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くれたのは人の良さそうなおばちゃん。

「あの……、お宅にアート紙ありますか?よくカレンダーなんかに使われているやつなんですけど……」
「えぇありますけど……どうするんですか?」
「少し分けていただきたいんですが……、あのォ実験に使いたいんです。」
「えぇいいですよ。で、どれぐらい欲しいの?」
「え〜と、5枚もあればいいですよ。」
──ここでおばちゃんは適当にアート紙を取り出し遠藤氏に渡す。──
「で、あのお値段の方なんですけどいくらぐらいでしょうか。」
「アート紙の値段良く分からないから ただでいいよ。」
「でもそれじゃァ……」
「いいからいいから。」
「そうですか……じゃ、どうも。」
(こういう時二枚目はいいね。畜生!!)

まんまと彼はアート紙を貰って来たのでした。それにインクは昨日買ってあるし、カラス口もあるものですから その日は線引きをやる事になってしまいました。かなりの日数、線ひきを行ないました。そしてどれ位、線を引きましたか、幾枚か使い物になりそうな物が出来たのでした。そして彼らはまたジュンちゃんの所へ急ぐのでした。

 コンコン(再三でますがこれはノックの音。)
「失礼しま〜す。」(注は前出)
「は〜い。」   (同上)
──間──  (同上)
「先生、やっと出来ました。みて下さい。」
──先生、あまりのすばらしさに暫く絶句──
    (これは冗談)
「今度はいいみたいじゃないか。」

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