無い事を考えつくのが彼らの面白い所。このスプレーを使ってスリットが出来ないものだろうかと思えた。考えるとすぐにやってみるのがすばらしい所。さっそくスライドガラスに向かってシューとひと吹き、これで悪戦苦闘していたガラス全体を黒くする事は難なく出来た。(ここまで来るのがながかった)さてその次はスリットの作製。ところがどうした事か3人の中で一番不器用な藤田氏が作ろうとしたからさぁ大変。それでも出来たものを見てみると単スリットはやはり失敗。ところが可笑しな事に複スリットはできていた。複スリットで部屋の蛍光灯を覗いていた遠藤氏、
「見てみ、干渉が見えるぜ。」
ここで他の2人、それから部室にいた部員たち、みんな吾先きにと、覗きをするのでした。(全く男と言うものは覗きが好きなのですなぁ。)
ところが彼らはこれだけでは黙っていなかった。ところでこれは一体どんな線が引けているんだろう。どうしたら調べられるかなぁ。そうだ!顕微鏡でみればいい。ところで顕微鏡は何処にある。当然、生物科に決まっている。(この時生物科へ行ったのは遠藤氏と藤田氏の2人。何故か向山氏は行かなかったのです。)
暫くして我々の愛すべき二人の気違いは心浮き浮きと生物科へ 行くのでありました。
コンコン(これはドアを叩く音であります。)
「失礼しま〜す。」(何故かハモるのです。)
「は〜い」(中から奇妙な声での返事。)
────間────(ドアから先生の所までかなり距離がある。)
「あの〜、顕微鏡を貸していただけまんか?」
「顕微鏡?一体何をしようっていうんだい?」
「えぇ、あの ちょっと見たいものがあるんです。」