「本当、ちょっと痛い板の値段だなぁ…」
こんな彼らを見ていたおっさん、ひと言。
「そんなら700円でいいよ。お前さんたちは実験に使うんだもんなぁ。」
(学生の特権とでもいうものでしょうか。本当に彼らにとっては喜ばしい事でした。)
ここで彼らはちょっと考えた。
「さっき1枚225円って言ってなかった。」
「うん、そう言っていたよ。」
「でさ、4枚で1000円って言ったでしょう。」
「うん、言った言った。……まてよ。……」
「ねえ変でしょう。4枚1000円って言うと1枚250円になるでしょう。」
「すると俺たちあのまま買っていたらすごく損をしたことになるんだなぁ。」
ここでやっと気が付くのですから、本当に呑気なものですなぁ。
さてこの材木屋の目と鼻の先に“富士文化印刷”がありました。ここで彼らはどうせ此処まで来たのだからもう少しアート紙を買って行こう。彼らは材木を買ってすごく財産家になったものですから 藤田氏を見張りにして遠藤氏と向山氏は“富士文化印刷”へ行くのでした。
──遠藤氏 この前のおばちゃんを捜しおばちゃんにむかって──
「あのォ…、またアート紙を6枚程分けてもらいたいんですが…」
「あぁ、良いわよ。」
──と言っておばちゃんは10枚程を彼らに渡してくれました──
「え……と、で おいくらですか。」
「単価を聞くのを忘れちゃったから慈善事業のつもりであげるよ。」