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(三人の家が吉原方面であった事が非常に良かったのです。)

「あのォ……ケント紙見せていただけますか。」
──相手、厭な顔もせずケント紙を出し──
「どうぞ。」
──やはり凹凸がかなり激しい──
「あのォ……もっと凹凸が少ないケント紙はないんですか?」
「うちではこの種しか置いてありません。」
「それじゃカレンダーに使ってあるようなツルツルした紙 ありませんか?」
「あぁアート紙ですか、うちではそういうものは扱っていないんです、そういうのは印刷所へ行かなけりゃ無いんじゃいのかな。」
「あぁそうですか、……って言うと何処へ行ったら良いのかな。」

これでこの日は家に帰ったのです。そして次の日、この日は土曜日でした。三人は昼を済ませて集合です。準備の第一歩で つまずいた彼らは少々険悪ムード。
「紙がないから今日は何もできないな。今日はH組へ行ってトランプやろうかなぁ。」
「何という事を言うんだい。もう直三年になるんだぜ。そんな呑気な事言っていられると思ってるのかよ。」
「じゃ、今日何やるんだよ!」

ここで遠藤氏、藤田氏、向山氏は喧嘩分かれ。分かれた後藤田氏、向山氏はH組へ行ったがその日トランプは、やられておらずそこに居た者と馬鹿話。残りの遠藤氏は怒ったのか学校から出ていって仲々帰って来ない。この遠藤氏、 この時紙を捜してあっちこっち彷徨き回っていた。そして行き着いたところが“富士文化印刷”。彼の応対に出て

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