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「えぇそうでしょう。今回もまた向山君が書いたんです。」
「これだったら撮っても良いだろう。」
「……と言いますと何時頃 撮影という事になるですか?」
「ちょっと待って来れよ。」
──ジュンちゃんはカレンダーを見るのです。そして何時暇かを調べるのでした。──
「今度の土曜日に天気が良かったら生活館の所で写そう。」
「ハイ、それじゃお願いします。」
──間──   (注は前出)
「失礼しました。」 (同上)

第5章 天気晴朗なれど風強し

 その日彼らの日頃の行いが良いのか又は藤田氏の作った“フレフレ坊主”の力なのか朝から雲ひとつない位 晴れ渡った青空であった。しかし日頃の行いの本当は良くない彼らに対して神様が味方してくれる訳はなかった。その日風が強く藤田氏の髪の毛は外に出ると非常に決まるのであった。その日クラブ対抗球技大会の後半が行われている中で三人の男が集合した。彼らは何を企んでいるのか皆、ニヤニヤと顔に笑みなどを浮べて二言三言、言葉を交わし朝からの風がまだ止まぬ戸外へと飛び出した。その三人は暫く適当な場所はないかあたりを物色していたが三人揃って生活館へと向かい出した。ひとりの男が眼鏡の中から鋭くよく光る眼で“ここが良いだろう”とでも言う様に合図をすると眼鏡のない鈍そうな眼の男があたりの様子を伺い 人の居ないのを確めると彼はかねてより用意してあった“雑巾”を素速く取り出すと生活館の窓を拭き始めた。
「藤田、もっとこっちの方を少し。」
──藤田氏はジュンちゃんに言われた所を拭く──

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