――奥さんらしき人が値段表をみて――
「1枚300円ですね、だから10枚で3000円。」
――二人唖然としている。あまりの値段の高いのにびっくりしてしまい、暫く絶句――
「でもあんた達が実験に使うって言っていたから少し位、まけてもいいよ。」
――二人は持ち合わせの金の額を計算する――
――二人がはっきりしない様子なので工場のおっさんは――
「これなら1枚100円でやるよ。」
と見せたのが長さ1m位巾10cm位のアクリル板。二人は1枚100円と言うので5枚買った。これを使ってスクリーンにする事が出来ました。彼らは最初アクリル板にトレ−シングペーパーをのり付けしようと考えていました。ところが紙をアクリル板に近付けるとその紙が不思議な事に吸い付けられるのでした。(単なる静電気による吸着なのですが)それで彼らはこの力を利用する事にしたのでした。そして10月21日、この日は私立大学の大学説明会が行なわれていました。が、この日に彼ら三人とそして2年生の二人が集まりました。そして第2回めの測定を行なうのでした。この日彼らが測定している間に鈴木氏はマウントの製作や点光源の製作などをしてくれて、仲々逞しい所を見せて彼ら三人を喜ばせるのでした。
理科研究発表会が11月10日に行なわれる事が分かりました。それで彼らは非常に焦り出したのです。発表会までにはもう幾日もないのですから藤田氏は論文の作製に必死。又波長測定のデータ―にまだ満足していない遠藤氏は学校に唯一人残り再三再四波長の測定をするのでした。ところが11月10