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1.廃棄物の種類 |
産業廃棄物と事業系一般廃棄物の違い |
事業系の廃棄物は、すべて産業廃棄物ではありません。廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)や政令で指定された廃棄物が下記一覧表のとおり、産業廃棄物で、それ以外の事業系廃棄物は、事業系一般廃棄物といい、事業者自体が処理するか、自治体が許可する一般廃棄物処理業者に処理の委託をしなければならないことになっています。 |
事業系一般廃棄物か産業廃棄物か? |
さて、前のサイト(産業廃棄物処理業)での冒頭のマンガですが、保健所職員さんが「スーパーからの動残(動植物性残さ)では、事業系一廃(事業系一般廃棄物)になりますからダメですね」とのセリフについて、説明いたします。 下の「2.産業廃棄物の種類」一覧表をご覧ください。№13~19は、「特定の事業活動に伴うもの」と規定されていますように、ここがポイントです。№16.「動植物性残さ」ですが、定義として、「食料品、医薬品、香料製造業から生ずる…」とありますように、基本的な考えは、製造過程で生じてくる動植物の残りカスなどを産業廃棄物とする、というものです。ですから、物体としては同じ物でも、発生元によって、一般廃棄物になるか、あるいは事業系一般廃棄物になるか、それとも産業廃棄物になるか、ということです。 |
【事例】(魚のアラ) | |
排出先(廃棄物が生じる場所) | 廃棄物の種類 |
家庭から | 一般廃棄物 |
魚屋さん(スーパーマーケット含む) | 事業系一般廃棄物 |
魚の干物製造業者 | 産業廃棄物(食料品の製造過程から生じる動植物性残さに該当) |
このように、産業廃棄物の定義は、なかなか分かりにくいのが特徴です。そのため、何の品目を取得すればよいか、は新規申請の際、大きなポイントになります。 |
2.産業廃棄物の種類 |
あらゆる事業活動に伴うもの | № | 種類 | 具体例 |
1 | 燃え殻 | 石炭がら、焼却炉の残灰、炉清掃排出物、その他、焼却残さ | |
2 | 汚泥 | 排水処理後および各種製造業生産工程で排出された泥状のもの、活性汚泥法による余剰汚泥、ビルピット汚泥、カーバイトかす、ベントナイト汚泥、洗車場汚泥、建設汚泥等 | |
3 | 廃油 | 鉱物性油、動植物性油、潤滑油、絶縁油、洗浄油、切削油、溶剤、タールピッチ等 | |
4 | 廃酸 | 写真定着廃液、廃硫酸、廃塩酸、各種の有機廃酸類等すべての酸性廃液 | |
5 | 廃アルカリ | 写真現像廃液、廃ソーダ液、金属せっけん廃液等すべてのアルカリ性廃液 | |
6 | 廃プラスチック類 | 合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくず(廃タイヤを含む)等固形状・液状のすべての合成高分子系化合物 | |
7 | ゴムくず | 生ゴム、天然ゴムくず | |
8 | 金属くず | 鉄鋼または非鉄金属の破片、研磨くず、切削くず等 | |
9 | ガラスくずコンクリートくず及び陶磁器くず | ガラス類(板ガラス等)、製品の製造過程等で生ずるコンクリートくず、インターロッキングブロックくず、レンガくず、廃石膏ボード、セメントくず、モルタルくず、スレートくず、陶磁器くず等 | |
10 | 鉱さい | 鋳物廃砂、電炉等溶解炉かす、ボタ、不良石炭、粉炭かす等 | |
11 | がれき類 | 工作物の新築、改築または除去により生じたコンクリート破片、アスファルト破片その他これらに類する不要物 | |
12 | ばいじん | 大気汚染防止法に定めるばい煙発生施設、ダイオキシン類対策特別措置法に定める特定施設または産業廃棄物焼却施設において発生するばいじんであって集じん施設によって集められたもの | |
特定の事業活動に伴うもの | 13 | 紙くず | 建設業に係るもの(工作物の新築、改築または除去により生じたもの)、パルプ製造業、製紙業、紙加工品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業から生ずる紙くず |
14 | 木くず | 建設業に係るもの(範囲は紙くずと同じ)、木材・木製品製造業(家具の製造業を含む)、パルプ製造業、輸入木材の卸売業および物品賃貸業から生ずる木材片、おがくず、バーク類等 | |
貨物の流通のために使用したパレット等 | |||
15 | 繊維くず | 建設業に係るもの(範囲は紙くずと同じ)、衣服その他繊維製品製造業以外の繊維工業から生ずる木綿くず、羊毛くず等の天然繊維くず | |
16 | 動植物性残さ | 食料品、医薬品、香料製造業から生ずるあめかす、のりかす、醸造かす、発酵かす、魚および獣のあら等の固形状の不要物 | |
17 | 動物系固形不要物 | と畜場において処分した獣畜、食鳥処理場において処理した食鳥に係る固形状の不要物 | |
