勝るとも劣らぬ強い火力と持続力
があり、煙も立てずに燃焼します。
且つ、優れた脱臭と浄化作用があり、「炊飯」「飲み水」「冷蔵庫」「靴箱」「部屋」
そしてアトピーを防ぐお風呂用にと多様に使用できます。
その他に床下とか屋根裏の湿気を防止するため、建設業界でも注目されている
優れ物です。
#マングローブの炭は日本へも輸出されているんですよ。
ちょうど私が行ったときは炭焼きの年ではなく、炭焼きの光景は見られませんでした。
確か・・・炭焼きが3年間行われ、2年間休むとのこと。
今はかまどのメンテナンスのために1家族のみ残っているようです。
(定期的に空焚きを行っているようです。)
炭焼きの年には多くはタイ南部からの出稼ぎ労働者によって作業が行われるようです。
(大変な作業のため、地元の人たちは敬遠するようです。)
森林局からは電気のみの支給のようで、あとは自給自足の生活を送るとのこと。
(果物や魚など豊富なので食べるのには困らないとのことですが、まさにサバイバル
ですよね。)
炭焼き小屋です。
ここでの自給自足の生活は私には、できそうもないです・・・
【炭の使い方】
@飲み水・炊飯に使用する場合
水道で洗い、10分程度沸騰させてから使用します。
脱臭・浄化の効力は炭1個体で70回は使用できます。
A冷蔵庫・靴箱・部屋に使う場合
2〜3ヶ月に1回は沸騰して繰り返し使用してください。
B長期に渡り使用した炭
捨てずに植木鉢の中に入れると葉は青々と花の色は鮮やかになります。
・雨天日でも決行されるようです。(雨具の準備有り)
・ボートはほとんど揺れないですが、船に弱い方は申し出ると良いでしょう。
(酔い止めの準備があるようです。)
船にあまり強くない友達(かなり弱いかも・・・)も全く問題がなかったので、
それほど心配することはないでしょう。
時々、高速で移動しますが、これが涼しくて気持ちいいですよ!!!
高速で走ると涼しくて気持ちいいです!!!
・双眼鏡を貸してくれます。(2人に1つ)
・あまり濡れることはないですが、濡れても良い格好の方が良いでしょう。
#半袖・半ズボンで大丈夫です。
但し、日差しが強いので日焼け止めクリームを塗った方が良いでしょう。
・ボートから降りて少し散策することがあるので、帽子を持っていった方が良いでしょう。
メチャクチャ日差しが強いです。
但し、ボートに乗っているときは高速で移動することがあるので、その際は飛ばされ
ないよう注意が必要です。
ボートから降りての散策もあります。
日差しが強くて頭がクラクラしちゃいましたけど・・・
これが「カシューナッツ」の実ですよ!
でもこれを食べられるようにするには、
とても手間の掛かる作業が必要なんですよ。
歩いていると「蟻塚」を発見!!!
ミネラル豊富な実です。塩っ気があって美味しかったです!!!
実の拡大写真は下!
また食べたいなぁー
・昼食は「魚の養殖場」で、お弁当になります。
和風弁当(梅干し付き)美味しかったです!
#イスラムなのでアルコールは持ち込めないため、飲み物は麦茶です。
アルコールはホテルに戻ってから飲みましょう!
「魚の養殖場」で昼食!
水上コテージみたいで良かったですよ!!
魚捕獲用の網を使って作られたハンモック。
とても気持ちよかったです!!!
魚の生け簀がいっぱいあるでしょ!
(右奥の赤い屋根の建物で昼食。)
・このツアーに参加するとマングローブの種子がもらえます。育て方の説明もあります
ので、ぜひ育ててみましょう。
#苗は検疫上持ち帰ることができないが、種子なら大丈夫とのことです。
そうそう、マングローブの炭ももらえますよ。
マングローブの育て方はこちら!
マングローブの生長日記はこちら!
最後にこのツアーに参加して感じたことについて綴りたいと思います。
いろいろな産業が発展することによって、人々は豊かな生活を送ることができるように
なりました。
でもその結果、自然が破壊され生態系が狂い、いろいろな問題が起きています。
新種のウイルスが蔓延したり・・・地球の温暖化現象もいい例でしょう。
だから自然は出来る限り手付けずで残したいものです。
でもそれぞれの事情によって、それが難しいことであるのも事実だと思います。
産業の発展による産物に慣れてしまっている自分が、自然を大事にしようと言っても
説得力がないと思いますが・・・
「自然の大切さを忘れてしまわれた方は、ぜひ自然にふれてみてください!」
ランカウイには次いつ行けるかわからないですけど、ぜひこのままの自然を残して頂き
たいと思っています・・・
このツアーを遂行している加藤さんへ「今回のツアーが印象に残ったので、自分の
ホームページに掲載しました。」という内容をメールで送ったところ、以下の返信が
ありました。
ホームページを拝見させて戴きました。
ほんとに良く出来たページです。驚きました。
内容も完璧ですし、写真も良く撮れています、
素晴らしい出来映えで私も光栄に思います。
本当にありがとうございました。
また、胎生種子は新鮮な水と太陽の陽射しが
肝心ですから夏頃までは頑張って下さい。
先ずは取急ぎ御礼まで。
かとう とみすけ(加藤富弼)
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マレーシアネイチャーソサエテイー会員
日本エコツーリズム推進協議会会員
マングローブ専科研究員
【加藤様】
ありがたいお言葉を頂き、ありがとうございました。
今後もお体にお気を付けて、たくさんの方々に大自然を紹介して頂きたいと思います。
2001.03.26
【加藤様】
頂いた胎生種子の名称を教えて頂きありがとうございました。
それと丁寧なアドバイスも頂き感謝しております。
2001.04.18
#「マングローブ自生林生態系遊学ツアー」に関する問い合わせ等は、
こちらをご覧ください。
最後までお読み頂きありがとうございました!!!