にして墨(墨汁という物を使ったのです。)を何回か重ねて塗っておきました。
「さて、墨が乾くまで暇だなあ。」
「俺、ちょっとH組(2Hのこと)へ行ってくるよ。高畑先生(藤田氏と幼稚園の時一緒のクラスで それから11年ぶりにまた同じクラスになった彼の悪友)がいるかも知れないから。」
と言って藤田氏はH組へと向かうのでした。ところがいつまで待っても彼は帰って来ないというのもあたり前の事。当時2Hと言えば砂漠の中のラスベガスか、又は地の果ての網走かと噂されていた程 悪の華が今を盛りと咲き誇っていたのでした。今にも裸にされそうになっている藤田氏の所へ 遠藤氏と向山氏が恐い顔をして現れました。
「ちょっと待ってて。この勝負が終ったら帰るから。」
と言っている間に遠藤氏も向山氏も羨ましそうに眺めている暇そうな奴を二人集めて、ナポレオンを始めてしまうのです。
「まあ、今日は仕方無いや。明日になれば、乾いているだろうから明日スリット作る事にしようや。」
一人がこんな事を言うと他の二人も何の抵抗もなく同意してしまっているのでした。とこ