18 | 動物のふん尿 | 畜産農業から排出される牛、馬、豚、めん羊、にわとり等のふん尿 | |
19 | 動物の死体 | 畜産農業から排出される牛、馬、豚、めん羊、にわとり等の死体 | |
(20) 以上の産業廃棄物を処分するために処理したもので、上記の産業廃棄物に該当しないもの(例えばコンクリート固型化物) |
3.特別管理産業廃棄物の種類 |
産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他人の健康または生活環境に被害を生じるおそれがあるものは、 特別管理産業廃棄物となります。 |
種類 | 具体例 |
引火性廃油 | 揮発油類、灯油類、軽油類であって引火点が70℃未満のもの |
腐食性廃酸 | 廃酸であってPH2.0以下のもの |
腐食性廃アルカリ | 廃アルカリであってPH12.5以上のもの |
感染性産業廃棄物 | 医療関係機関等から排出される、血液、使用済みの注射針等の感染性病原体が含まれ、若しくは付着している廃棄物又はこれらのおそれのある産業廃棄物 |
特定有害産業廃棄物 | |
廃PCB等 | 廃PCB及びPCBを含んだ廃油 |
PCB汚染物 | PCBが塗布又は染み込んだ紙くず、PCBが染み込んだ木くず・繊維くず、汚泥、PCBが付着又は封入された廃プラスチック類・金属くず、PCBが付着した陶磁器くず |
PCB処理物 | 廃PCB等又はPCB汚染物を処理するために処理したもの |
指定下水汚泥 | 環境省令で定める基準に適合しない下水道法施行令の規定により指定された汚泥及びこれを処分するために処理したもの |
廃石綿等 | 建築物、その他の工作物から除去した、飛散性の吹き付け石、石綿含有保温材・断熱材・耐火被覆材及び、その除去工事から排出されるプラスチックシート等、大気汚染防止法の特定ばいじん発生施設を有する事業場の集じん施設で集められた飛散性の石綿 等 |
有害産業廃棄物 | 環境省令で定める基準に適合しない燃え殻、鉱さい、ばいじん、汚泥、廃酸、廃アルカリ、廃油及びこれを処分するために処理したもの |
4.処分業の保管施設に関する基準 |
産業廃棄物の飛散流出防止などの観点から、保管施設には厳しい基準が設けられています。 | |
№ | 内 容 |
1 | 保管場所の周囲に囲いが設けられていなければなりません。また、保管する産業廃棄物の荷重が囲いに直接かかる場合、その荷重に対して構造耐力上安全であることが求められます。 |
2 | 産業廃棄物の保管に関して、見やすいところに下記のとおり、必要な事項を表示した掲示板を掲げなければなりません。 1.産業廃棄物の保管の場所である旨 2..保管する産業廃棄物の種類 (当該産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合は、その旨) 3.保管場所の管理者の氏名または名称および連絡先 4.屋外で容器を用いないで保管する場合は、最大積み上げ高さ 5.掲示板の大きさ:縦60㎝以上×横60㎝以上 |
3 | 保管場所から産業廃棄物の飛散、流出、地下浸透、悪臭発散が生じないような措置を講じなければなりません。 |
4 | 産業廃棄物の保管に伴って汚水が生ずるおそれがある場合は、公共水域および地下水の汚染防止のために必要な排水溝、その他の設備を設けるとともに、それらの設備の底面を不浸透性の材料で覆うことが求められます。 |
5 | 保管場所には、ねずみが生息したり、蚊、ハエその他の害虫が発生したりしないようにしなければなりません。 |
6 | 産業廃棄物を容器に入れずに屋外で保管する場合は、次のような規定があります。 1.廃棄物が囲いに接しない場合は、囲いの下端から勾配50%以下。 2.廃棄物が囲いに接する場合(直接、壁に負荷がかかる場合)は、囲いの内側2mは囲いの高さより50㎝の線以下とし、2m以上の内側は勾配50%以下とする。(勾配50%とは、底辺:高さ=2:1の傾きで約26.5度) |
7 | 石綿含有産業廃棄物にあっては、次に掲げる措置を講じなければなりません。 1.保管の場所には、石綿含有産業廃棄物がその他の物と混合するおそれのないように、仕切りを設ける等必要な措置。 2.覆いを設けること、梱包すること等、石綿含有産業廃棄物の飛散の防止のために必要な措置。 |
5.欠格要件に該当する事例 |
事業の重要性から、欠格要件に関しては、厳しい基準が設けられています。 |
廃棄物処理法第7条第5項第4号 | |
1 | 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの |
2 | 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者 |
