縦横ぎっしりと線を引く十字回析格子(前回の試作品で縦横の線が交さしている所のみ役に立つ
事がわかった為)でした。それと平行して彼らは干渉縞を写真に写す為の準備(と言ってもフィルムを買う程度)をしました。この方の撮影はジュンちゃんの都合に合わせて第1回めは5月22日に白黒で撮る事になりました。この結果を見て次にカラーで撮る時の為の参考にしようと考えたのでした。第2回めは物理部の合宿が行われる5月26日の土曜日でした。この時遠藤氏と藤田氏は泊まる予定であった為か、のんびりとやっている。可哀想なのは向山氏、彼は帰る予定でいたのが撮影が済んだのが10時過ぎとあっては帰るのがいやになるのも当り前と言うもの。それで彼は急きょ泊まる事になった。ところが家への連絡が困った。当時彼の家は有線電話であったので農協が閉まってしまう8時過ぎは電話がかけられない。そこで考えて無線を使う事にしました。運よく知り合いの人が出ていた為、その人を中継して彼の家の人を呼び出す事が出来、やっと連絡をとる事が出来た。この撮影の際、どうやって撮るのが良いか考えていたジュンちゃんは
「ひょっとしてこうしたら……」
と、彼はカメラのレンズを取り外しました。
「うん、これで良いみたい。」
でもジュンちゃん自慢の“ニコンのF2”も何か可哀想な感じ。撮影が終わってジュンちゃんが言うには。
「お前たちと付き合っていると全くいろんな経験が出来るよ。レンズ無しで写真が撮れる事が分かったものなぁ。」
斯くして干渉縞の撮影も何とか出来上がりました。後はカラーの現像が出来るのを待つばかり。次に彼らは回析格子の撮影に移って行くのでした。この撮影、富嶽祭ももう間近かという様な5月31日