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――ここで遠藤氏――
「簡単な富士高式回析格子(先輩がつくられたもので、同じく写真のネガを使った回析格子)を使ってみようよ。」
「それもいいなぁ。じゃ複々スリットと十字スリットでも回析格子をつくろうよ。」

(注:回析格子について:干渉を見るのには彼らのやっているヤングの干渉実験と回析格子によるものとがある。両者の違いは前者が2本のスリットであるのに対して、後者は沢山のスリットであるという所である。)

彼らはさっそく線引きを始めるのでした。ところが彼らは、彼らが製図版代わりに使っていた机の側面が歪んでいるのに気が付いた。さてこれを是正しなくてはいけない。でもどうやって…。結局はガラスを使ってこれを直そうと考えた。そこで彼らは、何処に何が在るか全く知らない富士の街へと飛び出して行った。そしてガラス屋を見付けると、さっそく中へと入って行く。

「あの……厚さが5mm位のガラス板ありませんか。細長いといいんですが……」
「えっ。何にするの?ガラスなんかで…」
「えェ、実は僕達、富士高の物理部なんですが、今ちょっと実験をやっているのです。それでちょっと、使いたいんです。」
「じゃ、付いてきなさい。」
――と、彼らを奥の作業所の方へ案内してくれる。そして、そこに居た人に――
「厚さが5mm位のガラス板、あります?」
「えっ、何にするの?」
「この人たちが 実験に使うんですって。」
「ここには今、ないけど 工場の方にはあるんじゃないのかなぁ。」
この時彼らはそこら辺の壁に貼ってあった「NUDE」

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