3 | この法律、浄化槽法(昭和58年法律第43号)その他生活環境の保全を目的とする法令で政令で定めるもの(注1)若しくはこれらの法令に基づく処分若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。第32条の3第7項及び第32条の11第1項を除く。)の規定に違反し、又は刑法(明治40年法律第45号)第204条、第206条、第208条、第208条の2、第222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰ニ関スル法律(大正15年法律第60号)の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者 |
4 | 第7条の4第1項(第4号に係る部分を除く。)若しくは第2項若しくは第14条の3の2第1項(第4号にかかる部分を除く。)若しくは第2項(これらの規定を第14条の6において読み替えて準用する場合を含む。)又は浄化槽法第41条第2項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合(第7条の4第1項第3号又は第14条の3の2第1項第3号(第14条の6において準用する場合を含む。)に該当することにより許可が取り消された場合を除く。)においては、当該取消しの処分に係る行政手続法(平成5年法律第88号)第15条の規定による通知があった日前60日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この号、第8条の5第6項及び第14条第5項第2号ニにおいて同じ。)であった者で当該取消しの日から5年を経過しないものを含む。) |
5 | 第7条の4若しくは第14条の3の2(第14条の6において読み替えて準用する場合を含む。)又は浄化槽法第41条第2項の規定による許可の取消しの処分に係る行政手続法第15条の規定による通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に次条第3項(第14条の2第3項及び第14条の5第3項において読み替えて準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による一般廃棄物若しくは産業廃棄物の収集若しくは運搬若しくは処分(再生することを含む。)の事業のいずれかの事業の全部の廃止の届出又は浄化槽法第38条第5号に該当する旨の同条の規定による届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から5年を経過しないもの |
6 | ホに規定する期間内に次条第3項の規定による一般廃棄物若しくは産業廃棄物の収集若しくは運搬若しくは処分の事業のいずれかの事業の全部の廃止の届出又は浄化槽法第38条第5号に該当する旨の同条の規定による届出があった場合において、ホの通知の日前60日以内に当該届出に係る法人(当該事業の廃止について相当の理由がある法人を除く。)の役員若しくは政令で定める使用人(注2)であった者又は当該届出に係る個人(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)の政令で定める使用人であった者で、当該届出の日から5年を経過しないもの |
7 | その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者 |
8 | 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人がイからトまでのいずれかに該当するもの |
9 | 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちにイからトまでのいずれかに該当する者のあるもの |
10 |
個人で政令で定める使用人のうちにイからトまでのいずれかに該当する者のあるもの |
廃棄物処理法第14条第5項第2号 | |
1 | (第7条第5項第4号イからトまでのいずれかに該当する者) |
2 | 暴力団による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(以下この号において「暴力団員等」という。) |
3 | 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人がイ又はロのいずれかに該当するもの |
4 | 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるもの |
5 | 個人で政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるもの |
6 | 暴力団員等がその事業活動を支配する者 |
※ 欠格事項に該当した場合、絶対に許可されません。該当するか否かの審査は 非常に厳格で、各関係機関へ照会をかけますので、ごまかしはできません。 |
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