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斯くしてスライドが出来ました。彼らは流石に喜こんで天気が良いと屋上に出て太陽を一生懸命覗いては、干渉が見えたのこっちの方が巾が広いのと 全く気が狂った様にはしゃいでいるのでした又、そんな連中を横目で見ては笑いを堪えているのがジュンちゃんなのでした。(この時ジュンちゃんは3年のクラスを受け持っていた為、いろいろと忙しかったのです。)
いつもの様に馬鹿みたいに太陽を見ている彼らを見ている“ヒト”が居た。(ヒトを漢字に当てると何になると思いますか?“女”と思いますか?それとも“人”と思いますか?)
そのヒト 誰であろう。物理科のある偉大な先生(物理科で偉大と言えば当然「M先生」なのです。)
──見られているのに気が付いた藤田氏、先生に聞こえないように小さな声で──
「おい、M先生が見てるぞ」
──他の2人、いわれてその方向をみる──
「あっ、本当だ」
──ここで遠藤氏、あまりにもM先生が羨ましそうに見ていると思ったのか──
「先生も御覧になりますか?」
──先生.ニコッと笑って──
「俺りゃ いいよ!」
(後で考えてみますとこれは運命的な出会いだったのです。何故なら彼ら3人は3年生になって、この先生に物理を教わることになったのですから。)

そうこうしているうちに2年生の3学期も終わりを 迎えるのでした。“この休み しっかり勉強せよ”と言われていたのに全く彼らは無視して、と言うか 一抹の不安を抱きながらと言おうか、毎日学校へ通ってくるのでした。全く彼らがこれ程真面目になる事はあまりないのですが 登校禁止の日である入学試験の日にも学校に集まったのですから 本当にあきれてしまいます。

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