大な損失だったのでは ないでしょうか?)
幾日か図書室へ通っているうちに“PSSC”という本で 複プリズムによる干渉というものがありそれに何となく興味を引かれて行ったのでした。(彼らは全く気安く簡単に実験をやろうと考えていたのでした。)
ここでも彼らの凝り性は黙っていませんでした。かれらはその日のうちにメガネ屋や文具店へ行って複プリズムがあるかと聞き回ったのですが 彼らの欲しい複プリズムはどこにもありませんでした。又それに加えてとてもショックであったのは 複プリズムというものが非常に高価である事が解ったのです。落胆せず(もとより彼らはそんな高度な精神構造はしておらずとてものんきな連中なのですが)次の日 彼らは水野先生に学校に複プリズムがあるのかどうか伺ってみたのですが 幸か不幸か学校にはないというつれない言葉。(物理部にもう少しお金があったら彼らは何なく複プリズムを買い それだけで終ったのであろうから お金がない事は日本光学界において偉大な利益であったのだろう。)
「ところでお前たち 何をやろうっていうんだい。」
「ええ、あの…複プリズムによる干渉をやろうと思っていたんですけど…」
「そうか。…それだったらヤングの干渉実験をやればいい。教科書には写真が出ているけれども あれを実際見た人は高校生にはそんなにいないよ。それに光の波長の測定も出来るんだよ。そこら辺自分たちでちょっと調べてごらん。」
これから彼らの気違いじみた行動が始まるのでした。(後に解った事なのですが実は複プ