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「あの……ひょっとしたら先生、今、薬品Bの方を先に入れたんじゃないんですか?」
「僕も何かそんな気がするんですが…」
「若干 そんな気がしないでもないみたい…」
「え…!そんな…!、あ!! しまった!!」
「先生、言っている側からすぐに間違えましたね。」
「エヘヘヘ……」(これは先生以外の人の笑い声。)
「ちょっと間違えるとこうだからいやになっちゃう。お前たちがジロジロ変な眼付きで見ているから、いけないんだよ…」
―――幕―――

薬品の入れる順序を間違えたにもかかわらず何とか現像液が出来ました。ここまで来れば後は、何と言う事もなく現像が仕上がりました。これでいろいろなスリットが出来上がり、当分はそれで彼らもはしゃいでいましたが、干渉を見るだけでは満足出来ずに、今度は波長の測定をしようと言う事になった。それで問題になったのがどうやって干渉をスクリーンに映すかと言う事。最初どうやってもスクリーンに像を結ぶ事が出来なかったが何の気なしに向山氏がプロジェクターの中に単スリットを入れてみると、あ〜ら不思議、ちゃんと干渉がスクリーンに映っている。彼らの喜び様と言ったら大好きな女の娘にキスされたより(当然彼らにはそんな経験はないのですが)もっと嬉しい気分なのでした。又、十字スリットには点光源と言って、光源がただの点であれば良いという事も分かったのでした。

第8章 花の物理部光学班の初舞台

そんな頃、いつもの様に富嶽祭が近づいて来た。彼らは自分たちの実験をみんなに知らせる事が出来るのが嬉しかった。でも誰が説明をやるんだろう。三人共、みんな口(くち)べたなんだから。そうだ、女の

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