クロックアップ(Celeron 300A の 463MHz化)

  1. 発熱に対する備え…ケース内の空気の流れとCPUの冷却
  2. BIOSの設定…CPU SOFT MENUUの設定→クロックの変更方法
  3. 動作確認方法…Benchmarkプログラムが通るか通らないか
  4. つい欲が…504MHzの壁
  5. おまけ…他のFSBについて
  6. クロック別動作確認一覧表…実験結果

intel Celeron300Aは、450MHz以上へのクロックアップが比較的高い確率で成功することから、マニアの間で人気の高いCPUです。今回、私も挑戦してみましたが、冷却に気を遣った以外、ほとんど無改造のまま、463MHzにクロックアップできました。クロックアップから、1年近く経ちますが、クロックアップが原因と見られる不安定な動作は、1度もありません。また、発熱も、案外少なく、問題なく動作します。夏の猛暑にも負けず、安定した動作です。

ここでは、クロックアップの実際について、簡単に記録しておきます。

ケース内の空気の流れと、CPUの冷却(厳密には、効率よく放熱と廃熱をすること)を工夫することで、クロックアップによるCPUの発熱に対処しました。

一般にCPUの動作クロックは、(外部クロック)×(倍率)=(内部クロック)で表されます。Celeronは、倍率固定です。従って、クロックアップは、外部クロック(ベースクロックまたは、FSB)をあげることになります。300Aは、標準では、FSBが66MHzで、倍率が4.5倍なので、動作クロックは300MHzになりますが、FSBを75MHzにすれば、337.5MHz、83MHzにすれば、375MHzとなり、さらに、100MHzにすれば、450MHzとなるわけです。

FSBの変更は、通常のマザーボードは基板上のジャンパピンの組み合わせで行うのが一般的ですが、今回購入したABITのBH6は、BIOSでFSBを可変できます。ケースを開けたり、細かいジャンパピンの抜き差しをせずにクロックを変えられるのです。また、後述しますが、BH6は、コア電圧もBIOS上で設定できるマザーボードです。クロックアップを成功した人の中でマザーボードにBH6を選んだ人が多い理由はこのあたりかもしれません。

BH6のBIOSを起動すると、「CPU SOFT MENUU」という設定項目があります。CPUの動作速度の設定を、「Uer Define」にし、「External Clock」を100MHz、「Multiplier Factor」を×4.5に設定します。そうすれば、動作速度は、450MHzになります。また、「Turbo Frequency」をEnableにすると、外部クロックが3%程度アップするので、103×4.5=463MHzになるわけです。

また、一般にクロックアップする際、コア電圧を上げると、クロックアップしたときの安定性が上がります。今回、試行錯誤の結果、標準の2.0Vでは、Benchmarkをとっているときに、数回に一回程度の割合でフリーズしてしまったので、450MHzで、2.05Vにしたところ、安定して動作しました。現在では、463MHz、2.1Vで常用しています。(ハングアップやフリーズをすることは、まずありません)BIOSの「CPU SOFT MENUU」の中に、「Core Voltage」という項目があるので、そこといじります。0.5V単位で変更できます。

今回、動作確認の方法として、Benchmarkプログラムを数種類走らせてみました。FinalRealityや3DMark99、Superπ104万桁やWINBENCH99、HDBENCHです。各プログラムが安定して走り、また、Benchmark結果が、クロックアップ相当のものであることをすべて確認しました。また、アプリケーションを実行しても、非常に安定していました。463MHzでは、全く問題なくマシンは動きました。

463MHzで安定して動くので、112MHz×4.5=504MHzに挑戦してみました。BIOSで外部クロックを112にすれば準備完了です。SAVE&EXIT SETUPで再起動すると、メモリーのカウントや、Plug&Play BIOSまでは、起動するものの、Windowsの旗が出たところで固まってしまいました。次に、電圧を2.1Vまで上げたところ、デスクトップが現れましたが、ものの1分と持たずにエラーの連発でした。試しに、危険を承知で電圧を2.4Vにしてみたところ、不安定ながら、1時間程度は動きましたが、熱くなってくるとすぐに固まってしまいました。FinalRealityやSuperπなどは、実行するとすぐにフリーズしてしまいました。冷却をもっとよくすればよいのかもしれませんが、今回は、安全性をとって、463MHzで常用することにしました。

IDEハードディスクの耐性や、AGPクロック、PCIのクロックなどとの関係などから、FSB83MHzは非常に動作がぎこちなく、とくにハードディスクが破損するおそれがあるので、やめました。75MHzは問題ありませんでした。(ハードディスクの動作は、75MHzが一番安定していました。)

外部

66

75

83

100

103

112

内部

300

337.5

375

450

463

504

1.90V

×

×

1.95V

×

2.00V

×

2.05V

×

2.10V

2.40V

◎非常に安定 ○安定 △一部不安定 ▲非常に不安定 ×動作せず −未確認
注:赤字は、常用域…非常に安定していて、発熱の面からも、安心して常用できる設定

現在、Vcore:2.10V、クロック:103×4.5=463MHzで常用中。非常に安定。

最終更新日 : 2001/05/13.