娘がこの時の為に居たんじゃないか。と言う事で5月に入ってからは毎日富嶽祭の準備。説明をする為の図を模造紙に書いたり、又説明してくれる女の娘に説明したり(この役目はもっぱら遠藤氏
に任せ、他の二人はそれを横目でニヤニヤして見ながら説明を書いたりしている)女の娘達は一生
懸命遠藤氏の説明を聞いているが、あまり分からない様子。そこで彼らは、
「いいよ、説明だけやってくれれば。質問は僕達で考える事にするから。」
と言う事で女の娘たちは説明の仕方を一生懸命覚えるのでした。次に彼らは実験台をつくろうという事になった。板は沢山あるのでその点心配はない。それで暗箱を固定する必要に迫られた。それで考えたのが自転車の荷ひも。それも黒い平たいゴムを使った奴。彼らはさっそく買いに出かけて行った。行った所は自転車屋(これは当り前)ところがその店、なにか様子が違う。自転車屋なのに、店の中に自転車がない。でもそんな事は気にもせず、彼らは目的の品物を買おうとすると、
「うちは問屋なのでバラ売りはやらないだがね。」
と、ちょっと嫌味ったらしく言われるがこれも無視し
「あぁ、そうだったんですか…」
と行っても彼らは帰ろうとしない。そこで彼らはゴムひも一本買うために問屋へ行き、そしてちゃんと彼らは買って来たのである。(ところがこのゴムひも、結局は使わなかった)手に血まめを作りながらも彼らは何とか台をつくる事が出来た。そして又、彼らは(と言っても向山氏だけであるが)線引きを始めるのであった。今回引くスリットは