図を見てもらえば分かると思いますが、構造はかんたんです。ガラス繊維を利用したのは、ファイバースコープの応用です。また、パルス発生装置は、事務所などで使われているブラインド式で、回転することによってパルスを作ります。また、ブラインド式を用いた理由は視細胞の活動電流を工学的にみると、ひじょうに短時間で一つのパルスを出しているため、スピードの点でブラインドを利用してみた。しかし、大きな問題があります。それは視物質です。我々は色覚をそなえていますが、その色覚とはどういうものでしょう。それは網膜に含まれている視物質が、その視物質特有の光に感じると色素は膨張して、視物質を包んでいた細胞を刺激します。すると刺激された細胞はインパルスを発生するのです。一度膨張した視物質はどうしたら元の状態にもどれるか。それは多くの過程をへて元にもどるのです。多くの過程とは、ロドプシンならばビタミンAなどの働きで、バソロドプシン→メタロドプシン(退色過程物質)というように形を変えて元にもどるというように、サイクリックな過程をへているのです。さて、この過程を人工的にはどう解決したらよいでしょう。生体ならばビタミンAなどの供給はできますが、人工となるとそれができないのです。どうしたらよいでしょう。この疑問は、まだ有機科学を勉強していない著者にとって難しく、理解できません。よってこの問題は高校を卒業してからの楽しみとします。もう一つの大きな問題はガラス繊維と視神経の結合部分です。視覚には、明暗のほかに水平感覚などがあります。もし、逆に結んでしまったら、我々はさかさまに見るのでしょうか。また、視神経は1μ~2μの太さですが、ファイバースコープのガラス繊維は10μ~15μです。どうしたら良いでしょう。もし視神経を10本束にして、着けたら0.1mmまで解像できた人は1.5mmまでしか解像できなくなります。この第一案にはまだまだ多くの問題点をのこしていますが、著者の成長と共に解決されるでしょう。
とりあえず今回は、白黒の視覚にのっとったアイディアを発表しました。この考案はまだ日が浅く、1年しかたっていませんが、1年前とはだいぶ違った考想となりました。それは研究していく過程で不可能と感じてきたからと思います。基礎実験として、視神経の活動電流を調べたいために、次のような実験をしました。