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──三人が凝っと見守っている中でジュンちゃんは顕微鏡を覗いている。──
「うわっ これはひどいな。ちょっと遠藤、見てごらん。」
──遠藤氏、覗く。──
「何て言うか、線がギザギザになっているみたいな……。藤田、見てみィ。」
──遠藤氏、次に向山氏が覗く覗く。二人びっくりした様なようす──
「先生。これはどういう訳なんですか?」」
「この紙、これは模造紙だろう。つまり模造紙はつるつるしているみたいに見えるけども実際はこんなに凹凸になっているという事さ。」
「……って言うとどうしたらいいのかな。」
「だからもっと凹凸の少ないものを使う事だな。」
「ハァ……そうですか。」
「ちょっと製図でよく使うケント紙を見てみようか。」
──ジュンちゃんじゅんびする──
「ほら、これも模造紙に比べたら凹凸が少ないだろうけれど これもかなり凹凸しているだろう。」
──顕微鏡を覗いた遠藤氏──
「そうですね 前のに比べたら少ないけれども……でも、かなり……」
──他の二人 顕微鏡を覗き終わって頷いている──
「でもケント紙でも君たちの実験を正確にする為には まだ困るだろう。」
「ええ、そうですね……」
「あっ そうだ。こんな紙使ったらどうだろう。」
──ジュンちゃんはカレンダーを指していました。そしてそのカレンダーは何処にでもある様なものでした。が、その紙は蝿がとまったらすぐに滑ってしまいそうなツルツルの紙なのでした。これがアート紙という奴でした。──
「そうですね、それだったらいいみたい。」
「今日、帰りに文具店に寄ってみようか。」

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