出来上がったのです。この暗箱、彼らの血と汗と涙と、そして火傷の結晶とでも申しましょうか、本当に一生懸命につくったのです。それはかの生物科のジュンちゃんをして言わしめた“これ(暗箱)は本当に表面がツルツルしていて気持ちが良いなあ”の言葉に象徴されているというものでしょう。ところでこの暗箱が出来る少し前の話。
彼らはこの前買った板で暗箱をつくろうと考え、寸法をとり、その大きさに伐ったのは良いのですがその木の表面がどうも気に入らない。そこで彼らはこの前の加工場へ持って行ってカンナをかけてもらおうと考えた訳。彼らの持って行った木(かなりソリがひどいもの)を見てそこのおっさん曰く、
「こんなもん、カンナかけてもあかんわ。新しい木をやるさかいに持って行き。この木の大きさに伐ればええんやろ。」(大阪弁のつもりなのですがどうでしょう?)
彼らは何も言う間もなく、そのおっさんはもう一人のおっさんに
「この大きさに板、4枚伐ってやってや。」
彼らは妙な気分になりながらも板をもらって帰ってきたのでした。そこでケチな藤田氏の言った言葉。「こんなにしてもらえるんだったら板なんか買わなけりゃ良かったなぁ。」
暗箱も出来上がり、スリットも出来、光源の心配も